コバナシ

鷹美

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外伝 東野

外伝 東野3

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面倒見がよく民からも慕われていた清澄の死は東野を大きく変えた。
岬はストレスで一気に老け込み始めた、艶やかで逞しかった黒い髪や髭は弱々しく白く染まり、鍛えられた肉体もやや衰えたのだ。

そして東に対して食事の毒見をつけたり、民の接触や外出を制限するなど怪我から遠ざけるような事から可能な限り遠ざけた。
勿論、訓練なんて持ってのほかだ。



訓練の話を切り出しても、父を困らせないでくれの一言だけ。
しかし学問などの怪我のないものには、寛大なままで大介と共に戦術の書や代々の領主が残した書物を読んで過ごしていた。

母上の死ですこし臆病になっただけ、それ以外は昔と変わらず優しく頼もしい父上だったから。
東はそう考えていたために、多少の窮屈さは感じてはいたもの苦ではなかった。


そんな生活が半年ほど続き、東も環境になれたころにまたも変化があった。
1人の異国人が3人の侍と共に岬を訪問してきたのだ。

異国人は帽子をかぶり、狐のような顔つきをした細目の男で白い手袋に茶色いスーツを着ていた。
侍は、髷を結った白髪の初老と同じように髷を結った側近のような黒髪の若い侍。

そして護衛の侍。
護衛の侍は髷は結っておらず、黒髪のポニーテールをしており瞳は僅かに赤みがかっていた。

要件は簡単なものだ。
異国人と侍が力を合わせてこの戦を秩序あるものにしようというものだ。

異国人は、誰よりも早く戦と貿易を始められるため商売において市場価値をつけやすい立場になれる。
侍は、秩序統一の功績で国内の統率者か重鎮になれる。

そんな利害が一致した集まりらしい。
四大を扱える岬の力が必要だ、どんなことを初老の侍に言われのだが…岬は興味なさそうに話を聞いていた。


「民に危害を与えないのなら東野は邪魔をする気はない好きにせよ。

ただ東野や余に利があるとは思えないから、力を貸す気はない。
…長旅でお疲れだろう、東野には宿がない屋敷の客室を案内させるから旅の準備ができるまでそこを使うといい。」


侍の1人は何か言いたそうだったが、初老の侍に引っ張られるように領主の部屋を後にした。
しかし、異国人は部屋の出口で少し立ち止まり帽子を右手でかぶり直す素振りをしながら岬を見る。


「奥方を甦らせる技術の可能性を我が国が持ち合わせている…そう言ったらどうしますか?」


異国人が初めて口にした言葉だった。
流石の岬も目を見開いて、立ち上がる。

その様子にクスッと笑い岬に背をむけた。


「今日は遅い。
詳しい話は後日いたします、それでは失礼いたします。」


そういうと異国人は、そのまま部屋を出ていった。






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