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第4話
第4話 18
しおりを挟む「籐麻、お前…本当に足が速いな。」
「じゃろう?
ワシ達の自慢の家族じゃ。」
驚くトーロにドヤ顔で言い放つ蓮。
そんな穏やかな空気の中で、いきなり馬車の扉が吹き飛んだ。
ドアが吹き飛んだ入り口からは真っ直ぐに伸びた足が見えた為に中にいる人物が蹴り飛ばしたのだろう。
ゆっくりと中から花街で籐麻と戦った剣士が出てきた。
「ぉーお、やっぱりさっきの少年じゃないか。
さっきぶりだなぁ。」
パァと明るくそういった剣士は、馬車から降りて様子を見ていたトーロを素通りして籐麻に近づいていく。
あの強さだ、狩り人に捕まってしまうなんて事はないだろう。
籐麻は、直ぐに臨戦態勢になる。
「ククク、本当に少年は面白い。
和国の家紋を身につけていたから和国のボンボンかと思っていたが…先の俺との戦いぶりと今俺を睨むその視線。
甘えて育った平和ボケした餓鬼には到底できない。」
籐麻の間合いのギリギリ外まで近づいた後に剣士はパチパチと手を叩いて籐麻を称賛した。
剣士は手を叩くのをやめた後に、体を少し前に傾けて右手を胸に当てて籐麻に向かって微笑む。
「俺の名前は、〝普斎(ふさい)〟。
以後…お見知り置きを。」
普斎は、自己紹介を終えると同時にサイドステップを踏んで移動する。
普斎がいた場所には蓮がトンファーを振り下ろしていた。
クスッと普斎は、蓮を笑って見る。
「武人の自己紹介に茶々をいれるのは、随分と野暮じゃないのか。
速さの守護者殿?」
「武人などと笑わせるな、お前は狩り人なのじゃろ?
人を売り、人を不幸にする者に武人を名乗る資格はない。」
蓮の様子にヤレヤレと首をふる普斎。
そしてつまらなさそうに倒れている狩り人達を眺める。
「狩り人…まぁ、結果としては俺もアレの仲間のようなものだが…一緒にされると心外だな。
俺たちの本来の名は、〝万屋(よろずや)〟。
金さえ貰えれば、あらゆる依頼もこなす仕事人だ。
夫婦喧嘩の仲裁、逃げた子猫の捜索、そして…気になるあの子の情報収集などなんでもこなしてみせましょう。」
「ふざけているのか!」
おちゃらけた様子で話す普斎に蓮は距離を詰めてトンファーを振るが、普斎は僅かな動きで蓮の攻撃を避けていく。
「…まぁ、落ち着けよオッサン。」
埒があかない。
そう思った普斎は、右手のトンファーを左手で蓮の手首を掴むように止め、左手のトンファーを右手で持ち上げた刀の鞘で受け止める。
蓮は相当力をいれていたが、ピクりともうごかない。
勿論、普斎はトーロや籐麻の動きも視野に入れているようでトーロが動こうとするとチラリと視線だけを向ける。
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