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第5話
しおりを挟む3人の取った宿は、バスターミナルのほぼ向かいと言って良いほどのかなり近い場所にあった。
少しずつ早めについてしまったことを、詫びつつ3人はホテルのチェックインを済ませていく。
温泉宿はやはり、和室に限る。
一人暮らし用のアパートやマンションだと手入れに困る畳などは中々お目にかかれない。
畳の青々しい香りを堪能しながらミナトとオオダは窓の外を眺めた。
とはいえ、景色を重視したような部屋を頼んでない為に窓から見えるのは少し下の景色が見える程度の面白みのないものだった。
「紅葉とかの日だったらよかったんだけどね。」
「今回の目的は温泉だし、私は別に…って感じかしら。
ほら、寒くならない内に外の散策でもしましょ。」
アキは、窓を眺めている2人を見ながらそういう。
手をパンパンと叩きながら言うその様は、まるで母のようだ。
「分かったよ、ママ。」
「誰がママじゃ、チンチク…おチビさん。」
思わずチンチクリンと言いそうになったが、オオダは背は低いものの出てる所はしっかり出ている為に忌々しそうに言い直した。
酷い肩こりに襲われればいたのに…などとチッと舌打ちをして念を送りながらミナト達の後に続くように部屋をでる。
3人が持ったのは日帰り温泉用で持参したバスタオルとフェイスタオルの一枚ずつと使用済みの濡れたタオルをしまう為に用意したビニール袋。
念願のお風呂に表情を綻ばせて坂道を駆け上がるオオダ。
登別温泉街は坂道ばかりで自転車で移動したら死にそうだなーっとミナトがぼーっと考えていると日帰り専門の銭湯のような所が目に入った。
紫色の暖簾と大きな鬼の石像がかなり目立っている。
他のホテルの日帰り温泉に入るのもいいが、ここも良さそうだ。
「オオダドーン、戻っておいで。」
先に進みすぎているオオダを呼び戻して3人は、紫色の暖簾をくぐりなかに入った。
利用料はなんと、ワンコイン。
アメニティー無し、ドライヤーも有料とはなるが…それを差し引いても安い。
体はシャワーのみで丁寧に洗えばいいとして…ドライヤーは少し困る。
ミナトは、サイドポニーを解けばそこそこの長さだしアキも髪は長い。
困らないのは、そこで探索に勤しむオオダくらいだろう。
まぁ、入ってから考えるか。
ミナトとアキはそう結論を出すと、先に進んでいるオオダの後を追うように歩く。
この場所は入館料とは別に一日券があり有料の休憩所を含み1日中この施設を堪能できるもののようだ。
それでも700円位で安いのだが…今回は、他に宿を取っている為に入館料のみで利用する。
無料の休憩所もあり、有料は雑魚寝ができるような大きな部屋で無料の方は健康ランドみたいに皆で座るような大きなテーブルや椅子、有料のマッサージチェアがあった。
窓からは、日本庭園のような雰囲気な景色が見えて掛け軸を思わせるような模様の細めの暖簾が飾られている。
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