1 / 5
一話
しおりを挟む
私はこの家での厄介者。
その証拠に私の部屋は使用人と同じ大きさで、家具も必要最低限のベットと椅子とテーブルしかないの。
外に出ることすら許されない...。
だというのに、私は名ばかりの王太子殿下の婚約者でもある。
いつも態度は素っ気なくて冷たいけど、根は優しくて、本当にいい人。
そんな殿下が私の好きな人。
どんなに嫌われていてもどんどん好きになっていく。
これはもしかしたら恋じゃないのかもしれない。
執着なのかもしれない。
でもやっぱり恋かもしれない。
幸せになれるというなら一生殿下に会えなくても私は納得するだろう。
それで殿下が幸せになれるのなら安いものだ。
◇
お兄様も私を嫌っている。
というか、家族全員が私を嫌っている。
お父様も、お母様も、お兄様も、妹のカトリーヌも。
そしてお兄様は殿下の親友でもある。
だからお兄様が私のことを嫌いでも、殿下の親友だから嫌えない...いや、心の中では心底嫌ってるけど態度に出せないんだよね...
心の中で留めておいてる。
お兄様は何を考えているか分からないし、相当の女好き...噂の中では私までもが手を出されたという噂もある。
いや、正確には、私がお兄様に手を出した、という方が正しい。
いや、本当はしてないよ?
してないけど、勝手にそんな噂すらも立てられるのである。
この噂も含め、お兄様のせいだと思っている。
だって私は部屋にこもっているだけだと言うのにどうして私が悪いみたいな言い方をされなきゃいけないのだ。
きっとお兄様がそんな噂を勝手に流したに違いないわ。
お兄様は私の居場所を全部なくする気なんだ。
社交界からも、きっと殿下の隣からもいなくさせられる気なんだ。
◇
もう一年は殿下にあってない。
会いたいなぁ...
——バンっ
そして扉が急に開かれる。
「お嬢様、殿下が本日お訪ねになられるそうです」
「わかりました」
「では」
この使用人も、私を嫌っているのだろう。
明らかに舐めきった態度だ。
ノックもせずに部屋に押し入り、失礼しましたの礼もない。
「ふふふ、ははははは」
私の口から乾ききった笑い声が出た。
◇
久しぶりに殿下に会える。
それだけで私の気分はルンルンだ。
いつくるのかな?
そぉーっと部屋から出てみる。
「あ、」
殿下だ!
ん?どこに行くんだろう。
ダメだとわかっていながら、後をつけてしまう。
...お兄様の部屋....
そっか、殿下は私じゃなくて、お兄様に会いにきたんだ...
期待していた数分前の私がとても馬鹿らしく思えた。
「.....本当なのか?.......メアリーが......」
私の名前が聞こえてピクッと反応する。
「ああ..............だ。.............がいい」
扉越しであまり聞こえない...
私は気づかれるのが嫌で、そっと部屋に戻った。
◇
1時間後、私の部屋に殿下は来た。
きっとついでなんだよね...
殿下は私の部屋についても何も言わなかった。
微塵すらも興味がないという現れなのかな...
それからは特に話すこともなく、雑談して終わった。
その証拠に私の部屋は使用人と同じ大きさで、家具も必要最低限のベットと椅子とテーブルしかないの。
外に出ることすら許されない...。
だというのに、私は名ばかりの王太子殿下の婚約者でもある。
いつも態度は素っ気なくて冷たいけど、根は優しくて、本当にいい人。
そんな殿下が私の好きな人。
どんなに嫌われていてもどんどん好きになっていく。
これはもしかしたら恋じゃないのかもしれない。
執着なのかもしれない。
でもやっぱり恋かもしれない。
幸せになれるというなら一生殿下に会えなくても私は納得するだろう。
それで殿下が幸せになれるのなら安いものだ。
◇
お兄様も私を嫌っている。
というか、家族全員が私を嫌っている。
お父様も、お母様も、お兄様も、妹のカトリーヌも。
そしてお兄様は殿下の親友でもある。
だからお兄様が私のことを嫌いでも、殿下の親友だから嫌えない...いや、心の中では心底嫌ってるけど態度に出せないんだよね...
心の中で留めておいてる。
お兄様は何を考えているか分からないし、相当の女好き...噂の中では私までもが手を出されたという噂もある。
いや、正確には、私がお兄様に手を出した、という方が正しい。
いや、本当はしてないよ?
してないけど、勝手にそんな噂すらも立てられるのである。
この噂も含め、お兄様のせいだと思っている。
だって私は部屋にこもっているだけだと言うのにどうして私が悪いみたいな言い方をされなきゃいけないのだ。
きっとお兄様がそんな噂を勝手に流したに違いないわ。
お兄様は私の居場所を全部なくする気なんだ。
社交界からも、きっと殿下の隣からもいなくさせられる気なんだ。
◇
もう一年は殿下にあってない。
会いたいなぁ...
——バンっ
そして扉が急に開かれる。
「お嬢様、殿下が本日お訪ねになられるそうです」
「わかりました」
「では」
この使用人も、私を嫌っているのだろう。
明らかに舐めきった態度だ。
ノックもせずに部屋に押し入り、失礼しましたの礼もない。
「ふふふ、ははははは」
私の口から乾ききった笑い声が出た。
◇
久しぶりに殿下に会える。
それだけで私の気分はルンルンだ。
いつくるのかな?
そぉーっと部屋から出てみる。
「あ、」
殿下だ!
ん?どこに行くんだろう。
ダメだとわかっていながら、後をつけてしまう。
...お兄様の部屋....
そっか、殿下は私じゃなくて、お兄様に会いにきたんだ...
期待していた数分前の私がとても馬鹿らしく思えた。
「.....本当なのか?.......メアリーが......」
私の名前が聞こえてピクッと反応する。
「ああ..............だ。.............がいい」
扉越しであまり聞こえない...
私は気づかれるのが嫌で、そっと部屋に戻った。
◇
1時間後、私の部屋に殿下は来た。
きっとついでなんだよね...
殿下は私の部屋についても何も言わなかった。
微塵すらも興味がないという現れなのかな...
それからは特に話すこともなく、雑談して終わった。
0
あなたにおすすめの小説
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
「おまえを愛することはない。名目上の妻、使用人として仕えろ」と言われましたが、あなたは誰ですか!?
kieiku
恋愛
いったい何が起こっているのでしょうか。式の当日、現れた男にめちゃくちゃなことを言われました。わたくし、この男と結婚するのですか……?
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる