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キス未満のエッグタルト
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辛いものの後は甘いもの。
ジーンはエッグタルトで有名なカフェ、「マーガレット・カフェ・エ・ナタ」に足を向けた。
クリーム色の壁がオシャレな店の前には、行列ができている。
老若男女、人種もばらばらでインターナショナルな行列だ。
男二人で並ぶのは恥ずかしいなと思っていたけど、地元民っぽいおじさんや男の子グループも並んでいる。
夏野たちのすぐ後ろは、ヒジャブ姿の女の子だ。東南アジア系だろうか、目がぱっちりして可愛い。
女の子はちらちらジーンに視線を送っているが、ジーンは夏野に話しかけるのに夢中で全く気付いていない。
イケメンは見られることに鈍感になるのだろうか。勿体ないことだ。
順番が来たので、ジーンがタルトを2つ注文する。
ショーケースの中にちょうど2個残っていたタルトを、店の人が紙に包んでくれた。
カレーおでんはジーンが払ってくれたので、代金の20パタカ(約270円)は夏野が支払った。
タルトを手渡しながら店の人が何か言った。
「これでラストだって」
ジーンが通訳してくれる。
咄嗟に後ろの女の子を見た。売り切れだと分かったのか、眉を下げて肩を落としている。
夏野は咄嗟に自分の分のタルトを指差した。
「ジーン、これ1つ、あげてもいいかな。俺らは半分こしよう」
ジーンは瞬いたあと、ようやく女の子に気づいて、頷いた。
「勿論」
夏野がタルトの包み紙を渡すと、女の子はびっくりした顔をして、それから花が開くように笑った。
「Terima kasih. Thank you.」
両手の平を合わせる御礼のポーズをしてから、タルトを受け取った。
ジーンは女の子に何やら話しかけている。
夏野には何語かも分からないけれど、女の子の母国語なのだろう。女の子は早口で闊達に喋っている。
女の子と別れ、イートスペースは満席だったので、セナド広場の植え込みの石段に腰掛けた。
「ジーン、さっきのって何語?」
「マレー語」
「初めて聞いた」
「そう? アジアはマレー系多いから、よく話されている言葉のひとつだよ」
「日本は日本語だけだからなあ」
いろんな言語が日常的に飛び交っている環境は少し羨ましい。
「何喋ってたんだ?」
「色々。彼女、マレーシアのペナンから来てて、一人旅なんだって。タルト、どうしても食べてみたかったから、本当にありがとうって言ってたよ」
「なら良かった」
「夏野は優しいね」
そういう褒められ方は反応に困る。
「優しいとか優しくないとかじゃなくて、あの子、すごく残念そうな顔してたからさ。たかが食いもん、されど食いもんだろ」
「それを優しさって言うんだよ」
ジーンはそう言ってから、肩をすくめて、大袈裟にため息を吐いた。
「僕としては、夏野が女の子に優しくしてるの、ちょっと嫉妬だけどね」
「ジーンだって、楽しそうに二人で話してただろ」
「妬いてくれたの?」
「誰がだ」
「照れなくても」
「照れてない。なんだよ、この会話」
ジーンは笑いながら、紙に包まれたエッグタルトを夏野の口元に差し出してくる。
餌付けみたいで恥ずかしい。
「自分で食うよ」
「いいから。半分こしようって言ったの、夏野でしょ」
「ジーン、先食べて」
「Guest first. 夏野が僕と間接キスしたいなら、先に食べるけど」
「いただきます」
ジーンの指先のタルトに噛り付くと、さくさくの生地ととろとろの卵クリームが絶品だった。
あんまり甘くないから、癖になりそうだ。小さな菓子なので、一口でちょうど半分になった。
食べかけのタルトを見つめ、ジーンが呟いた。
「食べるの惜しいな」
案の定、気持ち悪いことを言い出す。
「さっさと食べろ」
包み紙ごとタルトを奪い、ジーンの口に押し込んだ。
セナド広場は、白黒のタイルが波形を描く美しい広場だ。
建物はカラフルでどことなくファンタジーの世界の街っぽい。
真昼の太陽がタイルに眩しく反射する。その中を様々な人種の人々が様々な様子で行き交う。
ふと横を見ると、ジーンは目を細めて広場を見つめている。
「ジーンはマカオが好きなんだな」
そう言うと、ジーンは微笑んだ。
「そりゃあね。生まれ育った街だから。どれだけたくさんの国を旅しても、マカオが一番好きだし。マカオを離れている時は、アンジェラの作るごはんが食べたいなって思ってる」
「アンジェラさん」
夏野は口の中でその名を噛み締めた。沈黙が落ちる。
ジーンが過剰に好きアピールしてくるのですっかり忘れていたが、アンジェラさんって彼女じゃないのか?
すげえ親しそうだけど。
よくある実は姉弟でしたパターンか?
いや、顔も髪や瞳の色も全く似てなかった。それに、アンジェラさんのごはんが食べたいって、そういうことだろう。
足元を見つめる。思考が降下スパイラルだ。
考えても仕方ない。すぱっと聞いてしまおう。
「なあ」
「夏野」
ジーンと声がかぶってしまった。
アンジェラさんってお前のなんなの?
続きを呑み込んで、夏野は手のひらの仕草でジーンに発言権を譲った。
「夏野、ザ・ベネチアンのカジノにはもう行った?」
全く違う話題だった。
夏野は気を取り直して応じる。
「行ってない。ギャンブルとか、興味ねえし」
答えると、ジーンは顎に手をあてて、ふむと頷いた。
「大負けした経験がある? それとも食わず嫌い?」
「日本にカジノはないから、行ったことはない。けど、宝くじは当たったことないし、大学の時にノリで競馬行って盛大にスったことがある」
「宝くじは完全な運だとしても、競馬で素人がいきなり勝つのは難しいよ」
「くじ引きを懸賞もガラガラも当たったことないぞ。そういうツキってないんだよ、俺」
「ガラガラ?」
「丸い箱に沢山玉が入ってて、色によって景品が貰えるヤツ」
そう説明すると、ジーンは、
「なるほど、音がそのまま呼称になってるんだね」
と納得して、メモ帳に「ガラガラ」と書き込んでいる。
さすが通訳。勉強熱心だ。
「国が違えばツキも変わるし、ダメ元でカジノ、行ってみない? マカオと言えばカジノだし、乗り気がしなければ賭けなくても大丈夫だから。入るのはタダだし、雰囲気だけでも」
確かに、折角マカオに来たのだし、見るだけなら。
カジノと言えば、オーシャンズ11や007の世界だろ。ちょっと見てみたい。
「まあ、行くだけなら」
了承すると、ジーンはウィンクをした。
「そうこなくちゃ」
ジーンはエッグタルトで有名なカフェ、「マーガレット・カフェ・エ・ナタ」に足を向けた。
クリーム色の壁がオシャレな店の前には、行列ができている。
老若男女、人種もばらばらでインターナショナルな行列だ。
男二人で並ぶのは恥ずかしいなと思っていたけど、地元民っぽいおじさんや男の子グループも並んでいる。
夏野たちのすぐ後ろは、ヒジャブ姿の女の子だ。東南アジア系だろうか、目がぱっちりして可愛い。
女の子はちらちらジーンに視線を送っているが、ジーンは夏野に話しかけるのに夢中で全く気付いていない。
イケメンは見られることに鈍感になるのだろうか。勿体ないことだ。
順番が来たので、ジーンがタルトを2つ注文する。
ショーケースの中にちょうど2個残っていたタルトを、店の人が紙に包んでくれた。
カレーおでんはジーンが払ってくれたので、代金の20パタカ(約270円)は夏野が支払った。
タルトを手渡しながら店の人が何か言った。
「これでラストだって」
ジーンが通訳してくれる。
咄嗟に後ろの女の子を見た。売り切れだと分かったのか、眉を下げて肩を落としている。
夏野は咄嗟に自分の分のタルトを指差した。
「ジーン、これ1つ、あげてもいいかな。俺らは半分こしよう」
ジーンは瞬いたあと、ようやく女の子に気づいて、頷いた。
「勿論」
夏野がタルトの包み紙を渡すと、女の子はびっくりした顔をして、それから花が開くように笑った。
「Terima kasih. Thank you.」
両手の平を合わせる御礼のポーズをしてから、タルトを受け取った。
ジーンは女の子に何やら話しかけている。
夏野には何語かも分からないけれど、女の子の母国語なのだろう。女の子は早口で闊達に喋っている。
女の子と別れ、イートスペースは満席だったので、セナド広場の植え込みの石段に腰掛けた。
「ジーン、さっきのって何語?」
「マレー語」
「初めて聞いた」
「そう? アジアはマレー系多いから、よく話されている言葉のひとつだよ」
「日本は日本語だけだからなあ」
いろんな言語が日常的に飛び交っている環境は少し羨ましい。
「何喋ってたんだ?」
「色々。彼女、マレーシアのペナンから来てて、一人旅なんだって。タルト、どうしても食べてみたかったから、本当にありがとうって言ってたよ」
「なら良かった」
「夏野は優しいね」
そういう褒められ方は反応に困る。
「優しいとか優しくないとかじゃなくて、あの子、すごく残念そうな顔してたからさ。たかが食いもん、されど食いもんだろ」
「それを優しさって言うんだよ」
ジーンはそう言ってから、肩をすくめて、大袈裟にため息を吐いた。
「僕としては、夏野が女の子に優しくしてるの、ちょっと嫉妬だけどね」
「ジーンだって、楽しそうに二人で話してただろ」
「妬いてくれたの?」
「誰がだ」
「照れなくても」
「照れてない。なんだよ、この会話」
ジーンは笑いながら、紙に包まれたエッグタルトを夏野の口元に差し出してくる。
餌付けみたいで恥ずかしい。
「自分で食うよ」
「いいから。半分こしようって言ったの、夏野でしょ」
「ジーン、先食べて」
「Guest first. 夏野が僕と間接キスしたいなら、先に食べるけど」
「いただきます」
ジーンの指先のタルトに噛り付くと、さくさくの生地ととろとろの卵クリームが絶品だった。
あんまり甘くないから、癖になりそうだ。小さな菓子なので、一口でちょうど半分になった。
食べかけのタルトを見つめ、ジーンが呟いた。
「食べるの惜しいな」
案の定、気持ち悪いことを言い出す。
「さっさと食べろ」
包み紙ごとタルトを奪い、ジーンの口に押し込んだ。
セナド広場は、白黒のタイルが波形を描く美しい広場だ。
建物はカラフルでどことなくファンタジーの世界の街っぽい。
真昼の太陽がタイルに眩しく反射する。その中を様々な人種の人々が様々な様子で行き交う。
ふと横を見ると、ジーンは目を細めて広場を見つめている。
「ジーンはマカオが好きなんだな」
そう言うと、ジーンは微笑んだ。
「そりゃあね。生まれ育った街だから。どれだけたくさんの国を旅しても、マカオが一番好きだし。マカオを離れている時は、アンジェラの作るごはんが食べたいなって思ってる」
「アンジェラさん」
夏野は口の中でその名を噛み締めた。沈黙が落ちる。
ジーンが過剰に好きアピールしてくるのですっかり忘れていたが、アンジェラさんって彼女じゃないのか?
すげえ親しそうだけど。
よくある実は姉弟でしたパターンか?
いや、顔も髪や瞳の色も全く似てなかった。それに、アンジェラさんのごはんが食べたいって、そういうことだろう。
足元を見つめる。思考が降下スパイラルだ。
考えても仕方ない。すぱっと聞いてしまおう。
「なあ」
「夏野」
ジーンと声がかぶってしまった。
アンジェラさんってお前のなんなの?
続きを呑み込んで、夏野は手のひらの仕草でジーンに発言権を譲った。
「夏野、ザ・ベネチアンのカジノにはもう行った?」
全く違う話題だった。
夏野は気を取り直して応じる。
「行ってない。ギャンブルとか、興味ねえし」
答えると、ジーンは顎に手をあてて、ふむと頷いた。
「大負けした経験がある? それとも食わず嫌い?」
「日本にカジノはないから、行ったことはない。けど、宝くじは当たったことないし、大学の時にノリで競馬行って盛大にスったことがある」
「宝くじは完全な運だとしても、競馬で素人がいきなり勝つのは難しいよ」
「くじ引きを懸賞もガラガラも当たったことないぞ。そういうツキってないんだよ、俺」
「ガラガラ?」
「丸い箱に沢山玉が入ってて、色によって景品が貰えるヤツ」
そう説明すると、ジーンは、
「なるほど、音がそのまま呼称になってるんだね」
と納得して、メモ帳に「ガラガラ」と書き込んでいる。
さすが通訳。勉強熱心だ。
「国が違えばツキも変わるし、ダメ元でカジノ、行ってみない? マカオと言えばカジノだし、乗り気がしなければ賭けなくても大丈夫だから。入るのはタダだし、雰囲気だけでも」
確かに、折角マカオに来たのだし、見るだけなら。
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