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第4話
第4話 12
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高台につくと、既にのあの侍が刀を携えてたっていた。
得意げな表情で刀を握り2人を見ている。
「肉体特性があるのはお前だけじゃないんだ。
簡単に逃げられると思うなよ。」
チラッと送った視線の先には身軽そうな格好をした剣士がいた。
黒い短い断髪、上は着物のようだが下は袴では無く優もよく履いているズボンだった。
侍のあの様子だと籐麻と同じ足の肉体特性か。
籐麻は、諦めたようにため息をついてシュリを下ろして2本の小太刀を構える。
「良い度胸だな小僧。
…遊んでやれ。」
侍が剣士にそう指示を出すと、剣士は静かに頷いて刀を抜いて走りだした。
様子見なのか、走り出した速度は一般的なものだがそれでも護や優の全速力くらいはある。
籐麻はそれを右手の小太刀で受け流して懐にはいるが、剣士は咄嗟に右足を上げて籐麻の腹を膝で蹴り上げた。
「不用心すぎるぞ、少年。」
剣士は、そのまま膝で押し出すように籐麻を前に飛ばした後にそのまま刀を振り下ろす。
籐麻は、それを小太刀を交差させて受け止めた。
「…シュリ、離れていてくれ。」
「女を庇う気概は買うが、そこは逃げてくれの方がいいんじゃないのか?」
ギリギリと刀を下に押しながら剣士はそう言った。
シュリは、籐麻の言う通り少しずつ下がり始めている。
蹴りを入れる様子もない剣士を見た籐麻は不敵に笑う。
「敵が何人いるか分からないのなら、不用意に分散しないほうがいいと思ったんだ。
あと…あんたも随分と不用心だな。」
籐麻はそういうと、交差させた小太刀を擦り合わせるように押し出し前方に大きな火の塊を発生させた。
驚いた剣士は咄嗟に、大きく跳躍して距離を離す。
咳き込みながらゆっくりと立ち上がった籐麻は、小太刀の刀身の背を擦り合わせて火を発生させて刀身に纏わせた。
【送り火】
籐麻は、両手の小太刀を交互に振って二つの細い火を飛ばす。
剣士は、それを刀で振り払った。
避けようとしなかったのは、後ろに侍がいたらだろう。
籐麻は再び小太刀を擦り合わせて刀身に火を纏わせると剣士に向かって走り出した。
籐麻は、刀身が燃え盛った小太刀2本を力一杯同時に振り下ろす。
剣士はそれを受け流そうとせずに受け止めた。
「なんで俺達を追っかけ回すんだ?
ガキなんてほっとけばいいだろ。」
「俺も本意ではない。
今…花街の重鎮達が次々と謎の病にかかっているのだ。
そんな中で、見知らぬ子供が遊郭にきてるんだ、話を聞かない訳にはいくまい。
上の人間も敵に情報を渡したくないとか、訳の分からないことを言って箝口令をひろげていたりしてるし…。」
剣士はため息をついた。
どうやら、剣士もこの戦いは本意ではないらしい。
得意げな表情で刀を握り2人を見ている。
「肉体特性があるのはお前だけじゃないんだ。
簡単に逃げられると思うなよ。」
チラッと送った視線の先には身軽そうな格好をした剣士がいた。
黒い短い断髪、上は着物のようだが下は袴では無く優もよく履いているズボンだった。
侍のあの様子だと籐麻と同じ足の肉体特性か。
籐麻は、諦めたようにため息をついてシュリを下ろして2本の小太刀を構える。
「良い度胸だな小僧。
…遊んでやれ。」
侍が剣士にそう指示を出すと、剣士は静かに頷いて刀を抜いて走りだした。
様子見なのか、走り出した速度は一般的なものだがそれでも護や優の全速力くらいはある。
籐麻はそれを右手の小太刀で受け流して懐にはいるが、剣士は咄嗟に右足を上げて籐麻の腹を膝で蹴り上げた。
「不用心すぎるぞ、少年。」
剣士は、そのまま膝で押し出すように籐麻を前に飛ばした後にそのまま刀を振り下ろす。
籐麻は、それを小太刀を交差させて受け止めた。
「…シュリ、離れていてくれ。」
「女を庇う気概は買うが、そこは逃げてくれの方がいいんじゃないのか?」
ギリギリと刀を下に押しながら剣士はそう言った。
シュリは、籐麻の言う通り少しずつ下がり始めている。
蹴りを入れる様子もない剣士を見た籐麻は不敵に笑う。
「敵が何人いるか分からないのなら、不用意に分散しないほうがいいと思ったんだ。
あと…あんたも随分と不用心だな。」
籐麻はそういうと、交差させた小太刀を擦り合わせるように押し出し前方に大きな火の塊を発生させた。
驚いた剣士は咄嗟に、大きく跳躍して距離を離す。
咳き込みながらゆっくりと立ち上がった籐麻は、小太刀の刀身の背を擦り合わせて火を発生させて刀身に纏わせた。
【送り火】
籐麻は、両手の小太刀を交互に振って二つの細い火を飛ばす。
剣士は、それを刀で振り払った。
避けようとしなかったのは、後ろに侍がいたらだろう。
籐麻は再び小太刀を擦り合わせて刀身に火を纏わせると剣士に向かって走り出した。
籐麻は、刀身が燃え盛った小太刀2本を力一杯同時に振り下ろす。
剣士はそれを受け流そうとせずに受け止めた。
「なんで俺達を追っかけ回すんだ?
ガキなんてほっとけばいいだろ。」
「俺も本意ではない。
今…花街の重鎮達が次々と謎の病にかかっているのだ。
そんな中で、見知らぬ子供が遊郭にきてるんだ、話を聞かない訳にはいくまい。
上の人間も敵に情報を渡したくないとか、訳の分からないことを言って箝口令をひろげていたりしてるし…。」
剣士はため息をついた。
どうやら、剣士もこの戦いは本意ではないらしい。
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