コバナシ

鷹美

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第4話 

第4話 2

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「だから見逃すっていうのか。
…見損なったぞ、蓮。」


トーロは、ギロリと蓮を睨む。
小声でそう言ったのは軽蔑したとしても彼なりの配慮なのだろう。


「バカいえ誰が見逃すか。
花街では手を出さん…それだけじゃ。

道は分からなくても、道を踏み外す外道は絶対に見失わない。」



トーロは、蓮が血を出すほど右手を力強く握りしめているのを見た。
すまないと静かに謝罪すると、懐から包帯を取り出して蓮に渡す。


深呼吸をして包帯を受け取った蓮は、慣れた手つきで右手に巻き付ける。


「…所でトーロはこの後はどうする?
ワシらは、ある程度調べたら花街を離れて野宿するが。」


「それなら俺も同じ行動をしよう。
情報収集のついでに和国に恩を売っておくのも悪くない。」


たまには主の為に動こう。
背伸びをして蓮にそう答えるトーロ。

そういう憎まれ口を言うやつに限ってなんとやら。
蓮はやれやれと軽く笑った。


とりあえず、まずは奇病の情報だ。
蓮たちは先に診療所に足を運ぶ。


花街に詳しいのか蓮は先頭に立って迷いがない足取りで進む。
華々しい道を過ぎ薄暗い裏道に入っていった先に頼りなく光る提灯が入口を照らす診療所があった。

その診療所の扉を遠慮なく開き蓮は中に入っていく。



「ワシじゃ、生きてるかオヤジ?」

「誰がオヤジだ、てめぇも十分オッサンだろうが死にぞこない。」


酒焼けしたようなガラガラ声が蓮に言葉を返す。
継ぎ接ぎだらけのボロボロの白衣、ひび割れた眼鏡、不衛生に抜けた髪とボロボロの歯と無精ひげ。
医者とは到底呼べないほどの不衛生な男が不衛生な診療所内で座っていた。


蓮はその男とは顔見知りのようで、3人分のスペースができるように足で雑に掃除して座る。


そういうものなのだろう。
そう直ぐに割り切った藤麻達は蓮の空けたスペースに腰掛ける。



「んで、随分前に出世して花街を離れた男がさえない医者になんのようだ?」


バカでかいため息をついた後に医者はそう言った。

普段来ないやつが来るときは面倒ごとだと相場で決まっている。
医者は諦めたような表情でキセルに火をつけた。


「オヤジの知識と腕を見込んで頼みたい。
最近、すこしずづ話題になっている奇病について。」


蓮の一言に隠す様子もなく医者は驚いた様子で目を見開いた。
パンッと音を響かせて医者は右手で顔を覆う。

そしてそのまま、息を深く吐き出して停止する。


「礼は用意しているし、情報は他には漏らさん。」


蓮はそういうと腰にある袋から数枚の金貨を取り出して医者に渡す。
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