コバナシ

鷹美

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第4話 

第4話 23

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オルトについていく藤麻。
藤麻がついているとわかると、藤麻に合わせてオルトは進む速度を速めていく。


「そろそろ敵が見えてくるぞ、気を引き締めろよ藤麻。」


オルトに言われて藤麻は2本の小太刀を握る。
目を凝らして前を見ると、こちらに向かって走る人影が見えた。

暗いこともあり正確な人数までは見えず、人数はもしかしたら人違いなのかも…。
そんな事を考えていると、人影の1つから何かが飛んできた。

それがナイフだったのは、オルトが弾いてから気が付いた。
いつの間にかオルトの両手に黒い棒が握られている。


「安心しろ、人違いじゃない。
さぁ、思い切りいくぞ!」


オルトは特に藤麻に注意する訳でもなく何事もなかったかのようにそう言って、更に足を速める。

情けない、さっそく足を引っ張った。
一瞬だけそう反省すると、気を取り直し思い切り駆けだす。


オルトを追い越し、自分に投擲したと思われる人影を斬った。

ここまできたら自分でもわかる、全員狩り人だ。
自分の目でも確認出来たら遠慮して強張っていた腕の緊張が解ける。

先ずは、最初に斬った狩り人にトドメをさすように2本の小太刀を振り下ろす。



「俺も負けてられないな。」


大振りな攻撃の後で隙だらけになった藤麻をフォローするように近場の狩り人を右手の棒で殴る。
そしてすぐに両手の棒を連結させて長い一本の棒にすると地面を擦るように狩り人に向かって振り上げた。


地面を擦った棒の先には薙刀のような刃が付いていて、それで狩り人を斬り裂く。



「藤麻、敵はあと3人だ。
一気に決めるぞ!」


斬り裂いた狩り人を蹴り飛ばしてそう言ったオルトは、次の狩り人に向かって駆けだして薙刀に変化させた棒で叩き斬った。

そこ声に答えるように藤麻は小太刀を擦り刀身に火を纏わせて、近くにいる狩り人を斬る。


残り1人。
分が悪いと思ったのか、残った狩り人は背を向けて逃げだした。



「おいおい、逃げるくらいなら始めから追いかけるなよな。」



【厭離穢土(えんりえど)】

【送り火】


オルトは薙刀を大きく振っての刃を飛ばし狩り人の頭部を貫き、藤麻は刀身に纏わせた火を飛ばし狩り人の背中に当たると爆発する。

オーバーキルともいえる攻撃が当たるとオルトは藤麻に近づいて右手で頭を優しくグリグリする。


「やったな藤麻、助かったぞ。
はっはっは。」




楽しそうに笑うオルトを他所に藤麻は自分の飛ばした火が周りに燃え移っていないことに安堵するように深く息を吐きだした。

藤麻の頭をグリグリするのに満足したオルトは、その場で待っているように藤麻に指示をだした後に狩り人達の亡骸を調べ始める。


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