婚約者が何か企んでいるようなので逃げたいんですが...

新田 ゆえ

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三話

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最近殿下がとても優しい。

笑ってくれるし、殿下といると幸せな気分になれてとても楽しい。

その笑顔は多分偽りじゃないし、本心から笑ってくれているのだと思う。

でも、なんかみょうに引っかかるのだ。


その引っかかりが何かわかるのはその次の日とのこと。

殿下は私の家にお兄様と話すため、遊びに来ていた。

前回、私の話が出たため、今回も出るのではないかと思い、私は自作の盗聴器を仕掛けた。

あくまでも興味があるのは自分の話だけだから...。

べ、べ、別に殿下の話が聞きたいとかそんなんじゃないんだからね!!



そしてわかったことは、殿下とお兄様は私を殿下に依存させて最終的には婚約破棄して絶望させるという私にとって辛い案だった。

やっぱり、私は間違っていなかった。

最近の殿下の急な変わりようは、全部このためだったんだ...

私は目の前が真っ暗になった。



殿下は私の何がそんなに憎いのだろう。

...やっぱり厄介者と婚約していることが煩わしいのかな。

それともなにか粗相を...

あぁ、思い当たることが多すぎるよ。



婚約破棄...私は最近そのことばかり考えている。

というよりかは、考えなきゃいけないのである...

殿下は私との婚約が破棄されたら喜ぶのかな?

...

わかんないや。

なに考えてるかなんて厄介者の私には。

まあ考えたくないだけなんだけど。

もし。

私が殿下に執着していないようなそぶりを見せていれば殿下は婚約を破棄しないのだろうか。

ずるいけど、そういうことなんだろうか。

国王様は殿下が20になれば必ず結婚させるだろう。

殿下は今、19歳であり、私は二個下の17歳。

この国で二十代独身というのはすでに周りが結婚しているため、十分焦る歳なのである。

だからそうなれば殿下の婚約者を再び見繕うのは難しくなるだろう。

今なら隣国の王女がまだフリーだから婚約できるかもだけど、噂では隣国の王女には平民の恋人がいるらしい。

駆け落ちするのも時間の問題だろう。

殿下の誕生日まで、半年。

私はこの日一日中これについて考えていたのだった。



考えはまとまり、結論も出た。

私は、


逃げることにする。

やっぱり、好きな人だからとは言え、自分を陥れようとしている人とは、将来が心配だし、

隣国の王女と婚約してもそこに愛は生まれないのだろう。

殿下は寛大だから、隣国の王女の恋人くらい許すだろうし、恋人がいる人を必要以上に迫ることもない。

そうしたら殿下も適当に側室をとって子を産めば...

ツキリ、と胸が痛む。

私は胸の痛みを無視してなんとか考えを続けた。

私も適当に家出して、前世の知識を使って暮らせばいいや。

いや、修道院に入ろう。

そうすれば必要最低限の生活は確保できるし、困ることはないだろう。
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