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プロローグ
ある少女の独白
しおりを挟む15歳
それは私にとって世界が変わった瞬間っていうのかな、 それくらい衝撃だったんだ。
ジーヴスを選んで教育する。
それは大人になった証で、 それは当然で……
私よりも少し早く15歳になったカーマインも、 年下の女の子を選んで連れているのを見た。
手を繋いで笑いあってる二人を見て、 なんかいいなって思ったんだ。
私も、 そんなふうになりたいって、 そう、 思ったんだよ。
だからね、 彼にあった時は運命じゃないかって思った。
だってさ、 彼は1度他のリアルドの所に行っていてさ戻されたジーヴスだったんだ。
丁度引渡しに来たリアルドに連れられて来た彼はボロボロだったよ。
たぶん日常的に折檻されてたんだろうね、 骨が折れてないだけマシ。
そんな姿をしていたよ。
戻されたジーヴスの行先は普通は宿り子店に連れていかれる。
教育されたジーヴスは誰もかわないからね。
でっぷりと太った40代くらいの女のジーヴスが、 新しい男のジーヴスを頂戴よ
そう言ってるのが聞こえた。
さすがに、 うわぁ……って思ったね……
そんな時だったよ、 俯く彼が顔を上げたのは。
私と目が合った、 そう死んだような目だった。
でもね、 でもさ
思っちゃったんだよね。
「あれは、 私のだ」
って。
そう思った瞬間、 私は父の手を振り払って走っていた。
彼の腕を掴んで、 私を見て
「私、君がいい。君が欲しい。」
「………は?」
呆然と私を見上げたのを今でも覚えてる。
私の初めてのジーヴス。
ねぇ、 君はもう帰ってこないのかい……?
ねぇ、 …………サテライト…………
大好きだよ。
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