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最初の木曜日
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笹井がマンションまで着くと、ちょうど掛川も出てきた。笹井に気付き笑みを浮かべる姿さえ、絵になってしまう。
「そのシャツいいね。似合ってる」
「あ、ありがとう」
笹井は褒められ照れるが、ふと不安になる。絵になる掛川と不釣り合いな自分が一緒で大丈夫なのだろうか、その前に自分がカフェに入ってもいいのだろうか、と。
「どした? 忘れ物でもした?」
「なんでもないよ。行こう」
折角の機会なのだから楽しまなくてはと、気持ちを切りかえた。自分は、空気。他人に存在すら気付かれないのだから、人目を気にしなくても大丈夫だと言い聞かせる。
バス停は掛川の家を過ぎた少し先にある。
「このバス停よく使うの?」
掛川の問いに首を振る。
「あまり……ご褒美の日くらい」
「ご褒美の日?」
聞き返され、変な事を言ったかと少し声が小さくなる。
「時々……ほんと、時々なんだけど、映画や美術館に……」
「笹井のご褒美お洒落だな」
「そ、そんな事ないよ」
バスを降り、掛川の顔を見ることもなく、歩きながら笹井は説明した。
「今日の目的地は、フルーツたっぷりのスイーツが、少し前に話題になったんだ。紅茶も、種類があってメニューを見るだけでも、楽しめそうだよ」
掛川とほんの少し距離を取って歩き、なるべく平常心でいることを心掛けた。そうでなければ、ニヤけていたり赤くなりそうだった。
「甘いの好きなんだ」
掛川のつぶやきに笹井は、はっとする。
「もしかして、甘いのは、苦手?」
そこは計算に入れてなかったと焦り、立ち止まる。
「いや、むしろ好物」
掛川の答えに安堵して、胸を撫で下ろす。そして、時差で疑問が湧いてきた。
「何で……つぶやいたの?」
「笹井がなんか嬉しそうだし、笹井データに甘いのが好きってインプットしてただけ。苦手なスイーツとかもある?」
「んー……ココナッツのスイーツは、苦手なほう……じゃなくて、『笹井データ』って、何?」
「おっ、ノリツッコミまでやってくれるとはっ! 笹井データは、俺の中に蓄積される笹井の存在だよ」
掛川は嬉しそうに言うが、笹井は苦手なスイーツの答えを考え、『笹井データ』という言葉に反応が遅れただけだった。
「俺はドライレーズンが少し苦手」
掛川も苦手を告白した。
「ドライレーズンだね。俺も覚えておく。あっ、ここ、このお店だよ」
コンクリート打ちっぱなしの外壁に青い扉。木製の小さな看板は、あまりにも控えめで、危うく通り過ぎるところだった。
案内された店内奥の席は、縦長の窓から小さな庭が見える。ブリキ缶や木箱にこんもりと小花が咲き誇っていた。
向かい合わせで座った掛川は、メニューを開くと笹井に向ける。
「ゆっくり捲るから一緒に見ようよ」
「うん」
笹井は季節のフルーツタルトとダージリンティーを注文し、掛川は、フルーツたっぷりのゼリーとおすすめされたセイロンレモンティーを頼んだ。注文が済むと掛川は店内に目を向ける。
「笹井は良く来るの?」
「実は……」
笹井は身を乗り出し、少し声を落とす。
「カフェに来るのも、初めてなんだ」
「何で小声?」
掛川も小声で返して笑う。
「可愛い雰囲気のお店だね。笹井の好み?」
掛川の問いに笹井は頬を染めて俯く。
「えっと、か、掛川くんが……」
「俺?」
「掛川くんが、この空間に居る、のを、見たかった、です」
しばしの沈黙に心臓が押しつぶされそうになった笹井は、こわごわと掛川を見る。
「なら、ちゃんと見てよ笹井」
後光すら見えるほどの美しく優しい笑顔に、笹井は口を開いたまま固まる。
「笹井?」
「ありがとうございます」
掛川に名前を呼ばれ、深々と頭を下げた。
「え? 何? 何に対するお礼?」
掛川は戸惑う。
注文した品がテーブルに並ぶと笹井は嬉しくなる。
綺麗と言う掛川の言葉に頷く。
「食べるのもったいない感じ」
「でも、食べなきゃもったいないよ」
掛川の返しに笹井は笑う。
「そうだね」
二人は「いただきます」と揃って頭を下げた。
始終幸せな笹井は店を出ても余韻で満たされていた。タルトも美味しかった。スイーツを食べる掛川と向かい合わせで、視覚も満足だった。会話もちゃんとできたし、夢の中にいるみたいだった。
「美味しかったな」
何より掛川も満足してくれた様子で、それも嬉しい。
「うん。美味しかった」
「笹井、その……」
「うん?」
「嫌じゃなかったら、連絡先、教えてくれる? 待ち合わせとかに必要だと思うから」
「あ、そうだよね」
笹井は慌てて鞄をあさる。今度はちゃんと入っていた。
連絡先を交換した後、掛川は心からほっとした声を出した。
「良かった。俺、拒否られたのかと思った」
「えっ、そそそ、そんな訳ないよ。本当に、持ち歩く癖がなくて……ごめんなさい」
笹井は頭を下げる。
「そっか、木曜日だけでも持ってね」
「うん、忘れないようにします」
笹井は、画面に映る掛川の名前に感動していた。しばらくして我に返り、掛川を見る。
「ありがとう、掛川くん。俺、なんかがこんな、沢山、嬉しい日になった。幸せです」
思った事をすぐに伝えようとして、笹井はおかしな文章を喋ったなと思う。
「うん、俺も嬉しい日だよ」
掛川はそんな笹井の言葉を受け入れた。それも嬉しくて、嬉しすぎた笹井は、目も口もぎゅっと閉じる。
「えっと、それはどういう感情?」
掛川の言葉に照れながら笑う。
「嬉しさを、逃さないように、したのかも」
「じゃあ俺も」
掛川も真似て、目と口をぎゅっと閉じるので、二人して笑ってしまう。
「ありがとう、掛川くん」
笹井は言って、ひと呼吸置く。
「また、木曜日に」
頭を下げると掛川に背を向け、歩き出す。
――このままだと、まだ一緒に居たいと願ってしまう……掛川くんの時間を奪ってはいけない
だが、掛川も付いて来た。
「この後はどこへ?」
笹井は驚いて立ち止まり、少しの間を開けて答える。
「えっと、向こうの古本屋さん」
笹井は前方を指す。
「近いの?」
「う、うーん。少し歩く、かな」
「行こうか」
先に歩き出す掛川に慌てる。バス停とは逆方向に進むからだ。
「え、でも、掛川くんまで、無理には……」
「俺も行くよ」
専門的な本が多い古本屋らしく、興味のない人にはつまらないかもしれないと、笹井は戸惑う。レビューにも漫画もなく謎の本ばかりと書き込みがあったくらいだ。
「で、でも楽しいか、わかんないよ?」
焦る笹井と対象的に掛川が笑顔を向ける。
「それは俺が決めるから大丈夫」
笹井は、すっかり本に没頭していた。
ヨーロッパの街並みや洋館の写真集、カフェやパン屋の店内が紹介された分厚い内装本を捲り、どれも気になったが高価すぎて、ため息と共に全て棚へと戻す。ふと我に返り、掛川も一緒だったことを思い出した。慌てて棚の間を探し、本に目を落とす掛川を見つける。
「掛川くん、ごめんなさい。本に夢中になってしまって……」
「いや、いいよ。俺も見たことない本が沢山で正直驚いて、夢中になってた」
掛川は手にしていた本を棚に戻す。
外に出て、笹井はため息をつく。
「ホントにごめんなさい。本の世界にどっぷりつかっていました」
「俺もだよ。たまにはこういう本屋もいいね。世界が広がったよ。また来よう」
笹井は、掛川の言葉に楽しんでもらえたのなら良かったと、心から思った。
そして、古本屋で本を捲る掛川の姿を見逃した事に気付く。だが、本を戻す仕草は目撃した。それを思い出すだけで口元が緩む。
「何?」
「あ、いや……うん。か、掛川くんも楽しめたなら良かったなーと、思って」
うんうんと悟られないように笹井は頷く。
「笹井、俺の事、呼び捨てで良いよ」
「えっ」
「せっかく一緒に出かけても距離あるみたいに感じるし。掛川って呼んでみて」
「え……な、なんか、悪いよ」
――友達でもないのに、呼び捨てにしたら勘違いしてしまう
笹井はもごもごと口ごもる。
「じゃあ、脩ちゃんって呼ぶ?」
さらにハードルが上がった。
「ごめんなさい、掛川くん。か、掛川って呼びます」
――木曜日だけ、木曜日だけだから勘違いしない
笹井は自分に言い聞かせる。
「酷いなぁ。修ちゃんのが良かったなぁ」
そう言いながらも掛川は、嬉しそうにしている。
帰宅してすぐに、『今日はありがとう』と掛川からのメッセージが届く。嬉しくて何度も読み返して言葉を返す。
翌朝いつもの様に倉田と話していると、掛川が話題に入ってきた。目が合うと微笑みを向けられ俯いてしまうが、今までと違う嬉しさで満たされる。
この日も帰宅すると『学校ではゆっくり話せそうにないね』と掛川からメッセージが届いていた。あれこれ考え、『今まで通りで大丈夫です』と正座したまま送信する。友だちではないのだから、学校ではいつも通りで良いと思った。
「そのシャツいいね。似合ってる」
「あ、ありがとう」
笹井は褒められ照れるが、ふと不安になる。絵になる掛川と不釣り合いな自分が一緒で大丈夫なのだろうか、その前に自分がカフェに入ってもいいのだろうか、と。
「どした? 忘れ物でもした?」
「なんでもないよ。行こう」
折角の機会なのだから楽しまなくてはと、気持ちを切りかえた。自分は、空気。他人に存在すら気付かれないのだから、人目を気にしなくても大丈夫だと言い聞かせる。
バス停は掛川の家を過ぎた少し先にある。
「このバス停よく使うの?」
掛川の問いに首を振る。
「あまり……ご褒美の日くらい」
「ご褒美の日?」
聞き返され、変な事を言ったかと少し声が小さくなる。
「時々……ほんと、時々なんだけど、映画や美術館に……」
「笹井のご褒美お洒落だな」
「そ、そんな事ないよ」
バスを降り、掛川の顔を見ることもなく、歩きながら笹井は説明した。
「今日の目的地は、フルーツたっぷりのスイーツが、少し前に話題になったんだ。紅茶も、種類があってメニューを見るだけでも、楽しめそうだよ」
掛川とほんの少し距離を取って歩き、なるべく平常心でいることを心掛けた。そうでなければ、ニヤけていたり赤くなりそうだった。
「甘いの好きなんだ」
掛川のつぶやきに笹井は、はっとする。
「もしかして、甘いのは、苦手?」
そこは計算に入れてなかったと焦り、立ち止まる。
「いや、むしろ好物」
掛川の答えに安堵して、胸を撫で下ろす。そして、時差で疑問が湧いてきた。
「何で……つぶやいたの?」
「笹井がなんか嬉しそうだし、笹井データに甘いのが好きってインプットしてただけ。苦手なスイーツとかもある?」
「んー……ココナッツのスイーツは、苦手なほう……じゃなくて、『笹井データ』って、何?」
「おっ、ノリツッコミまでやってくれるとはっ! 笹井データは、俺の中に蓄積される笹井の存在だよ」
掛川は嬉しそうに言うが、笹井は苦手なスイーツの答えを考え、『笹井データ』という言葉に反応が遅れただけだった。
「俺はドライレーズンが少し苦手」
掛川も苦手を告白した。
「ドライレーズンだね。俺も覚えておく。あっ、ここ、このお店だよ」
コンクリート打ちっぱなしの外壁に青い扉。木製の小さな看板は、あまりにも控えめで、危うく通り過ぎるところだった。
案内された店内奥の席は、縦長の窓から小さな庭が見える。ブリキ缶や木箱にこんもりと小花が咲き誇っていた。
向かい合わせで座った掛川は、メニューを開くと笹井に向ける。
「ゆっくり捲るから一緒に見ようよ」
「うん」
笹井は季節のフルーツタルトとダージリンティーを注文し、掛川は、フルーツたっぷりのゼリーとおすすめされたセイロンレモンティーを頼んだ。注文が済むと掛川は店内に目を向ける。
「笹井は良く来るの?」
「実は……」
笹井は身を乗り出し、少し声を落とす。
「カフェに来るのも、初めてなんだ」
「何で小声?」
掛川も小声で返して笑う。
「可愛い雰囲気のお店だね。笹井の好み?」
掛川の問いに笹井は頬を染めて俯く。
「えっと、か、掛川くんが……」
「俺?」
「掛川くんが、この空間に居る、のを、見たかった、です」
しばしの沈黙に心臓が押しつぶされそうになった笹井は、こわごわと掛川を見る。
「なら、ちゃんと見てよ笹井」
後光すら見えるほどの美しく優しい笑顔に、笹井は口を開いたまま固まる。
「笹井?」
「ありがとうございます」
掛川に名前を呼ばれ、深々と頭を下げた。
「え? 何? 何に対するお礼?」
掛川は戸惑う。
注文した品がテーブルに並ぶと笹井は嬉しくなる。
綺麗と言う掛川の言葉に頷く。
「食べるのもったいない感じ」
「でも、食べなきゃもったいないよ」
掛川の返しに笹井は笑う。
「そうだね」
二人は「いただきます」と揃って頭を下げた。
始終幸せな笹井は店を出ても余韻で満たされていた。タルトも美味しかった。スイーツを食べる掛川と向かい合わせで、視覚も満足だった。会話もちゃんとできたし、夢の中にいるみたいだった。
「美味しかったな」
何より掛川も満足してくれた様子で、それも嬉しい。
「うん。美味しかった」
「笹井、その……」
「うん?」
「嫌じゃなかったら、連絡先、教えてくれる? 待ち合わせとかに必要だと思うから」
「あ、そうだよね」
笹井は慌てて鞄をあさる。今度はちゃんと入っていた。
連絡先を交換した後、掛川は心からほっとした声を出した。
「良かった。俺、拒否られたのかと思った」
「えっ、そそそ、そんな訳ないよ。本当に、持ち歩く癖がなくて……ごめんなさい」
笹井は頭を下げる。
「そっか、木曜日だけでも持ってね」
「うん、忘れないようにします」
笹井は、画面に映る掛川の名前に感動していた。しばらくして我に返り、掛川を見る。
「ありがとう、掛川くん。俺、なんかがこんな、沢山、嬉しい日になった。幸せです」
思った事をすぐに伝えようとして、笹井はおかしな文章を喋ったなと思う。
「うん、俺も嬉しい日だよ」
掛川はそんな笹井の言葉を受け入れた。それも嬉しくて、嬉しすぎた笹井は、目も口もぎゅっと閉じる。
「えっと、それはどういう感情?」
掛川の言葉に照れながら笑う。
「嬉しさを、逃さないように、したのかも」
「じゃあ俺も」
掛川も真似て、目と口をぎゅっと閉じるので、二人して笑ってしまう。
「ありがとう、掛川くん」
笹井は言って、ひと呼吸置く。
「また、木曜日に」
頭を下げると掛川に背を向け、歩き出す。
――このままだと、まだ一緒に居たいと願ってしまう……掛川くんの時間を奪ってはいけない
だが、掛川も付いて来た。
「この後はどこへ?」
笹井は驚いて立ち止まり、少しの間を開けて答える。
「えっと、向こうの古本屋さん」
笹井は前方を指す。
「近いの?」
「う、うーん。少し歩く、かな」
「行こうか」
先に歩き出す掛川に慌てる。バス停とは逆方向に進むからだ。
「え、でも、掛川くんまで、無理には……」
「俺も行くよ」
専門的な本が多い古本屋らしく、興味のない人にはつまらないかもしれないと、笹井は戸惑う。レビューにも漫画もなく謎の本ばかりと書き込みがあったくらいだ。
「で、でも楽しいか、わかんないよ?」
焦る笹井と対象的に掛川が笑顔を向ける。
「それは俺が決めるから大丈夫」
笹井は、すっかり本に没頭していた。
ヨーロッパの街並みや洋館の写真集、カフェやパン屋の店内が紹介された分厚い内装本を捲り、どれも気になったが高価すぎて、ため息と共に全て棚へと戻す。ふと我に返り、掛川も一緒だったことを思い出した。慌てて棚の間を探し、本に目を落とす掛川を見つける。
「掛川くん、ごめんなさい。本に夢中になってしまって……」
「いや、いいよ。俺も見たことない本が沢山で正直驚いて、夢中になってた」
掛川は手にしていた本を棚に戻す。
外に出て、笹井はため息をつく。
「ホントにごめんなさい。本の世界にどっぷりつかっていました」
「俺もだよ。たまにはこういう本屋もいいね。世界が広がったよ。また来よう」
笹井は、掛川の言葉に楽しんでもらえたのなら良かったと、心から思った。
そして、古本屋で本を捲る掛川の姿を見逃した事に気付く。だが、本を戻す仕草は目撃した。それを思い出すだけで口元が緩む。
「何?」
「あ、いや……うん。か、掛川くんも楽しめたなら良かったなーと、思って」
うんうんと悟られないように笹井は頷く。
「笹井、俺の事、呼び捨てで良いよ」
「えっ」
「せっかく一緒に出かけても距離あるみたいに感じるし。掛川って呼んでみて」
「え……な、なんか、悪いよ」
――友達でもないのに、呼び捨てにしたら勘違いしてしまう
笹井はもごもごと口ごもる。
「じゃあ、脩ちゃんって呼ぶ?」
さらにハードルが上がった。
「ごめんなさい、掛川くん。か、掛川って呼びます」
――木曜日だけ、木曜日だけだから勘違いしない
笹井は自分に言い聞かせる。
「酷いなぁ。修ちゃんのが良かったなぁ」
そう言いながらも掛川は、嬉しそうにしている。
帰宅してすぐに、『今日はありがとう』と掛川からのメッセージが届く。嬉しくて何度も読み返して言葉を返す。
翌朝いつもの様に倉田と話していると、掛川が話題に入ってきた。目が合うと微笑みを向けられ俯いてしまうが、今までと違う嬉しさで満たされる。
この日も帰宅すると『学校ではゆっくり話せそうにないね』と掛川からメッセージが届いていた。あれこれ考え、『今まで通りで大丈夫です』と正座したまま送信する。友だちではないのだから、学校ではいつも通りで良いと思った。
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