134 / 151
第4話
第4話 23
しおりを挟む
オルトについていく藤麻。
藤麻がついているとわかると、藤麻に合わせてオルトは進む速度を速めていく。
「そろそろ敵が見えてくるぞ、気を引き締めろよ藤麻。」
オルトに言われて藤麻は2本の小太刀を握る。
目を凝らして前を見ると、こちらに向かって走る人影が見えた。
暗いこともあり正確な人数までは見えず、人数はもしかしたら人違いなのかも…。
そんな事を考えていると、人影の1つから何かが飛んできた。
それがナイフだったのは、オルトが弾いてから気が付いた。
いつの間にかオルトの両手に黒い棒が握られている。
「安心しろ、人違いじゃない。
さぁ、思い切りいくぞ!」
オルトは特に藤麻に注意する訳でもなく何事もなかったかのようにそう言って、更に足を速める。
情けない、さっそく足を引っ張った。
一瞬だけそう反省すると、気を取り直し思い切り駆けだす。
オルトを追い越し、自分に投擲したと思われる人影を斬った。
ここまできたら自分でもわかる、全員狩り人だ。
自分の目でも確認出来たら遠慮して強張っていた腕の緊張が解ける。
先ずは、最初に斬った狩り人にトドメをさすように2本の小太刀を振り下ろす。
「俺も負けてられないな。」
大振りな攻撃の後で隙だらけになった藤麻をフォローするように近場の狩り人を右手の棒で殴る。
そしてすぐに両手の棒を連結させて長い一本の棒にすると地面を擦るように狩り人に向かって振り上げた。
地面を擦った棒の先には薙刀のような刃が付いていて、それで狩り人を斬り裂く。
「藤麻、敵はあと3人だ。
一気に決めるぞ!」
斬り裂いた狩り人を蹴り飛ばしてそう言ったオルトは、次の狩り人に向かって駆けだして薙刀に変化させた棒で叩き斬った。
そこ声に答えるように藤麻は小太刀を擦り刀身に火を纏わせて、近くにいる狩り人を斬る。
残り1人。
分が悪いと思ったのか、残った狩り人は背を向けて逃げだした。
「おいおい、逃げるくらいなら始めから追いかけるなよな。」
【厭離穢土(えんりえど)】
【送り火】
オルトは薙刀を大きく振っての刃を飛ばし狩り人の頭部を貫き、藤麻は刀身に纏わせた火を飛ばし狩り人の背中に当たると爆発する。
オーバーキルともいえる攻撃が当たるとオルトは藤麻に近づいて右手で頭を優しくグリグリする。
「やったな藤麻、助かったぞ。
はっはっは。」
楽しそうに笑うオルトを他所に藤麻は自分の飛ばした火が周りに燃え移っていないことに安堵するように深く息を吐きだした。
藤麻の頭をグリグリするのに満足したオルトは、その場で待っているように藤麻に指示をだした後に狩り人達の亡骸を調べ始める。
藤麻がついているとわかると、藤麻に合わせてオルトは進む速度を速めていく。
「そろそろ敵が見えてくるぞ、気を引き締めろよ藤麻。」
オルトに言われて藤麻は2本の小太刀を握る。
目を凝らして前を見ると、こちらに向かって走る人影が見えた。
暗いこともあり正確な人数までは見えず、人数はもしかしたら人違いなのかも…。
そんな事を考えていると、人影の1つから何かが飛んできた。
それがナイフだったのは、オルトが弾いてから気が付いた。
いつの間にかオルトの両手に黒い棒が握られている。
「安心しろ、人違いじゃない。
さぁ、思い切りいくぞ!」
オルトは特に藤麻に注意する訳でもなく何事もなかったかのようにそう言って、更に足を速める。
情けない、さっそく足を引っ張った。
一瞬だけそう反省すると、気を取り直し思い切り駆けだす。
オルトを追い越し、自分に投擲したと思われる人影を斬った。
ここまできたら自分でもわかる、全員狩り人だ。
自分の目でも確認出来たら遠慮して強張っていた腕の緊張が解ける。
先ずは、最初に斬った狩り人にトドメをさすように2本の小太刀を振り下ろす。
「俺も負けてられないな。」
大振りな攻撃の後で隙だらけになった藤麻をフォローするように近場の狩り人を右手の棒で殴る。
そしてすぐに両手の棒を連結させて長い一本の棒にすると地面を擦るように狩り人に向かって振り上げた。
地面を擦った棒の先には薙刀のような刃が付いていて、それで狩り人を斬り裂く。
「藤麻、敵はあと3人だ。
一気に決めるぞ!」
斬り裂いた狩り人を蹴り飛ばしてそう言ったオルトは、次の狩り人に向かって駆けだして薙刀に変化させた棒で叩き斬った。
そこ声に答えるように藤麻は小太刀を擦り刀身に火を纏わせて、近くにいる狩り人を斬る。
残り1人。
分が悪いと思ったのか、残った狩り人は背を向けて逃げだした。
「おいおい、逃げるくらいなら始めから追いかけるなよな。」
【厭離穢土(えんりえど)】
【送り火】
オルトは薙刀を大きく振っての刃を飛ばし狩り人の頭部を貫き、藤麻は刀身に纏わせた火を飛ばし狩り人の背中に当たると爆発する。
オーバーキルともいえる攻撃が当たるとオルトは藤麻に近づいて右手で頭を優しくグリグリする。
「やったな藤麻、助かったぞ。
はっはっは。」
楽しそうに笑うオルトを他所に藤麻は自分の飛ばした火が周りに燃え移っていないことに安堵するように深く息を吐きだした。
藤麻の頭をグリグリするのに満足したオルトは、その場で待っているように藤麻に指示をだした後に狩り人達の亡骸を調べ始める。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
親友面した女の巻き添えで死に、転生先は親友?が希望した乙女ゲーム世界!?転生してまでヒロイン(お前)の親友なんかやってられるかっ!!
音無砂月
ファンタジー
親友面してくる金持ちの令嬢マヤに巻き込まれて死んだミキ
生まれ変わった世界はマヤがはまっていた乙女ゲーム『王女アイルはヤンデレ男に溺愛される』の世界
ミキはそこで親友である王女の親友ポジション、レイファ・ミラノ公爵令嬢に転生
一緒に死んだマヤは王女アイルに転生
「また一緒だねミキちゃん♡」
ふざけるなーと絶叫したいミキだけど立ちはだかる身分の差
アイルに転生したマヤに振り回せながら自分の幸せを掴む為にレイファ。極力、乙女ゲームに関わりたくないが、なぜか攻略対象者たちはヒロインであるアイルではなくレイファに好意を寄せてくる。
王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~
由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。
両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。
そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。
王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。
――彼が愛する女性を連れてくるまでは。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる