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藤森×坂井編
Lawyer and Loan Shark 1
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「先生、どうしたんですか? 溜め息なんかついて」
パラリーガルの有子が心配そうにお茶を出してくれる。
隣人が激好みの渋い男なんだが、隙を見せまくっているのに全く反応してくれない。
などと言えるはずもないので、弁護士 坂井匠は憂いを帯びた微苦笑を浮かべて見せた。
「いや、クライアントの西本さんのことが気になってね」
「婚約不履行は立証が難しいですものね。先生、クライアントに親身になりすぎるところがあるから」
有子の尊敬の眼差しに良心を痛める段階は既に通り越した。
坂井は、隣人の藤森誠二に片思い中である。
離婚して今のマンションに引っ越して、挨拶に行った時に一目ぼれした。
勘違いに端を発するやりとりの中で、「良き隣人でいたい」と遠回しにフラれているが、そんなことで諦める坂井ではない。ストレートな告白はせずに、外堀を埋め立てている最中だ。
藤森さん、ノンケだけど男もイケるはずだし。
顔も声もタイプだし、イイ身体してそうだし、セックスも強そうだし。
あー、間違いでもいいからほだされてくれないかな。
邪な妄想をしながらも、猛烈な勢いで訴状を書き上げる坂井である。
そして、その日の仕事は散々だった。
「あ、すみませんー、予約してたの忘れちゃってました。無料相談だし、リスケでも大丈夫ですよね?」
無料相談のクライアントにはすっぽかされ。
「主文。被告は原告に対し二百万円を支払え」
午後の法廷では敗訴し。
「坂井先生、安くない顧問料お支払いしてるんですから、これくらいなんとかしてくれないと困りますよ」
顧問弁護士を務める企業の嫌味な部長からは無理難題を相談され。
「なんで自分の息子に自由に会えないんだっ。弁護士だからって偉そうにしやがって、何様だ!」
最後はこれだ。
事務所の応接室でツバを飛ばして激昂するクライアントの元夫。
男を怒らせたのは坂井の失言だが、茶が飛び散るほどテーブルを叩くほどのことか。
弁護士は、他人の負の感情を正面から浴びる仕事だ。
やりがいも喜びも大きいが、その分、疲れる。
妻がいた時は、憂さ晴らしに外で飲んで帰ることもできたが、父子家庭ではそうもいかない。
一本全部ヤケ酒しようと、スパークリングワインを買って家に帰った。
「ただいま」
リビングに入ると、冬馬はニンテンドー・スイッチから目を上げずに「お帰り」と応じてくる。
別れた妻との息子、冬馬は7歳だ。小学2年生にしては大人びていると思う。
父親の帰宅にも「お父さん!」と弾むように出迎えてくれたりはしない。
「ごはん、食べたか?」
「うん。お父さんは?」
「これから」
そう答えると、ゲーム機を置き、冷蔵庫から作り置きのタッパーを出して電子レンジに入れてくれる。クールだが、いい子なのだ。
「お父さん、なんか元気ない?」
子供に悟らせるとは情けない。坂井は無理矢理笑って見せた。
「そんなことないよ。お、ごはん炊いてくれたんだな、ありがとう」
「ごはんくらい誰でも炊けるよ」
「大人でも炊飯器使えない奴っているんだよ。冬馬は偉い!」
「子供を煽ててどうすんのさ」
照れを隠すためか、レンジに向き直った冬馬の丸い頭とつむじ。
それを見ているだけで癒される。外から持ち帰った嫌な気持ちが薄れていく。
シャワーを浴びて、ワインを飲みながら夕食のチーズハンバーグを味わっていると、冬馬が思い出したように言った。
「さっき、藤森さん来たよ」
その名前に、坂井はぱっと顔を上げた。
「え、そうなのか? いつ」
「お父さんが帰る30分くらい前」
30分。あと30分早く事務所を出れば良かった。いや、帰りにマツキヨに寄るのを明日にすればよかった。
今日は本当に運がない。
隣人なのだから会いたい時に会いに行けば良いのだが、激しく後悔する坂井である。
「藤森さん、なんて?」
「これくれた」
差し出された紙袋の中身は立派などんこ椎茸である。
「どんこ」
「お客さんに貰ったけど、一人には多すぎるからって」
藤森は消費者金融の社長であり、複数の飲食店のオーナーでもある。
どちらかと言えば裏社会の男だ。
弁護士という胸を張って歩ける職業を生業にしている坂井にとって、そこがまた、ソソられる。
日本産。木箱入り。絶対高いやつだ。
含め煮、炊き込みご飯、ガーリックバターでもいいな。
「お礼言わないとな」
時計を見ると夜9時前。
失礼には当たらないだろう。
携帯に電話をすると、藤森はすぐに出た。
「坂井さん? 今晩は」
低く深みのある声。挨拶だけなのに、良い声だなあと聞き惚れてしまう。
「今晩は。夜分遅くにすみません」
「いや、どうかしたか?」
「立派などんこをありがとうございました。仕事が遅くなって、留守にしていてすみません」
「ああ、貰い物で悪いが良かったら食ってくれ」
「椎茸、お嫌いなんですか?」
「そういうわけじゃないが、一人暮らしで乾物戻したりなんだりはな」
藤森が苦笑いしているのが眼に浮かぶ。
「じゃあ、何か作ったらお裾分けしますね」
「逆に気を遣わせて悪いな」
「とんでもない。自分では買わない高級食材は大歓迎です」
「ははっ」
楽しそうな笑い声。
用件は終わったが、なんとなく切り難くて、坂井はスマホを握りしめた。
飲みかけのワインを一口飲む。
「坂井さん、もしかして晩酌中?」
嚥下の音が聴こえてしまったのだろうか。
坂井は慌ててグラスを置いた。
「すみません、ワインを飲んでて」
「謝らなくても。俺も一人酒してたところなんだ、良かったら一緒にどうかな」
願っても無い申し出だが。
ハンバーグは食べかけだし、冬馬もまだ起きているし、それに、今夜はみっともなく愚痴ってしまいそうだ。
「折角ですが、今日はちょっと。冬馬もまだ起きているので」
「そっか。じゃあまた次の機会に」
藤森が言い終わる前に、冬馬が横にやってきて声をかぶせた。
「僕はもう寝ますので、お父さんのことよろしくお願いします」
「こら、冬馬! 藤森さん、すみません」
「行ってくれば。ひとりでヤケ酒してるくらいなら」
藤森に聞かせようとしているのか、冬馬のボリュームは大きい。
「ヤケ酒って、どこでそんな言葉覚えたんだ」
「マツコの番組。じゃあ、お休みなさい!」
言うだけ言って、冬馬は子供部屋に行ってしまう。
「待ちなさい、寝る前に歯磨き!」
「もう磨いたもん!」
「まったく…」
溜め息をついてスマホを耳に当て直すと、藤森は爆笑している。
通話口は手で覆っていたが、丸聞こえだったらしい。
「すみません、お見苦しいところを」
「見えてないから大丈夫」
ひとしきり笑った後、藤森は不意に優しい声音になった。
「で、すぐ来られる? ヤケ酒ならいくらでも付き合うぞ」
パラリーガルの有子が心配そうにお茶を出してくれる。
隣人が激好みの渋い男なんだが、隙を見せまくっているのに全く反応してくれない。
などと言えるはずもないので、弁護士 坂井匠は憂いを帯びた微苦笑を浮かべて見せた。
「いや、クライアントの西本さんのことが気になってね」
「婚約不履行は立証が難しいですものね。先生、クライアントに親身になりすぎるところがあるから」
有子の尊敬の眼差しに良心を痛める段階は既に通り越した。
坂井は、隣人の藤森誠二に片思い中である。
離婚して今のマンションに引っ越して、挨拶に行った時に一目ぼれした。
勘違いに端を発するやりとりの中で、「良き隣人でいたい」と遠回しにフラれているが、そんなことで諦める坂井ではない。ストレートな告白はせずに、外堀を埋め立てている最中だ。
藤森さん、ノンケだけど男もイケるはずだし。
顔も声もタイプだし、イイ身体してそうだし、セックスも強そうだし。
あー、間違いでもいいからほだされてくれないかな。
邪な妄想をしながらも、猛烈な勢いで訴状を書き上げる坂井である。
そして、その日の仕事は散々だった。
「あ、すみませんー、予約してたの忘れちゃってました。無料相談だし、リスケでも大丈夫ですよね?」
無料相談のクライアントにはすっぽかされ。
「主文。被告は原告に対し二百万円を支払え」
午後の法廷では敗訴し。
「坂井先生、安くない顧問料お支払いしてるんですから、これくらいなんとかしてくれないと困りますよ」
顧問弁護士を務める企業の嫌味な部長からは無理難題を相談され。
「なんで自分の息子に自由に会えないんだっ。弁護士だからって偉そうにしやがって、何様だ!」
最後はこれだ。
事務所の応接室でツバを飛ばして激昂するクライアントの元夫。
男を怒らせたのは坂井の失言だが、茶が飛び散るほどテーブルを叩くほどのことか。
弁護士は、他人の負の感情を正面から浴びる仕事だ。
やりがいも喜びも大きいが、その分、疲れる。
妻がいた時は、憂さ晴らしに外で飲んで帰ることもできたが、父子家庭ではそうもいかない。
一本全部ヤケ酒しようと、スパークリングワインを買って家に帰った。
「ただいま」
リビングに入ると、冬馬はニンテンドー・スイッチから目を上げずに「お帰り」と応じてくる。
別れた妻との息子、冬馬は7歳だ。小学2年生にしては大人びていると思う。
父親の帰宅にも「お父さん!」と弾むように出迎えてくれたりはしない。
「ごはん、食べたか?」
「うん。お父さんは?」
「これから」
そう答えると、ゲーム機を置き、冷蔵庫から作り置きのタッパーを出して電子レンジに入れてくれる。クールだが、いい子なのだ。
「お父さん、なんか元気ない?」
子供に悟らせるとは情けない。坂井は無理矢理笑って見せた。
「そんなことないよ。お、ごはん炊いてくれたんだな、ありがとう」
「ごはんくらい誰でも炊けるよ」
「大人でも炊飯器使えない奴っているんだよ。冬馬は偉い!」
「子供を煽ててどうすんのさ」
照れを隠すためか、レンジに向き直った冬馬の丸い頭とつむじ。
それを見ているだけで癒される。外から持ち帰った嫌な気持ちが薄れていく。
シャワーを浴びて、ワインを飲みながら夕食のチーズハンバーグを味わっていると、冬馬が思い出したように言った。
「さっき、藤森さん来たよ」
その名前に、坂井はぱっと顔を上げた。
「え、そうなのか? いつ」
「お父さんが帰る30分くらい前」
30分。あと30分早く事務所を出れば良かった。いや、帰りにマツキヨに寄るのを明日にすればよかった。
今日は本当に運がない。
隣人なのだから会いたい時に会いに行けば良いのだが、激しく後悔する坂井である。
「藤森さん、なんて?」
「これくれた」
差し出された紙袋の中身は立派などんこ椎茸である。
「どんこ」
「お客さんに貰ったけど、一人には多すぎるからって」
藤森は消費者金融の社長であり、複数の飲食店のオーナーでもある。
どちらかと言えば裏社会の男だ。
弁護士という胸を張って歩ける職業を生業にしている坂井にとって、そこがまた、ソソられる。
日本産。木箱入り。絶対高いやつだ。
含め煮、炊き込みご飯、ガーリックバターでもいいな。
「お礼言わないとな」
時計を見ると夜9時前。
失礼には当たらないだろう。
携帯に電話をすると、藤森はすぐに出た。
「坂井さん? 今晩は」
低く深みのある声。挨拶だけなのに、良い声だなあと聞き惚れてしまう。
「今晩は。夜分遅くにすみません」
「いや、どうかしたか?」
「立派などんこをありがとうございました。仕事が遅くなって、留守にしていてすみません」
「ああ、貰い物で悪いが良かったら食ってくれ」
「椎茸、お嫌いなんですか?」
「そういうわけじゃないが、一人暮らしで乾物戻したりなんだりはな」
藤森が苦笑いしているのが眼に浮かぶ。
「じゃあ、何か作ったらお裾分けしますね」
「逆に気を遣わせて悪いな」
「とんでもない。自分では買わない高級食材は大歓迎です」
「ははっ」
楽しそうな笑い声。
用件は終わったが、なんとなく切り難くて、坂井はスマホを握りしめた。
飲みかけのワインを一口飲む。
「坂井さん、もしかして晩酌中?」
嚥下の音が聴こえてしまったのだろうか。
坂井は慌ててグラスを置いた。
「すみません、ワインを飲んでて」
「謝らなくても。俺も一人酒してたところなんだ、良かったら一緒にどうかな」
願っても無い申し出だが。
ハンバーグは食べかけだし、冬馬もまだ起きているし、それに、今夜はみっともなく愚痴ってしまいそうだ。
「折角ですが、今日はちょっと。冬馬もまだ起きているので」
「そっか。じゃあまた次の機会に」
藤森が言い終わる前に、冬馬が横にやってきて声をかぶせた。
「僕はもう寝ますので、お父さんのことよろしくお願いします」
「こら、冬馬! 藤森さん、すみません」
「行ってくれば。ひとりでヤケ酒してるくらいなら」
藤森に聞かせようとしているのか、冬馬のボリュームは大きい。
「ヤケ酒って、どこでそんな言葉覚えたんだ」
「マツコの番組。じゃあ、お休みなさい!」
言うだけ言って、冬馬は子供部屋に行ってしまう。
「待ちなさい、寝る前に歯磨き!」
「もう磨いたもん!」
「まったく…」
溜め息をついてスマホを耳に当て直すと、藤森は爆笑している。
通話口は手で覆っていたが、丸聞こえだったらしい。
「すみません、お見苦しいところを」
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