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弱音
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病院の朝は、いつもより静かに感じた。
廊下を歩く看護師の足音も、消毒液の匂いも、
なぜか奏多の皮膚をぴりぴりと緊張させる。
熱も微熱までに下がり、いよいよ
今日から本格的なHIVの治療が始まる。
その事実を知ってから、
胸の奥に重たく沈んでいた不安が、
朝になって一気に浮かび上がってきていた。
ベッドに座った奏多の手は、
膝の上でずっと震えている。
桐谷は隣の椅子に座り、
何も言わずその手の震えだけを見ていた。
あえて触らない。
抑えつけるようなことはしたくなかった。
やがて、医師と看護師が部屋に入ってくる。
医師「奏多さん、おはようございます。
体調はどうですか??」
奏多「…だいぶん良くはなりました。」
医師「よかったです。
じゃあ、今日は三種類の薬を使い始めま す。一気にではなく、段階的に体に慣らしていきますからね。」
医師の声は落ち着いているのに、
奏多にはその言葉が妙にはっきり聞こえ、
胸の奥がずきっと痛んだ。
(いよいよ、始まるんだ……
でも、ちゃんと治すって桐谷さんと約束したし……)
看護師がテーブルに薬瓶を並べ、
点滴スタンドを新しいものに付け替えていく。
そのカチャカチャという金属音が、
やけに冷たく、耳の奥まで響いた。
桐谷はわずかに眉を寄せただけで、
ずっと奏多から目を離さない。
桐谷「……大丈夫か。」
その声は低く、でも優しかった。
奏多はかろうじて頷いた。
けれど、その顔色は青ざめている。
医師が点滴ラインに薬剤をつなぎ、
小さな注射器でゆっくり押し込んだ。
透明だった液が薄く色を帯びて、
チューブを伝って奏多の体へと流れ込む。
最初の一滴が腕に入る瞬間、
奏多は細く息を呑んだ。
奏多「……冷たい……」
医師「少しずつ身体に広がっていきます。
何か異変を感じたらすぐに言ってくださいね。」
医師の言葉に奏多は「はい……」と答えたが、
声は消えそうなくらい弱い。
点滴が落ちるリズムが変わり、
特有の薬品の匂いがかすかに漂う。
そして、数時間後
奏多の表情がゆっくりと変わった。
奏多「……なんか……気持ち、悪い……
喉の奥に……変な味がする……」
看護師が駆けつけ、タオルを差し出し、
桐谷がすぐに背中を支える。
(こんなに早く副作用が出るなんて……)
奏多自身も驚いているのがわかった。
肩が緊張し、小刻みに震え始めている。
点滴はまだ半分も落ちていない。
そして、吐き気と同時に
胸の奥が重たくのしかかるような息苦しさがきた。
奏多「……っ……すぅ……はぁ……
息が……重い……」
桐谷「ゆっくりでいい。焦んな。」
桐谷の声が耳元で落ちてくる。
だけど、焦らずにはいられない。
身体が自分のものじゃないような、
どこか遠くから揺さぶられるような感覚。
薬が効いてきている証拠だと、頭ではわかっていても──
恐怖のほうが勝ってしまう。
(やだ……怖い……本格的な治療って、
こんなに……しんどいの……?)
医師は慎重にモニターを確認していて、
医師「これは比較的に副作用が少ない薬なので…もう少し頑張りましょうね。」と静かに告げた。
もう少しという言葉が、
まるで“逃げられない”というように聞こえてしまい、
奏多は喉を鳴らす。
奏多「…これからも……ずっと、こう……?」
不安を隠せない声だった。
医師は首を横に振る。
医師「初日は身体が強く反応します。
慣れてくるまで、一週間ほどは山がありますが……
そこを越えれば安定します。」
(……一週間……
この苦しさが、そんなに長く……?)
目の前が少し揺れ、
手が無意識に桐谷の服の端を掴んだ。
桐谷はそっと、その手に自分の手を重ねる。
桐谷「……大丈夫だ。
お前はひとりじゃねぇよ。」
その一言で、
胸の奥に張り詰めていたものが、すこし緩んだ。
そして時間がまた経つにつれ、
薬がさらに身体に回っていき、
背中がふっと寒気に襲われる。
腕を伝って、
しびれるようなだるさが広がり始めた。
奏多は抗えず、桐谷の肩に体重を預ける。
奏多「……桐谷さん……
なんか……体、変……
しんど、い……」
桐谷「変じゃねぇ。効き始めてんだ。
怖がらなくていい。」
声は優しいのに、
どこか震えているようにも聞こえた。
桐谷も不安を抱えているはずなのに、
それでも奏多にだけは不安を見せまいとしている。
その姿勢が、また苦しくなる。
(……迷惑、ばっかり……)
そう思った瞬間、
薬の影響で視界が少し滲んだ。
まぶたが重く、
呼吸が深くできない。
桐谷の手だけが、
現実へ繋ぎ止める錘のように、
確かに熱を持っていた。
奏多はそれを握りしめたまま、
ゆっくりと目を閉じた。
奏多「……しんどいけど……
桐谷さんが……いるなら……
がんばる……」
かすれた声でそう告げると、
桐谷は大きく息を吐き、奏多の額に触れた。
桐谷「……ああ。
一緒に越えような。」
病室は静かだった。
機械の音だけが、二人の時間を刻んでいた。
治療の初日は、まだ始まったばかりだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夕方になっても、奏多の体調は安定しなかった。
点滴はすでに終わっているのに、
薬はまだ身体の奥でざわざわと動き続けている。
布団に横になっても、
全身の神経が過敏になっているようで、
落ち着く瞬間が一つも訪れない。
天井の白い灯りが、やけに強く感じた。
(頭……重い……
体温、上がってる……?)
胸に手を当てると、心臓がいつもより早く打っている。
熱が上がり始めているのが自分でも分かった。
看護師が体温計を差し出し、
測ってみると38.2度。
看護師「薬の影響です。
今日と明日はこうした熱が続くことがあります。つらければすぐに呼んでください。」
そう説明されても、
奏多の中の不安はまったく消えていなかった。
ベッド脇で様子を見ていた桐谷が、
濡れタオルを受け取って額に置く。
冷たさが気持ちいい……はずなのに、
すぐに皮膚がじわっと熱を持つように感じる。
奏多「……寒い……けど……暑い……」
気「悪寒だな。
薬が身体と戦ってる証拠だ。」
その言葉が不思議と心に残った。
身体が戦っているのだとしたら、
この苦しさにも意味があるのだろうか。
けれど、
「戦っている」というイメージは、
同時に「まだ終わらない」という絶望も連れてくる。
時間が経つにつれ、
震えが大きくなってきた。
布団を何枚か重ねても、
身体の芯が冷えるような感覚から逃れられない。
(こんなに……きついなんて……
思わなかった……)
喉が渇いているのに、
飲み物を飲むたびに吐き気がこみ上げてくる。
頭の奥で不安が膨れ続け、
心がじわじわと摩耗していくのがわかる。
夜10時を過ぎる頃には、
意識がぼんやりし始めた。
桐谷は横の椅子に座り、
ずっと奏多を見つめている。
桐谷「寝ていいぞ。」
奏多「……眠れない……
怖い……」
その一言に、桐谷の表情がわずかに揺れた。
奏多が「怖い」と口にするのは珍しい。
いつもは感情を隠すのに、
今日はそれが全然できない。
それだけ弱っていた。
桐谷「何が怖いんだ?」
桐谷が低く尋ねる。
奏多は言葉を探すように、
唇を何度も開いて閉じた。
そして、ゆっくり、小さな声でこぼす。
奏多「……今日みたいに……
これからもずっと……
しんどいのが続くのかなって……
耐えられるのかなって……」
治療が始まったその日のうちに、
弱音を吐いてしまうことが情けなくて、
視線が床に落ちる。
桐谷はしばらく黙っていた。
その沈黙が余計に不安を刺す。
だが、
ぽつりとしたその声は、
包むように温かかった。
桐谷「辛いよな…。
でも……
お前は、絶対に乗り越えられる。」
桐谷は椅子から立ち上がり、
ベッドの縁に座って奏多の手を取った。
冷たく震える手を、
大きな手で包み込む。
桐谷「……一人で抱えんな。
苦しいのは分ければ軽くなる。
お前が弱ぇのは悪いことじゃねえ。」
それを聞いた瞬間、
胸の奥が破れたように熱くなった。
ずっと張り詰めていた感情が、
薬のせいもあって崩れ落ちる。
奏多「……桐谷さん……
やだ……ほんとに……
つら……」
涙が零れた。
自分でも驚くほど簡単に溢れてきた。
桐谷は何も言わず、
涙を親指でそっと拭った。
桐谷「泣けよ。
泣きたくなるくらい頑張ってんだから。」
その言葉に
奏多の呼吸が震え、
泣き声のような嗚咽が漏れた。
奏多「ひとりで……いたく……ない……」
泣きながらしがみつくように袖を掴む。
桐谷はそのまま、
奏多の頭を胸元へ寄せた。
桐谷「離れねぇよ。
お前が眠るまで、ずっとここにいる。」
その声に、
ようやく少しだけ呼吸が楽になる。
熱でぼうっとした意識の中、
奏多は桐谷の鼓動だけを頼りに、
ゆっくりとまぶたを閉じた。
夜はまだ深く、
副作用の波は続いていたが、
ただ一つ、
ひとりぼっちではなかった。
廊下を歩く看護師の足音も、消毒液の匂いも、
なぜか奏多の皮膚をぴりぴりと緊張させる。
熱も微熱までに下がり、いよいよ
今日から本格的なHIVの治療が始まる。
その事実を知ってから、
胸の奥に重たく沈んでいた不安が、
朝になって一気に浮かび上がってきていた。
ベッドに座った奏多の手は、
膝の上でずっと震えている。
桐谷は隣の椅子に座り、
何も言わずその手の震えだけを見ていた。
あえて触らない。
抑えつけるようなことはしたくなかった。
やがて、医師と看護師が部屋に入ってくる。
医師「奏多さん、おはようございます。
体調はどうですか??」
奏多「…だいぶん良くはなりました。」
医師「よかったです。
じゃあ、今日は三種類の薬を使い始めま す。一気にではなく、段階的に体に慣らしていきますからね。」
医師の声は落ち着いているのに、
奏多にはその言葉が妙にはっきり聞こえ、
胸の奥がずきっと痛んだ。
(いよいよ、始まるんだ……
でも、ちゃんと治すって桐谷さんと約束したし……)
看護師がテーブルに薬瓶を並べ、
点滴スタンドを新しいものに付け替えていく。
そのカチャカチャという金属音が、
やけに冷たく、耳の奥まで響いた。
桐谷はわずかに眉を寄せただけで、
ずっと奏多から目を離さない。
桐谷「……大丈夫か。」
その声は低く、でも優しかった。
奏多はかろうじて頷いた。
けれど、その顔色は青ざめている。
医師が点滴ラインに薬剤をつなぎ、
小さな注射器でゆっくり押し込んだ。
透明だった液が薄く色を帯びて、
チューブを伝って奏多の体へと流れ込む。
最初の一滴が腕に入る瞬間、
奏多は細く息を呑んだ。
奏多「……冷たい……」
医師「少しずつ身体に広がっていきます。
何か異変を感じたらすぐに言ってくださいね。」
医師の言葉に奏多は「はい……」と答えたが、
声は消えそうなくらい弱い。
点滴が落ちるリズムが変わり、
特有の薬品の匂いがかすかに漂う。
そして、数時間後
奏多の表情がゆっくりと変わった。
奏多「……なんか……気持ち、悪い……
喉の奥に……変な味がする……」
看護師が駆けつけ、タオルを差し出し、
桐谷がすぐに背中を支える。
(こんなに早く副作用が出るなんて……)
奏多自身も驚いているのがわかった。
肩が緊張し、小刻みに震え始めている。
点滴はまだ半分も落ちていない。
そして、吐き気と同時に
胸の奥が重たくのしかかるような息苦しさがきた。
奏多「……っ……すぅ……はぁ……
息が……重い……」
桐谷「ゆっくりでいい。焦んな。」
桐谷の声が耳元で落ちてくる。
だけど、焦らずにはいられない。
身体が自分のものじゃないような、
どこか遠くから揺さぶられるような感覚。
薬が効いてきている証拠だと、頭ではわかっていても──
恐怖のほうが勝ってしまう。
(やだ……怖い……本格的な治療って、
こんなに……しんどいの……?)
医師は慎重にモニターを確認していて、
医師「これは比較的に副作用が少ない薬なので…もう少し頑張りましょうね。」と静かに告げた。
もう少しという言葉が、
まるで“逃げられない”というように聞こえてしまい、
奏多は喉を鳴らす。
奏多「…これからも……ずっと、こう……?」
不安を隠せない声だった。
医師は首を横に振る。
医師「初日は身体が強く反応します。
慣れてくるまで、一週間ほどは山がありますが……
そこを越えれば安定します。」
(……一週間……
この苦しさが、そんなに長く……?)
目の前が少し揺れ、
手が無意識に桐谷の服の端を掴んだ。
桐谷はそっと、その手に自分の手を重ねる。
桐谷「……大丈夫だ。
お前はひとりじゃねぇよ。」
その一言で、
胸の奥に張り詰めていたものが、すこし緩んだ。
そして時間がまた経つにつれ、
薬がさらに身体に回っていき、
背中がふっと寒気に襲われる。
腕を伝って、
しびれるようなだるさが広がり始めた。
奏多は抗えず、桐谷の肩に体重を預ける。
奏多「……桐谷さん……
なんか……体、変……
しんど、い……」
桐谷「変じゃねぇ。効き始めてんだ。
怖がらなくていい。」
声は優しいのに、
どこか震えているようにも聞こえた。
桐谷も不安を抱えているはずなのに、
それでも奏多にだけは不安を見せまいとしている。
その姿勢が、また苦しくなる。
(……迷惑、ばっかり……)
そう思った瞬間、
薬の影響で視界が少し滲んだ。
まぶたが重く、
呼吸が深くできない。
桐谷の手だけが、
現実へ繋ぎ止める錘のように、
確かに熱を持っていた。
奏多はそれを握りしめたまま、
ゆっくりと目を閉じた。
奏多「……しんどいけど……
桐谷さんが……いるなら……
がんばる……」
かすれた声でそう告げると、
桐谷は大きく息を吐き、奏多の額に触れた。
桐谷「……ああ。
一緒に越えような。」
病室は静かだった。
機械の音だけが、二人の時間を刻んでいた。
治療の初日は、まだ始まったばかりだった。
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夕方になっても、奏多の体調は安定しなかった。
点滴はすでに終わっているのに、
薬はまだ身体の奥でざわざわと動き続けている。
布団に横になっても、
全身の神経が過敏になっているようで、
落ち着く瞬間が一つも訪れない。
天井の白い灯りが、やけに強く感じた。
(頭……重い……
体温、上がってる……?)
胸に手を当てると、心臓がいつもより早く打っている。
熱が上がり始めているのが自分でも分かった。
看護師が体温計を差し出し、
測ってみると38.2度。
看護師「薬の影響です。
今日と明日はこうした熱が続くことがあります。つらければすぐに呼んでください。」
そう説明されても、
奏多の中の不安はまったく消えていなかった。
ベッド脇で様子を見ていた桐谷が、
濡れタオルを受け取って額に置く。
冷たさが気持ちいい……はずなのに、
すぐに皮膚がじわっと熱を持つように感じる。
奏多「……寒い……けど……暑い……」
気「悪寒だな。
薬が身体と戦ってる証拠だ。」
その言葉が不思議と心に残った。
身体が戦っているのだとしたら、
この苦しさにも意味があるのだろうか。
けれど、
「戦っている」というイメージは、
同時に「まだ終わらない」という絶望も連れてくる。
時間が経つにつれ、
震えが大きくなってきた。
布団を何枚か重ねても、
身体の芯が冷えるような感覚から逃れられない。
(こんなに……きついなんて……
思わなかった……)
喉が渇いているのに、
飲み物を飲むたびに吐き気がこみ上げてくる。
頭の奥で不安が膨れ続け、
心がじわじわと摩耗していくのがわかる。
夜10時を過ぎる頃には、
意識がぼんやりし始めた。
桐谷は横の椅子に座り、
ずっと奏多を見つめている。
桐谷「寝ていいぞ。」
奏多「……眠れない……
怖い……」
その一言に、桐谷の表情がわずかに揺れた。
奏多が「怖い」と口にするのは珍しい。
いつもは感情を隠すのに、
今日はそれが全然できない。
それだけ弱っていた。
桐谷「何が怖いんだ?」
桐谷が低く尋ねる。
奏多は言葉を探すように、
唇を何度も開いて閉じた。
そして、ゆっくり、小さな声でこぼす。
奏多「……今日みたいに……
これからもずっと……
しんどいのが続くのかなって……
耐えられるのかなって……」
治療が始まったその日のうちに、
弱音を吐いてしまうことが情けなくて、
視線が床に落ちる。
桐谷はしばらく黙っていた。
その沈黙が余計に不安を刺す。
だが、
ぽつりとしたその声は、
包むように温かかった。
桐谷「辛いよな…。
でも……
お前は、絶対に乗り越えられる。」
桐谷は椅子から立ち上がり、
ベッドの縁に座って奏多の手を取った。
冷たく震える手を、
大きな手で包み込む。
桐谷「……一人で抱えんな。
苦しいのは分ければ軽くなる。
お前が弱ぇのは悪いことじゃねえ。」
それを聞いた瞬間、
胸の奥が破れたように熱くなった。
ずっと張り詰めていた感情が、
薬のせいもあって崩れ落ちる。
奏多「……桐谷さん……
やだ……ほんとに……
つら……」
涙が零れた。
自分でも驚くほど簡単に溢れてきた。
桐谷は何も言わず、
涙を親指でそっと拭った。
桐谷「泣けよ。
泣きたくなるくらい頑張ってんだから。」
その言葉に
奏多の呼吸が震え、
泣き声のような嗚咽が漏れた。
奏多「ひとりで……いたく……ない……」
泣きながらしがみつくように袖を掴む。
桐谷はそのまま、
奏多の頭を胸元へ寄せた。
桐谷「離れねぇよ。
お前が眠るまで、ずっとここにいる。」
その声に、
ようやく少しだけ呼吸が楽になる。
熱でぼうっとした意識の中、
奏多は桐谷の鼓動だけを頼りに、
ゆっくりとまぶたを閉じた。
夜はまだ深く、
副作用の波は続いていたが、
ただ一つ、
ひとりぼっちではなかった。
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