2 / 5
二話
しおりを挟む
王太子ジークフリード視点
メアリーの兄であり、俺の親友であるリックから苦しげに告げられた衝撃の事実...
メアリーはもう乙女ではない、つまり、処女ではないのだ、と...
リックは、メアリーに強力な媚薬を盛られ、処理しないと精神病にかかると脅され仕方なく手を出した。
しかも、すでに経験済みだったそうだ...。
信用していたのに。
可愛くて、好きで好きでしょうがなかったのに。
だから俺とリックは計画し始めた。
一年ぶりにメアリーの家を訪れた今日から、だ。
それは、メアリーを俺に依存させて婚約破棄して、絶望させるというとても最低な計画だったというのに。
初日からいきなり優しくするのは変に思われるだろうから、だんだん優しくして行って、「あれ?こいつ私のこと好きなんじゃね?」と思わせるのだ。
優しくするのは計画のためだから。
他に意味はない。
そう自分にそっと言い聞かせておいた。
◇
それからはだんだん態度を変えて行った。
笑顔を見せ、気遣うようになった。
いつもなら冷たくする態度も、とびきり甘やかすかのように。
そうしているうちに、どうして今まで冷たく接していたのか不思議になってきた。
どうして...あんな態度をとっていたんだろう?
本当に不思議だ...。
◇
俺の態度が変わっていくにつれ、彼女の態度も前より柔らかくなった気がする。
褒めてあげれば花が咲いたかのように笑うし、少し触れればリンゴのように真っ赤に染まる。
「可愛い...」
無意識に呟かれたその言葉に俺は自分しかる。
ダメだ。
メアリーは実の兄にまで手を出す最低な女なんだ...依存させるどころか、自分が依存してどうする。
でも、メアリーも同じく俺に依存してきているはず...
俺は心のどこかで暗い喜びを感じていた。
◇
今日はまたメアリーの家...でリックに計画の進行具合を伝えに来ていた。
「どう?ちょっとは依存し始めてるか?」
「あぁ。まだ完全じゃないが、アレは元々俺のことが好きだったんだと思うぞ」
多分絶対違うことを思わず口に出す。
そんなわけあるか。
冷たくされて好きになるとかそれ相当だぞ。
そんなそぶりは一度も見たことないしあり得ないだろ。
ちょっと調子に乗ったかも。
「ほお...もうそろそろ婚約破棄してもいいかもな。結婚してもいい年頃なんだから、わざと2人っきりのところで呼び出して適当に婚約破棄してくれ」
(は...?)
そっか、こんな計画がなかったら、リックからそんなことを聞かされなければ俺らは今頃結婚してたのか...
不意にメアリーがウエディングドレス姿で笑う妄想が頭に浮かぶ。
(綺麗、なんだろうな...)
もともと白くて、ほっそりした体型だから、フリルのついた真っ白なドレスが似合うだろう。
白いドレスは結婚式以外では着てはいけないというルールがある。
見たい...
ハッ、何を考えているんだ...俺は...
「すまない、とびっきり絶望させるならもっと、もっと依存させた方がいいと思うんだ。ほら、愛に限界はないだろ?だから少し考えさせてくれ」
「わかった」
結果、俺は大事なところで頷けず、逃げるような形になってしまった。
メアリーの兄であり、俺の親友であるリックから苦しげに告げられた衝撃の事実...
メアリーはもう乙女ではない、つまり、処女ではないのだ、と...
リックは、メアリーに強力な媚薬を盛られ、処理しないと精神病にかかると脅され仕方なく手を出した。
しかも、すでに経験済みだったそうだ...。
信用していたのに。
可愛くて、好きで好きでしょうがなかったのに。
だから俺とリックは計画し始めた。
一年ぶりにメアリーの家を訪れた今日から、だ。
それは、メアリーを俺に依存させて婚約破棄して、絶望させるというとても最低な計画だったというのに。
初日からいきなり優しくするのは変に思われるだろうから、だんだん優しくして行って、「あれ?こいつ私のこと好きなんじゃね?」と思わせるのだ。
優しくするのは計画のためだから。
他に意味はない。
そう自分にそっと言い聞かせておいた。
◇
それからはだんだん態度を変えて行った。
笑顔を見せ、気遣うようになった。
いつもなら冷たくする態度も、とびきり甘やかすかのように。
そうしているうちに、どうして今まで冷たく接していたのか不思議になってきた。
どうして...あんな態度をとっていたんだろう?
本当に不思議だ...。
◇
俺の態度が変わっていくにつれ、彼女の態度も前より柔らかくなった気がする。
褒めてあげれば花が咲いたかのように笑うし、少し触れればリンゴのように真っ赤に染まる。
「可愛い...」
無意識に呟かれたその言葉に俺は自分しかる。
ダメだ。
メアリーは実の兄にまで手を出す最低な女なんだ...依存させるどころか、自分が依存してどうする。
でも、メアリーも同じく俺に依存してきているはず...
俺は心のどこかで暗い喜びを感じていた。
◇
今日はまたメアリーの家...でリックに計画の進行具合を伝えに来ていた。
「どう?ちょっとは依存し始めてるか?」
「あぁ。まだ完全じゃないが、アレは元々俺のことが好きだったんだと思うぞ」
多分絶対違うことを思わず口に出す。
そんなわけあるか。
冷たくされて好きになるとかそれ相当だぞ。
そんなそぶりは一度も見たことないしあり得ないだろ。
ちょっと調子に乗ったかも。
「ほお...もうそろそろ婚約破棄してもいいかもな。結婚してもいい年頃なんだから、わざと2人っきりのところで呼び出して適当に婚約破棄してくれ」
(は...?)
そっか、こんな計画がなかったら、リックからそんなことを聞かされなければ俺らは今頃結婚してたのか...
不意にメアリーがウエディングドレス姿で笑う妄想が頭に浮かぶ。
(綺麗、なんだろうな...)
もともと白くて、ほっそりした体型だから、フリルのついた真っ白なドレスが似合うだろう。
白いドレスは結婚式以外では着てはいけないというルールがある。
見たい...
ハッ、何を考えているんだ...俺は...
「すまない、とびっきり絶望させるならもっと、もっと依存させた方がいいと思うんだ。ほら、愛に限界はないだろ?だから少し考えさせてくれ」
「わかった」
結果、俺は大事なところで頷けず、逃げるような形になってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
「おまえを愛することはない。名目上の妻、使用人として仕えろ」と言われましたが、あなたは誰ですか!?
kieiku
恋愛
いったい何が起こっているのでしょうか。式の当日、現れた男にめちゃくちゃなことを言われました。わたくし、この男と結婚するのですか……?
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる