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四章 ゲームから出てきたサキュバスのために
第33話 サキュバスは星に願う
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四
ついに明日だと思うと、深夜になってもなかなか寝つけなかった。
天井の豆電球相手に、勝ちようのない睨めっこをする。かけていた薄手の布団を無意味に足で揺する。あんこを消化しきれず、まだ重たい腹をさする。
緊張は、少ししていた。だがそれ以上に心にあったのは、ぽっかり穴を開けられてしまったような喪失感だった。
原因は明白だ、結愛がいなくなるから。
澄鈴への告白を前にしてこうなのだから、僕の結愛への想いがなになのかは自明だった。
なずなの言う通り、自分の思った方が正解なら、澄鈴に告白をするのは間違っている。
けれど、たとえ誤りだともしても、僕は必ず成功させる必要があった。結愛を画面の向こうへ送り返すためだ。
けれども、しかし。そんな不純な告白はいいのだろうか。できるなら澄鈴をむやみに傷つけたくはないが、どうすればいい。頭には疑問符が渦巻いて、どうにも晴れなかった。
夜風にでも当たろうと、ベランダに出る。地べたに座りこんで、薄らぼんやりとした空を見上げることしばらく、
「こんなところにいたんですね」
どれくらい経った頃か、きぃとサッシが音を立てた。
ジャージ姿の悪魔が、そこにいた。
「寝込みを襲おうと思ったのにいなかったので驚きましたよ」
スマホのデジタル時計を見ると、もう夜の二時だった。知らぬうちに、かなりの時間が経っている。
「いつもこんな時間にベッド潜ってきてたの?」
「はい、ご主人様がゲームをやめて寝るのは、大体これくらいの時間でしたから」
なにからなにまでよく知っているものだ。
結愛は、僕と背中合わせに腰を下ろす。黙ったまま、僕の方へ身体を倒した。
簡単に、空だった胸が熱に溢れるからおかしい。
「たそがれちゃって、どうしたんですか。目にくま作っちゃいますよ、せっかく色々準備したのに台無しです」
「……なんだか寝られなくってさ」
「あー、緊張してるんですね」
「ううん、それはそんなに」
「じゃあ、私がいなくなるのが寂しくて、とか?」
僕の肩に頭を乗せて、ふふっと小さく笑む。しなやかな髪が、顔にかすかに擦れてこそばゆい。
「そうだよ」
率直に答えたのだが、返事はなかった。
のしかかった重さが軽くなっていた。振り返ると、結愛はいない。また少しして、ただ前より時間を要してから結愛は姿を現す。
また、僕に身体をしなだれる。
「……さっきから、結構頻繁にこうなってます。もう一日もいられないですから、仕方ないですね。で、なにか言いましたか?」
「いいや、なにも」
聞こえなかったなら、それはそれだ。泣き言を言ってもしょうがない。
「明日の夕方までは消えないんだよね?」
「はい、そのはずです。でも徐々に存在が薄れていくみたいで。名前も忘れられるんですね、なずなさん覚えてませんでした」
だから、なずなは「あの子」と言っていたのか。
理由に気づかされるとともに、結愛の心境を思って、無力な僕はぎりと歯を噛む。
「いいんです。仕方ないんですよ、そういう定めなので。ご主人様も明日になったら忘れてたりして」
「ロクでもないこと言うなよ、結愛」
「ふふっ、そうですね。あなたが覚えていてくれたら、私はそれで十分です」
忘れない、忘れるものか。もっと忘れていいことが世の中にはたくさんある。丸暗記した古典の和歌とか、そういうの。
彼女のことを覚えているためにも、やはり僕は告白を成功させねばなるまい。
偽の告白なんて、澄鈴にはひどい不誠実を働くことになるが、後から事情を話して許しを乞うしかなさそうだ。傷つけることを怖がっている場合ではない。
「……ちゃんと告白するよ、明日は」
それしかないのだが、前向きになれるものでもなかった。つい視線は足下へ、俯いてしまう。
「ご主人様、ここまでやってもまだ不安ですか? ほんとにヘタレですね。もう金曜日みたいなのは禁止ですよ?」
「分かってるさ」僕は首を短く縦に振る。分かってはいるのだ。やれないわけではない。
結愛は、素敵ですと微笑んでから、
「でもご主人様がヘタレでよかったのかもしれません、私としては」
夜空にシャボン玉でも浮かべるように、少し声を弾ませた。
「ご主人様が告白できずに帰ってきたとき、私怒ったじゃないですか。あそこまでしたのにーって。でも本当は、まだ一緒にいられるんだ、って本当は少し嬉しくもあったんです。そういう意味では、意気地無しでよかったなと♪」
結愛は僕の首筋に息を吹きかける。ぴくっと跳ねたところ、優しくキスをされた。
「ここまでしても襲ってこないなんて、よっぽどのヘタレさんだけです♡」
「う、うるさいって! 悪かったよ、ヘタレで」
ちらりと見ると、悪魔らしい意地悪な笑みをたたえている。今の僕には過度なほどにそれが可愛く映って、たぶん伝わってしまうくらい、鼓動がはやった。
もう認めざるをえない。やっぱり僕は、このサキュバスのことが――。
「あ、ヘタレだからってだめですよ。明日はちゃんと告白してくださいね。罪の告白とか友情の告白とかは、告白に入りませんから。愛の告白をして、誰かに受け入れられないとダメですからね」
え、とつい僕は声をあげてしまった。
「まさか本当にそのつもりだったんですかー」
結愛のジト目に軽蔑が篭る。そうじゃない。引っかかったのは、誰かに、という部分だ。
「誰でもいいの?」
てっきり澄鈴を相手にしなければいけないものと勘違いしていた。
「えぇ、まぁ。あ、お母さまに愛の告白はダメですよ! 家族愛もなしです」
「するわけないだろ、そんなこと。どこでなにしてるのかも知らないよ」
なんだ、ならば簡単なことだ。ついさっき答えが出たばかりなのだから。
悩みの枷から放たれた僕は、はははと高笑いしてしまう。静かな住宅街でのことだ、響いているという自覚はあったが、腹から震えがこみ上げてくる。
「いよいよ壊れたんですか、ご主人様ー」
「健常だよ、僕は。笑ったのは、そう、えっと空が綺麗だったから?」
「まぁたしかに綺麗ですけど」
結愛が空を仰ぐから、僕も見上げてみる。
さっきまで雲がかっていたのに、今は星がよく見えるくらいには空が澄み渡っていた。まさに五月晴れ。
「あ、流れ星!」
結愛が手を上げ、指差す。目では追えなかったが、僕は目を瞑って短く祈っておく。
今日こうして空を見上げたことも忘れないように、と。
「最後まで願掛けなんて、ご主人様らしいですね」
「なんとでも言えよ」
「私も澄鈴さんとうまくいくように祈っておきましたからね。きっとうまくいきます!」
結愛の願いごとを、僕は叶えない。
ついに明日だと思うと、深夜になってもなかなか寝つけなかった。
天井の豆電球相手に、勝ちようのない睨めっこをする。かけていた薄手の布団を無意味に足で揺する。あんこを消化しきれず、まだ重たい腹をさする。
緊張は、少ししていた。だがそれ以上に心にあったのは、ぽっかり穴を開けられてしまったような喪失感だった。
原因は明白だ、結愛がいなくなるから。
澄鈴への告白を前にしてこうなのだから、僕の結愛への想いがなになのかは自明だった。
なずなの言う通り、自分の思った方が正解なら、澄鈴に告白をするのは間違っている。
けれど、たとえ誤りだともしても、僕は必ず成功させる必要があった。結愛を画面の向こうへ送り返すためだ。
けれども、しかし。そんな不純な告白はいいのだろうか。できるなら澄鈴をむやみに傷つけたくはないが、どうすればいい。頭には疑問符が渦巻いて、どうにも晴れなかった。
夜風にでも当たろうと、ベランダに出る。地べたに座りこんで、薄らぼんやりとした空を見上げることしばらく、
「こんなところにいたんですね」
どれくらい経った頃か、きぃとサッシが音を立てた。
ジャージ姿の悪魔が、そこにいた。
「寝込みを襲おうと思ったのにいなかったので驚きましたよ」
スマホのデジタル時計を見ると、もう夜の二時だった。知らぬうちに、かなりの時間が経っている。
「いつもこんな時間にベッド潜ってきてたの?」
「はい、ご主人様がゲームをやめて寝るのは、大体これくらいの時間でしたから」
なにからなにまでよく知っているものだ。
結愛は、僕と背中合わせに腰を下ろす。黙ったまま、僕の方へ身体を倒した。
簡単に、空だった胸が熱に溢れるからおかしい。
「たそがれちゃって、どうしたんですか。目にくま作っちゃいますよ、せっかく色々準備したのに台無しです」
「……なんだか寝られなくってさ」
「あー、緊張してるんですね」
「ううん、それはそんなに」
「じゃあ、私がいなくなるのが寂しくて、とか?」
僕の肩に頭を乗せて、ふふっと小さく笑む。しなやかな髪が、顔にかすかに擦れてこそばゆい。
「そうだよ」
率直に答えたのだが、返事はなかった。
のしかかった重さが軽くなっていた。振り返ると、結愛はいない。また少しして、ただ前より時間を要してから結愛は姿を現す。
また、僕に身体をしなだれる。
「……さっきから、結構頻繁にこうなってます。もう一日もいられないですから、仕方ないですね。で、なにか言いましたか?」
「いいや、なにも」
聞こえなかったなら、それはそれだ。泣き言を言ってもしょうがない。
「明日の夕方までは消えないんだよね?」
「はい、そのはずです。でも徐々に存在が薄れていくみたいで。名前も忘れられるんですね、なずなさん覚えてませんでした」
だから、なずなは「あの子」と言っていたのか。
理由に気づかされるとともに、結愛の心境を思って、無力な僕はぎりと歯を噛む。
「いいんです。仕方ないんですよ、そういう定めなので。ご主人様も明日になったら忘れてたりして」
「ロクでもないこと言うなよ、結愛」
「ふふっ、そうですね。あなたが覚えていてくれたら、私はそれで十分です」
忘れない、忘れるものか。もっと忘れていいことが世の中にはたくさんある。丸暗記した古典の和歌とか、そういうの。
彼女のことを覚えているためにも、やはり僕は告白を成功させねばなるまい。
偽の告白なんて、澄鈴にはひどい不誠実を働くことになるが、後から事情を話して許しを乞うしかなさそうだ。傷つけることを怖がっている場合ではない。
「……ちゃんと告白するよ、明日は」
それしかないのだが、前向きになれるものでもなかった。つい視線は足下へ、俯いてしまう。
「ご主人様、ここまでやってもまだ不安ですか? ほんとにヘタレですね。もう金曜日みたいなのは禁止ですよ?」
「分かってるさ」僕は首を短く縦に振る。分かってはいるのだ。やれないわけではない。
結愛は、素敵ですと微笑んでから、
「でもご主人様がヘタレでよかったのかもしれません、私としては」
夜空にシャボン玉でも浮かべるように、少し声を弾ませた。
「ご主人様が告白できずに帰ってきたとき、私怒ったじゃないですか。あそこまでしたのにーって。でも本当は、まだ一緒にいられるんだ、って本当は少し嬉しくもあったんです。そういう意味では、意気地無しでよかったなと♪」
結愛は僕の首筋に息を吹きかける。ぴくっと跳ねたところ、優しくキスをされた。
「ここまでしても襲ってこないなんて、よっぽどのヘタレさんだけです♡」
「う、うるさいって! 悪かったよ、ヘタレで」
ちらりと見ると、悪魔らしい意地悪な笑みをたたえている。今の僕には過度なほどにそれが可愛く映って、たぶん伝わってしまうくらい、鼓動がはやった。
もう認めざるをえない。やっぱり僕は、このサキュバスのことが――。
「あ、ヘタレだからってだめですよ。明日はちゃんと告白してくださいね。罪の告白とか友情の告白とかは、告白に入りませんから。愛の告白をして、誰かに受け入れられないとダメですからね」
え、とつい僕は声をあげてしまった。
「まさか本当にそのつもりだったんですかー」
結愛のジト目に軽蔑が篭る。そうじゃない。引っかかったのは、誰かに、という部分だ。
「誰でもいいの?」
てっきり澄鈴を相手にしなければいけないものと勘違いしていた。
「えぇ、まぁ。あ、お母さまに愛の告白はダメですよ! 家族愛もなしです」
「するわけないだろ、そんなこと。どこでなにしてるのかも知らないよ」
なんだ、ならば簡単なことだ。ついさっき答えが出たばかりなのだから。
悩みの枷から放たれた僕は、はははと高笑いしてしまう。静かな住宅街でのことだ、響いているという自覚はあったが、腹から震えがこみ上げてくる。
「いよいよ壊れたんですか、ご主人様ー」
「健常だよ、僕は。笑ったのは、そう、えっと空が綺麗だったから?」
「まぁたしかに綺麗ですけど」
結愛が空を仰ぐから、僕も見上げてみる。
さっきまで雲がかっていたのに、今は星がよく見えるくらいには空が澄み渡っていた。まさに五月晴れ。
「あ、流れ星!」
結愛が手を上げ、指差す。目では追えなかったが、僕は目を瞑って短く祈っておく。
今日こうして空を見上げたことも忘れないように、と。
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