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第13話
しおりを挟むミナトに続いて他の2人も手を合わせて頂きますと言うとそれぞれ持ってきた食事に手をつけていく。
面白い事に蟹足を持ってきてるものは誰もいない。
「おん、誰も蟹食べへんの?」
キョトンとした様子でオオダは、2人を交互に見る。
2人は少し考えた素振りを見せた後に、ミナトから口を開いた。
「剥きやすく処理されてるっていっても殻を剥くのがめんどくさい。」
「私も手が荒れやすいから、殻付きの奴は食べないわね。」
2人は、そう答えた後にじゃあお前は?と言わんばかりの視線を送る。
「ウチは…昔のバイトで散々殻を剥いたからね。」
何処か憂鬱そうな表情を見せてそう言った。
仕事で剥くとなるとかなりの量を手がけてきたのだろう、それは剥きたくはないな。
「ほら、蟹だけが主役じゃないわ。
どんどん食べましょ。」
「え、私はもうデザート行く予定なんだけど。」
勢いよく振り上げた手を挙げたままアキは少し悲しそうな表情でミナトを見る。
そんな視線を無視しつつ、ミナトはデザートコーナーに向けて足を進めた。
「デザートは、何があるんじゃろーな。」
オオダもウッキウキでミナトの後ろをついていく。
デザートコーナーは、小さめなのだが…宝石の様に並べられた果物や、ケーキ屋さんのように綺麗に並べられているケーキがあった。
お菓子の類が好きなミナトにとってはかなり嬉しいコーナーとなっている。
「流石にこれだけあると迷うね。
ねぇ、オオダ?」
チラリとオオダに視線を送るミナトなのだが、彼女の表情は絶望に打ち震えていた。
彼女はアレルギー持ちで、食べれる果物が少ないのだ。
りんごや黄桃やブルーベリー等、オオダが食べれない物ばかり、しかも後天性のアレルギーのようで昔は食べれたのだ。
悲しい事に食べれなくなった殆どは好きなものだったらしい。
「ミナト…ウチには、ここは地獄に見える。」
「ここは、地獄谷とは違うで。」
ミナトは悲しみに震えるオオダの為に色々と食べれそうなのを探してみた。
すると、唯一食べれる苺を使ったデザートを発見。
苺のショート。
生の苺が乗っかっているものではないが…十分だろう。
それによくみてみると、ケーキの方はオオダが食べれそうなのが結構あった。
コーヒー風味のロールケーキや、お馴染みのシュークリーム等。
機嫌を直したオオダは、ミナトの後をついていくように食べれるケーキを取って席に戻る。
アキも直ぐにデザートを取っていき、紅茶を飲んで一呼吸置いた。
ふぅーっと息を吐き出した後にアキは口を開く。
「そろそろ部屋に戻って温泉いきましょ。」
「「はーい、ママ。」」
返答しながら先に向かう2人にクッ…と反応した後に、アキはテーブルの上にあるカードをひっくり返して食事済みと記載された面を上にしてテーブルを離れた。
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