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第4話
しおりを挟むふと、視線を戻すと人の流れという川に阻まられ遠くで切なそうな表情をしてコチラを見ているオオダが立っていた。
色んな事があり、彼女も限界だったのだろう。
ミナトの脳裏に浮かんだのはしまったと言う焦りだった。
「ごめんて、オオダドン。
別にワザと止まったわけじゃないから!」
駆け足で彼女の元にいくミナト。
しかし、ミナトの反応とは異なりツボに入ったのかアキはゲラゲラ笑っている。
火に油を注いでんじゃ無いよ!
そんか焦りを込めた視線をミナトはアキに送った。
アキは笑い終わった後に、目に少し滲んだ涙を右手の指で拭ってオオダの手をとる。
「ごめんごめん。
ほら、本当に遅れるから行きましょ。」
子供の手を引くようにアキは、オオダの手を握り進む。
既にバスは到着しており、発車時間まで待機している状態だった。
出発まで後、十分くらいだろうか。
すこし慌てて3人はバスに乗り込りこみ席に座る。
荷物を上にあげて席に座った頃に、運転手が注意事項と停車する場所についてのアナウンスを始めた。
やや長めの注意事項を言い終えると発車しますの一言の後にピーっという音と一緒にバスの扉が閉まる。
大きなバスターミナルが始発のバスに乗る機会が少ない一行は、なんだか空港に来たような機械的な建物から出ていく様子に僅かながらの興奮を抱きながら窓の外を眺めた。
美味しい珈琲と御飯代わりの間食を片手に風景は進んでいく。
高速道路を通ったこともあり、大体1時間半位で登別に到着した。
室蘭と言うワードにヒヤッとしたものの無事に下車ができた一行は背伸びをしながら大きく息を吸う。
強烈な硫黄の香りに慣れていないアキは、ゴホゴホと大きく咳をした。
「おや、アキは硫黄の香りはお嫌い?」
「いや、慣れてないだけ。
子供の頃に一回行ったきりだから…ってなんでミナト達は平気そうなの!?」
アキは咳が落ち着くと少し涙を溜めて2人を眺める。
先程の心のダメージが治ったのか、アキからやや高所の場所にいるオオダは大きく胸を張りドヤ顔で見下ろし始めた。
「ふふふ、温泉に愛されたウチにはこんな匂いへっちゃらよぉ!」
「ちょっとなんて言っている分かりませんねぇ。」
硫黄の匂いから立ち直ったアキはオオダのおでこをツンとついてそう言った。
バスターミナルで長々とじゃれている訳にもいかない。
3人は、荷物を背負い直して温泉街の中心に向かって歩き始める。
地元の銭湯のような所の他に道中で薬局やコンビニ等があり和風な雰囲気を損なわない少しだけ新しい感じの街並みだった。
冒険心がくすぶっていくのを抑えて3人は荷物を置きに予約したホテルに向かう。
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