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恋をしよう
出会い(1)
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夜と深夜の間の時間、佳亮(よしあき)は二泊三日の出張から定時後のミーティングという長時間労働から漸く解放されて家に帰る途中、マンション近くのコンビニに寄り道をした。不景気のあおりを食らったコンビニには、余分な買い物をする人はいない。中途半端な時間である所為もあるだろうけれど、店内は寂しいものだった。
本当は、帰ってちゃんと自炊したほうがいいのだろう。でも今日は本当に仕事で気力を使い果たしてしまったし、今から帰ってお風呂に体を沈めるのが精一杯だ。夜中に空腹を感じないように、重すぎず軽すぎないメニューを選び、籠に入れた。
(あ、牛乳切れてたんやった)
ふとレジに向かおうとした一瞬で、出張前に片付けてしまっていた冷蔵庫の中身を思い出して、それもあわせて籠に入れる。会計をしよう、と思ったとき、黒いコートの背中に先に並ばれてしまった。
レジカウンターに差し出された、お弁当とビールのペットボトル、それから経済新聞。「八百七十六円です」というお店の人の声に対して、黒い背中の人はポケットから財布を取り出した。
(えー。今時、コンビニの買い物くらい、電子マネーでスマートにいこうや)
籠を持ったままの佳亮が背後で待っているというのに(もう一人の店員は、店の奥に行ってしまっているようだった)、男は小銭入れを漁っている。ちゃりちゃりっと音がして、どうやら細かい硬貨を探しているようだった。
「あ」
一円玉の軽い音が床でした。丁度目の前に落ちたそれを、目の前の人が屈むより先に膝を折って拾ってやると、佳亮はその人に手渡した。
「あ、どうも…」
本当は、帰ってちゃんと自炊したほうがいいのだろう。でも今日は本当に仕事で気力を使い果たしてしまったし、今から帰ってお風呂に体を沈めるのが精一杯だ。夜中に空腹を感じないように、重すぎず軽すぎないメニューを選び、籠に入れた。
(あ、牛乳切れてたんやった)
ふとレジに向かおうとした一瞬で、出張前に片付けてしまっていた冷蔵庫の中身を思い出して、それもあわせて籠に入れる。会計をしよう、と思ったとき、黒いコートの背中に先に並ばれてしまった。
レジカウンターに差し出された、お弁当とビールのペットボトル、それから経済新聞。「八百七十六円です」というお店の人の声に対して、黒い背中の人はポケットから財布を取り出した。
(えー。今時、コンビニの買い物くらい、電子マネーでスマートにいこうや)
籠を持ったままの佳亮が背後で待っているというのに(もう一人の店員は、店の奥に行ってしまっているようだった)、男は小銭入れを漁っている。ちゃりちゃりっと音がして、どうやら細かい硬貨を探しているようだった。
「あ」
一円玉の軽い音が床でした。丁度目の前に落ちたそれを、目の前の人が屈むより先に膝を折って拾ってやると、佳亮はその人に手渡した。
「あ、どうも…」
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