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第16話
しおりを挟む体をゆっくりと伸ばしたアキは、ミナト達にチラリと視線を送る。
ミナト達の頭にはもれなく四角く折りたたまれたフェイスタオルが乗せられていた。
勿論、自分も乗せているのだが…とアキはピーンと何かを思い出す。
「そういえば、ミーちゃん達はタオルを頭に乗せてるけどそれに意味があるのって知ってた?」
アキは、ニカッと笑いながらそう言った。
オオダもアキと一緒にミナトを見るが…ミナトは思いつかないようで腕を組んでウーンと頭を悩ませる。
そして、オオダはアキと目を合わせるとフッ…と何かを悟ったように鼻で笑う。
「それは、ウチらのソウルに刻まれた記憶が無意識のうちに…。」
「違う。」
オオダの話が終わるのを待つ気はないようで、話の途中で被せるようにそう言い放つ。
ミナトはなるほど…と言わんばかりの表情で両手をポンと叩く。
「ミーちゃんも、納得しているような顔をしてるけど違うからね。」
意味不明にチッ…と悔しそうにしているミナトの姿に頭を抱えた後にアキは口を開いた。
「お風呂の時に頭の上にタオルを乗せるのは、のぼせるのを防ぐためらしいわ。
ただ、乾いたタオルだと意味がないけれども。」
「ぁあ、なんか聞いた事ある。
冬の露天風呂だとやったらいけないとかなんとか。」
オオダも知っていた情報らしく、話に乗ってきた。
アキも知っているとは思わなかったようで、少し嬉しそうな様子で彼女を見る。
「あら、オーちゃんも知っているのね。
のぼせるのを防ぐには、頭に集中した血液を分散させるために冷たいタオルじゃないとダメだから冬の外でやるのは危険なのだけど…その時は冷たくしたタオルじゃなくて温めたタオルならいいんだって。」
「ほーん、血液の分散が目的なら乗せる時は頭全体を覆わなくちゃダメなのかな?」
サラサラとそんな事が出てくる2人にミナトはぽかんとした顔をする。
自分に学がないだけで、皆はこういう事を知っているものなのだろうか?
「え、2人はどこで情報を仕入れるの?」
ミナトの発言でやっと彼女がポカンとした表情なのに気が付く2人。
「なんも、気になったから軽く調べただけ。
今だったらネットが発達しているし…それくらいなら簡単に調べられるわ。」
「ウチもそんな感じ。
温泉協会の運営しているサイトなら旅館の情報も含めてソコソコに情報があるで。
なんなら、温泉旅行の参考にまでしてるよ。」
好奇心とその行動力に驚くミナト。
2人の行動力がすごいのか、自分が無関心すぎるのか分からないがしょんぼりしたような気持ちでミナトはタオルで顔を覆う。
次の温泉旅行行くまでには見なければなどと思いながら。
「ほら、いじけないのミーちゃん。
あまり長風呂しても脱水症状になるし、そろそろ上がって部屋で休みましょ。」
「よっし、お酒のターイム!」
アキの一声に嬉しそうにお風呂から立ち上がるオオダ。
オオダがアキにいきなり立ち上がるのと、しっかりと水分補給をするようにとしっかりと釘を刺された後に3人は脱衣所に戻っていく。
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