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モンテの砦にて。
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8月のマカオは今日も暑い。
日本みたいにじっとりとした暑さではない。湿度はあるが、べたつかない。その分、容赦なく暑い。10時なのにもう暑い。
明るい日差しを受けて輝くマカオの街並みを、ジーンは長い脚でスタスタ歩いた。
「ジーン、ジーンってば」
話しかけると、ジーンは嬉しそうに夏野を見る。
「ん? なあに? 夏野」
「なあに、じゃねえよ。どこ行くんだよ」
「心配しなくても、マカオを知り尽くした僕が最高のデートプランを用意しているよ。まずはモンテの砦だ」
突っ込む暇も与えず、ジーンは腕を上げて、登り坂の先を指さした。
坂道を彩る青々とした樹々の間に石造りの壁が見える。
「モンテ?」
「イエズス会の修道士が築いた要塞でね。マカオ防衛の軍事拠点で、ポルトガルの植民地時代にはオランダ軍との戦いでも使われていた。ポルトガル軍を勝利に導いたと言われる大砲がまだ残っていて…」
観光ガイドをしているというだけあって、ジーンはよどみなく説明する。
聞きながら脚を進めているうちに、ぱっと視界が開けた。
「はい、到着」
砦は今は広場のようになっていて、観光客の姿がちらほらある。
広い敷地は黒ずんだ壁で覆われ、壁の隙間には大砲が均一に並んでいる。
壁に近づくと、大砲越しにマカオが一望できた。
統一感のない、雑多でカラフルな街並み。
古い建物に混じって、ユニークで近代的な高層ビルが飛び出すように生えている。角度によっては、大砲がビルを狙っているように見えるのが面白い。
高い場所は好きだ。夏野は深呼吸をした。
昨日ぶっ倒れた聖ポール天主堂跡も小さく薄く見える。
汗ばんだ肌に、吹き抜ける風が心地よい。
「気持ちいーな、ここ」
背後のジーンを振り向くと、にこにこ笑っている。
「気に入って貰えて良かった。もう少し早いと、マカオっ子が太極拳をやってたりするよ」
「ジーンもやるのか? 太極拳」
「時々やるよ。教えようか?」
言うなり、脚を開いて、両腕をゆったりと動かしていく。綺麗な型だ。
夏野も真似てみるが、どうにも要領を掴めない。
端から見ても不格好なのだろう。ジーンは噴き出している。
観光客らしき日本人の女の子グループまでこちらを見て笑っている。
「笑うな! 身体、固いんだよ、俺」
「今度、アンジェラに教わるといいよ。彼女、レッスン講師の資格を持ってるから」
まるで夏野がずっとマカオにいるかのように、ジーンは言う。
「今度って。俺、明日には日本に帰るのに?」
「また来ればいいよ」
ジーンは寂しげに呟いてから、ぱっと表情を明るくした。
「そうだ! 写真撮ろうか。記念にさ」
トートバッグからチェキを取り出すと、ジーンはさっきの女の子グループに歩み寄っていく。
「お嬢さんたち、写真撮ってくれないかな?」
西洋風のイケメンに日本語で話しかけられ、女の子たちは黄色い声でさざめいている。
ジーンの言葉遣いは独特だ。
ネイティヴかと聞き間違うほど堪能な日本語だが、一般の日本人男子がしないような気障ったらしい言い回しをする。それがまた板についている。つまり、カッコいい。
チェキを使ったことがないという彼女たちに使い方を教えてから、ジーンは嬉々として夏野の肩に腕を回した。
「ジーン、近いって」
「いーから。夏野、笑って」
「左のおにーさん、顔固いよー」
チェキを構えた女の子が注文をつける。
「ほら、固いって。笑って」
とジーン。
笑いたいけど。そういえば、入省以来、写真を撮るようなイベントなんてなかったので、写真向けの笑い方を忘れている。
それに、ジーンの顔が近い。
汗をかいているはずなのに、なんか、いい匂いするし。
夏野が困っていると、ジーンがこちょっと脇をくすぐってきた。
「あははっ」
と笑った瞬間に、シャッター音が鳴った。
「これは、夏野が持っていて」
ジーンは画像が浮かび上がった写真を差し出した。
「いいの?」
「うん、デートの記念に」
デート。
夏野ははたと動きを止める。
「そうだ! さっきも突っ込み忘れたけど、なんでデートなんだよ。男同士だろ」
「なんでって。僕、ゲイだし」
予鈴のないカミングアウト。
動きを止めて、夏野は呆然とジーンを見上げた。
ポケットに親指だけ突っ込んだモデルみたいなポーズで、飄々とした表情をしている。
夏野みたいな反応に慣れているのだろう。
「ゲイ、なのか」
確認するようにその言葉を口にすると、ジーンは肩をすくめる。
「っていうか、昨日の時点で普通気づかない? 性的な興味がない相手にキスなんて迫らないだろ」
セイテキナキョウミ。
性的な、興味だと?
つまり。
「ジーンは、俺のこと、そういう目で見てるのか?」
「イエス。抱きしめてキスして噛みついて、あちこち触りまくって、セックスした…んっ」
イエスじゃねえ!
何を言い出すんだ!
夏野は慌ててジーンの口元を両手で押さえた。
「ストーップ! おま、おまえ、なんてこと言うんだ! 公共の場だぞ、日本人もいるんだぞ! ってか、なんか変なの混じってなかったか!?」
パニくる夏野を、ジーンは愉快そうに見ている。目が笑っている。
手のひらをぺろりと舐められ、慌てて手を離した。
「冗談、じゃないよな」
「ないね」
「俺が、好きなのか?」
「うん。一目惚れ」
「俺らの出会いのどこにそんな要素が」
髪ぼさぼさで汗だくでみっともなくぶっ倒れただけだ。
「恋に落ちるのに理由なんてないよ」
ドラマみたいな台詞を吐きながら、見つめてくる。
だから、イケメンは見つめるの禁止だって。
困る。そんなこと言われても困る。非常に困る。
でも、誰にだって、誰かを好きになる自由はある。
だから、慎重に言葉を紡いだ。
「偏見とかは、ないし。ジーンみたいな奴に好きだって言われるのは嬉しい。けど、俺の恋愛対象は男じゃないから。ジーンのことは友達としては好きだけど、ジーンの気持ちには答えられない。ごめん」
頭を下げると、ぽんと撫でられた。
「好きだなあ、そういうとこ。夏野は真面目、いい子だね」
いい子って。タメに言うなよ。
ジーンの声音は優しい。
嗜好の違いで恋が叶わないことに慣れているのかもしれない。
「夏野。今日1日だけだから、デートってことにしちゃダメかな」
「1日、デート」
「そう。そうしたら、諦める。今夜はちゃんとホテルまで送るし、明日もホテルに押しかけたりしないよ」
「……」
押し黙る夏野に、ジーンは、
「助けた御礼」
と付け加えた。押しが強い。
「キスとかハグとかしないって約束するなら」
注文をつけると、ジーンはわざとらしく肩を落とした。
「デートなのに?」
「最初のデートでそんなことしないだろ、普通」
ジーンはしぶしぶ頷いた。
「分かった。努力する」
「努力義務じゃなくて」
「前向きに検討する」
「政治家か」
「善処する」
「違えだろ。てか、よくそんな日本語知ってんな」
思わず笑ってしまった。
日本みたいにじっとりとした暑さではない。湿度はあるが、べたつかない。その分、容赦なく暑い。10時なのにもう暑い。
明るい日差しを受けて輝くマカオの街並みを、ジーンは長い脚でスタスタ歩いた。
「ジーン、ジーンってば」
話しかけると、ジーンは嬉しそうに夏野を見る。
「ん? なあに? 夏野」
「なあに、じゃねえよ。どこ行くんだよ」
「心配しなくても、マカオを知り尽くした僕が最高のデートプランを用意しているよ。まずはモンテの砦だ」
突っ込む暇も与えず、ジーンは腕を上げて、登り坂の先を指さした。
坂道を彩る青々とした樹々の間に石造りの壁が見える。
「モンテ?」
「イエズス会の修道士が築いた要塞でね。マカオ防衛の軍事拠点で、ポルトガルの植民地時代にはオランダ軍との戦いでも使われていた。ポルトガル軍を勝利に導いたと言われる大砲がまだ残っていて…」
観光ガイドをしているというだけあって、ジーンはよどみなく説明する。
聞きながら脚を進めているうちに、ぱっと視界が開けた。
「はい、到着」
砦は今は広場のようになっていて、観光客の姿がちらほらある。
広い敷地は黒ずんだ壁で覆われ、壁の隙間には大砲が均一に並んでいる。
壁に近づくと、大砲越しにマカオが一望できた。
統一感のない、雑多でカラフルな街並み。
古い建物に混じって、ユニークで近代的な高層ビルが飛び出すように生えている。角度によっては、大砲がビルを狙っているように見えるのが面白い。
高い場所は好きだ。夏野は深呼吸をした。
昨日ぶっ倒れた聖ポール天主堂跡も小さく薄く見える。
汗ばんだ肌に、吹き抜ける風が心地よい。
「気持ちいーな、ここ」
背後のジーンを振り向くと、にこにこ笑っている。
「気に入って貰えて良かった。もう少し早いと、マカオっ子が太極拳をやってたりするよ」
「ジーンもやるのか? 太極拳」
「時々やるよ。教えようか?」
言うなり、脚を開いて、両腕をゆったりと動かしていく。綺麗な型だ。
夏野も真似てみるが、どうにも要領を掴めない。
端から見ても不格好なのだろう。ジーンは噴き出している。
観光客らしき日本人の女の子グループまでこちらを見て笑っている。
「笑うな! 身体、固いんだよ、俺」
「今度、アンジェラに教わるといいよ。彼女、レッスン講師の資格を持ってるから」
まるで夏野がずっとマカオにいるかのように、ジーンは言う。
「今度って。俺、明日には日本に帰るのに?」
「また来ればいいよ」
ジーンは寂しげに呟いてから、ぱっと表情を明るくした。
「そうだ! 写真撮ろうか。記念にさ」
トートバッグからチェキを取り出すと、ジーンはさっきの女の子グループに歩み寄っていく。
「お嬢さんたち、写真撮ってくれないかな?」
西洋風のイケメンに日本語で話しかけられ、女の子たちは黄色い声でさざめいている。
ジーンの言葉遣いは独特だ。
ネイティヴかと聞き間違うほど堪能な日本語だが、一般の日本人男子がしないような気障ったらしい言い回しをする。それがまた板についている。つまり、カッコいい。
チェキを使ったことがないという彼女たちに使い方を教えてから、ジーンは嬉々として夏野の肩に腕を回した。
「ジーン、近いって」
「いーから。夏野、笑って」
「左のおにーさん、顔固いよー」
チェキを構えた女の子が注文をつける。
「ほら、固いって。笑って」
とジーン。
笑いたいけど。そういえば、入省以来、写真を撮るようなイベントなんてなかったので、写真向けの笑い方を忘れている。
それに、ジーンの顔が近い。
汗をかいているはずなのに、なんか、いい匂いするし。
夏野が困っていると、ジーンがこちょっと脇をくすぐってきた。
「あははっ」
と笑った瞬間に、シャッター音が鳴った。
「これは、夏野が持っていて」
ジーンは画像が浮かび上がった写真を差し出した。
「いいの?」
「うん、デートの記念に」
デート。
夏野ははたと動きを止める。
「そうだ! さっきも突っ込み忘れたけど、なんでデートなんだよ。男同士だろ」
「なんでって。僕、ゲイだし」
予鈴のないカミングアウト。
動きを止めて、夏野は呆然とジーンを見上げた。
ポケットに親指だけ突っ込んだモデルみたいなポーズで、飄々とした表情をしている。
夏野みたいな反応に慣れているのだろう。
「ゲイ、なのか」
確認するようにその言葉を口にすると、ジーンは肩をすくめる。
「っていうか、昨日の時点で普通気づかない? 性的な興味がない相手にキスなんて迫らないだろ」
セイテキナキョウミ。
性的な、興味だと?
つまり。
「ジーンは、俺のこと、そういう目で見てるのか?」
「イエス。抱きしめてキスして噛みついて、あちこち触りまくって、セックスした…んっ」
イエスじゃねえ!
何を言い出すんだ!
夏野は慌ててジーンの口元を両手で押さえた。
「ストーップ! おま、おまえ、なんてこと言うんだ! 公共の場だぞ、日本人もいるんだぞ! ってか、なんか変なの混じってなかったか!?」
パニくる夏野を、ジーンは愉快そうに見ている。目が笑っている。
手のひらをぺろりと舐められ、慌てて手を離した。
「冗談、じゃないよな」
「ないね」
「俺が、好きなのか?」
「うん。一目惚れ」
「俺らの出会いのどこにそんな要素が」
髪ぼさぼさで汗だくでみっともなくぶっ倒れただけだ。
「恋に落ちるのに理由なんてないよ」
ドラマみたいな台詞を吐きながら、見つめてくる。
だから、イケメンは見つめるの禁止だって。
困る。そんなこと言われても困る。非常に困る。
でも、誰にだって、誰かを好きになる自由はある。
だから、慎重に言葉を紡いだ。
「偏見とかは、ないし。ジーンみたいな奴に好きだって言われるのは嬉しい。けど、俺の恋愛対象は男じゃないから。ジーンのことは友達としては好きだけど、ジーンの気持ちには答えられない。ごめん」
頭を下げると、ぽんと撫でられた。
「好きだなあ、そういうとこ。夏野は真面目、いい子だね」
いい子って。タメに言うなよ。
ジーンの声音は優しい。
嗜好の違いで恋が叶わないことに慣れているのかもしれない。
「夏野。今日1日だけだから、デートってことにしちゃダメかな」
「1日、デート」
「そう。そうしたら、諦める。今夜はちゃんとホテルまで送るし、明日もホテルに押しかけたりしないよ」
「……」
押し黙る夏野に、ジーンは、
「助けた御礼」
と付け加えた。押しが強い。
「キスとかハグとかしないって約束するなら」
注文をつけると、ジーンはわざとらしく肩を落とした。
「デートなのに?」
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