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第二話
第二話 27
しおりを挟む恵梨香、椿、スーが部屋からいなくなると優はゆっくりと立ち上がる。
「…さて、スーって子はどんな感じだったかな?」
「うーん、とりあえず悪い人じゃなさそう。
改めて話してくれるとは思うけど、四大とは違う氣って力を使うみたいだったわ。
それで、周りの様子がわかるんですって。」
さも、当たり前のように話す楓と優。
あまりにも高い温度差にオロオロした籐麻だったが、二人にとっては当たり前のようで他の人達は特に気にしている様子はない。
「…一瞬だが、感じた闘気はかなりの手練れのものだったが女湯の方は大丈夫だったか?」
「おそらく…楓ちゃんとスーちゃんが遊んだときだと思います。
スーちゃんの水鉄砲を避けた時に氣を使った時かと…。
後は、後の方から出た椿に聞いてみましょう。」
護はうーんと考えながら、スーの事について考察する。
流石に手放しに受け入れている訳ではさなそうだ。
あれやコレやと、スーがいない間にスーといて起きた情報を共有する。
「…スーはワシが港町まで送ろう。
港町にワシも用事がある、すこし予定を切り上げてやれば問題ない。」
「わかった、スーは蓮に任せよう。
今は無害だが今後が分からない、優達が会ったプロトの事もある。
彼女に害がなくても、害のあるものが来る恐れがある…警戒は怠らないように。
藤麻と空を連れて行ってくれ、いい経験になるだろう。」
話がまとまり、再び談話モードになった頃にスー達がかえってきた。
楽しそうにニコニコしている恵梨香とスーに、ぐったりとしている椿。
手加減しろといったろうに…やや呆れた表情で恵梨香をみた護は小さくため息をつくとスーに視線を向ける。
「スー、君の都合がよければ少しだけここに滞在してほしい。
周りの気配が分かるとはいえ、盲目の君を無造作に港町に送りたくない。
そこにいる蓮が、港町まで用事があるようだから一緒に向かってくれ。
代わりというわけでは無いが和国でヨウの情報収集をするといい、空と藤麻を案内につけよう。」
「ほんとっ!?
ありがとーー!。」
スーは、大きな笑みを浮かべると護の側まで向かうと両手で護の手を握りブンブンと大きく縦に振った。
そんな馴れ馴れしくしないのと言わんばかり楓は、スーを引きはがす。
プンプンと自分を引きずる楓の反応を楽しんでいるようで、スーは終始楽しそうにしていた。
明日は早い。
そういった優の言葉で各々就寝の準備を始める。
俺は当分の間、スーの監視と警護、蓮父様の補佐か。
さりげなく初仕事を言い渡された藤麻は少し心配な面持ちで眠りにはいった。
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