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プロローグ
プロローグ19
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話によると奪われた集落は、丘を登った先にあるという。
距離はあまり離れていないようで、3時間ほど歩いた先に砦があった。
大介が念入りに難民達から聞いたものだ、あれで間違いない。
襲撃してから昨日今日の話だ、次の作戦が起こる前には砦を抑えたいところだ。
大介は、すこし焦り気味になりそうな気持ちを落ち着かせ砦に近づく前に身を隠しながら出発前に記した地図と砦の間取りを広げて作戦会議を始める。
「入口は一箇所だけ。
見張りは交代で二人ずつ、砦の経費削減のためか窓は無く吹き抜けの中庭みたいなものがあり…そこで日差しを浴びるそうです。
幸か不幸か、地下室や水路はまだ改装中らしく…水路からの侵入はできなさそうですがやそこから敵の増援は見込めないかと。
やりたくはありませんが…正面突破。
それか…鉤縄をつかい吹き抜けから侵入して内部からゆっくりと制圧。
どちらを選ぶにせよ、人数が少ない我々にとっては時間との勝負です。
護様はどう考えられますか?」
大介は、間取りを指差しながら最初に得た情報を共有する。
そして、作戦の提案を口にした。
護は大介の視線を感じながら間取り図をゆっくりと眺める。
そして目の前に見える砦を眺め、すこし自分の髭を人差し指でなぞると大介に視線を向けた。
「…少し力技でいこう。
蓮が朱雀で吹き抜けから、砦内部に単独で侵入。
そして、残りの我々が囮で門から突入。
もとより、正面突破も作戦に入っているのだから問題はないだろう。
蓮にはかなり負担をかけるが問題ないな?」
護の問いに蓮は静かに頷く。
蓮が良いのであればと大介は護に言う。
作戦はすぐ。
案内してくれた非戦闘員はもしもの時の連絡要員で待機。
蓮は、その場で高く跳躍。
目立つかと思いきや、速度と跳躍力のおかげて見つかっても鳥が飛んだのだろうと思われるだろう。
蓮は一跳びで引き寄せられるように砦の屋根まで跳んでいった。
蓮が砦の屋根に到着したのを見計らい、護達は門の方は足を進める。
屋根の上に登った蓮は、吹き抜けの中庭を目指して中腰で素早く歩を進めた。
砦は、全面石造り。
外部から火で責められても耐えられるような造りにしていたのだろう。
簡易な堀も用意されていて、素人の手で作ったにしては立派なミニチュアの砦だ。
そんな狡猾な山賊の長でも、流石に屋根の上には見張りをつけてはいない。
中心の方まで辿り着くと吹き抜けから少しだけ顔を覗かせて辺りを伺う。
吹き抜けはそれなりに大きく、主に作物を育てる場所として使っているみたいだ。
そこには、見張りの山賊が2人と痩せ細った女子供が畑仕事をしている。
自分の娘とダブって見えてしまうためか、子供を無理矢理働かせている姿を見て特に怒りを感じたがその感情を抑えて少しだけ様子を見た。
力の弱い女子供で、逆らう気力も体力も奪っているためか見張りの山賊は暇そうに欠伸をしている。
優であれば、あんな隙だらけの人間なら遠距離でも難なく撃破できたじゃろうな…。
蓮は、自分の武装にも遠距離に対応できるよう絡繰を仕込もうかと検討しつつ使えそうなものがないか更に辺りを見回す。
目立つものは畑、農具、水…。
外壁は全部石で外から内部は見えないし、扉も特別窓がないから閉まっている今の状態なら大きな騒ぎがない限り中には様子は分からなさそうだ。
扉が閉まっているのを確認。
…次に山賊が欠伸をしたら一気に降りて撃退しよう。
覚悟するんじゃなぁ。
蓮は先ほどの怒りを込めて両手トンファーの握って身構えた。
距離はあまり離れていないようで、3時間ほど歩いた先に砦があった。
大介が念入りに難民達から聞いたものだ、あれで間違いない。
襲撃してから昨日今日の話だ、次の作戦が起こる前には砦を抑えたいところだ。
大介は、すこし焦り気味になりそうな気持ちを落ち着かせ砦に近づく前に身を隠しながら出発前に記した地図と砦の間取りを広げて作戦会議を始める。
「入口は一箇所だけ。
見張りは交代で二人ずつ、砦の経費削減のためか窓は無く吹き抜けの中庭みたいなものがあり…そこで日差しを浴びるそうです。
幸か不幸か、地下室や水路はまだ改装中らしく…水路からの侵入はできなさそうですがやそこから敵の増援は見込めないかと。
やりたくはありませんが…正面突破。
それか…鉤縄をつかい吹き抜けから侵入して内部からゆっくりと制圧。
どちらを選ぶにせよ、人数が少ない我々にとっては時間との勝負です。
護様はどう考えられますか?」
大介は、間取りを指差しながら最初に得た情報を共有する。
そして、作戦の提案を口にした。
護は大介の視線を感じながら間取り図をゆっくりと眺める。
そして目の前に見える砦を眺め、すこし自分の髭を人差し指でなぞると大介に視線を向けた。
「…少し力技でいこう。
蓮が朱雀で吹き抜けから、砦内部に単独で侵入。
そして、残りの我々が囮で門から突入。
もとより、正面突破も作戦に入っているのだから問題はないだろう。
蓮にはかなり負担をかけるが問題ないな?」
護の問いに蓮は静かに頷く。
蓮が良いのであればと大介は護に言う。
作戦はすぐ。
案内してくれた非戦闘員はもしもの時の連絡要員で待機。
蓮は、その場で高く跳躍。
目立つかと思いきや、速度と跳躍力のおかげて見つかっても鳥が飛んだのだろうと思われるだろう。
蓮は一跳びで引き寄せられるように砦の屋根まで跳んでいった。
蓮が砦の屋根に到着したのを見計らい、護達は門の方は足を進める。
屋根の上に登った蓮は、吹き抜けの中庭を目指して中腰で素早く歩を進めた。
砦は、全面石造り。
外部から火で責められても耐えられるような造りにしていたのだろう。
簡易な堀も用意されていて、素人の手で作ったにしては立派なミニチュアの砦だ。
そんな狡猾な山賊の長でも、流石に屋根の上には見張りをつけてはいない。
中心の方まで辿り着くと吹き抜けから少しだけ顔を覗かせて辺りを伺う。
吹き抜けはそれなりに大きく、主に作物を育てる場所として使っているみたいだ。
そこには、見張りの山賊が2人と痩せ細った女子供が畑仕事をしている。
自分の娘とダブって見えてしまうためか、子供を無理矢理働かせている姿を見て特に怒りを感じたがその感情を抑えて少しだけ様子を見た。
力の弱い女子供で、逆らう気力も体力も奪っているためか見張りの山賊は暇そうに欠伸をしている。
優であれば、あんな隙だらけの人間なら遠距離でも難なく撃破できたじゃろうな…。
蓮は、自分の武装にも遠距離に対応できるよう絡繰を仕込もうかと検討しつつ使えそうなものがないか更に辺りを見回す。
目立つものは畑、農具、水…。
外壁は全部石で外から内部は見えないし、扉も特別窓がないから閉まっている今の状態なら大きな騒ぎがない限り中には様子は分からなさそうだ。
扉が閉まっているのを確認。
…次に山賊が欠伸をしたら一気に降りて撃退しよう。
覚悟するんじゃなぁ。
蓮は先ほどの怒りを込めて両手トンファーの握って身構えた。
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