グナーデ王子は一途過ぎ!

人生2929回血迷った人

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メルツェスには抗えない

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僕の性知識の大半は双子の姉メルツェスからのものだ。メルツェスは凄い。僕の知らないことを沢山知っている。
メルツェスは転生者(腐女子)という存在だ。前世の記憶を持っており、それは僕のいる世界とは違う世界で過ごした記憶らしい。それだけじゃなく、多才でチートというものを持っているらしい。頭はよく、回転も早く、読んだ知識はすぐに吸収していく。まさしく天才だ。
男に産まれてきてたら兄上と王位争いが起こってたかもしれないほどに。まあ、現実ではそんなことは起こってないのだが、現王太子の第一王子は頭がそれほど良くない。どちらかと言えば脳筋の部類に入る人だ。それを影で支えているのがメルツェス。誰もが王太子を次代の賢王だと認めているが、メルツェスが結婚でもして他家に輿入れなんてしたらその評価もひっくり返ってしまうだろう。
だから僕は知らないことがあるとメルツェスに聞くのが習慣になっている。前世の知識もあり、この世界の誰に聞いても分からないこともメルツェスなら答えてくれる。
それで、団長とユングの距離感がやけに近しくコソコソとユングか団長に「今日はどうするの?」と左手でokのサインを作りその丸の中に右手の人差し指を入れていたのを見てそれが何なのか聞いたのだ。





メルツェスは「こっちでもその同じジェスチャーだったわよね。」と軽く頷きながら呟いた。

「ついにこの時が来てしまったようね!」

メルツェスの部屋に来て机を挟んで対面で話をしているといきなり腕を組んだ状態で仁王立ちニッコリと笑った。

「お嬢!あまり過激なことは言っては行けませんよ!坊ちゃんは、坊ちゃんだけは純粋なんですから。本当は性知識なんて微塵も入れて欲しくないのに……」

僕の近衛騎士であるシュティレ・リュストリンクはメルツェスを諌めようとする。

「あら?性知識を全く知らせないなんてこと出来るわけないじゃない。もう既にグナーデだって精通してしまってるんだから最低限の性知識は持っている。ならもういっそ私の知ってる性知識を全部教えてしまい、男同士のズブズブを頑張って目指してもらえたら楽しそうじゃない?」

「お嬢は、女性ですよね!?何でそんなにあけすけなんですか!坊ちゃんは絶対にそっちに行かせない!」

シュティレは僕の後ろに来て、耳を塞ぐ。

パチッ

「耳を塞いだって無駄よ。私の声はグナーデに届く。」

メルツェスが指を鳴らした。
すると、メルツェスの声という振動が僕の声帯で響き出した。うっ、気持ち悪い……違和感しかない。なんか痒いような、でも痒いのは胸の奥でかこうとしても届かない。
きっと音魔法だ。メルツェスは僕達の知らないことを知っていてそれで新しい魔法を作る。

「ううっ、痒い……シュティレ、手、どけて。」

シュティレが手をどかす。

パチッ

「ふふっ、ごめんね、グナーデ。でも別に身体に悪影響とかはないから。ね、ノア。」

「はい大丈夫です、グナーデ王子。私の体を使って調べましたから!」

ノアというのはメルツェスの近衛騎士。本名はノーア・ヴァイス。メルツェスに心底心酔しているらしい。

「そ、そうか。安全なら良かったよ。」

前のめりに肯定されたため、少し気圧された。

「話が脱線したわね。で、話を戻すとその団長さんとそのユングちゃん?がしようとしてるのは、アナルッセックスよ!」

「あなる、せっくす?」

近衛騎士、ノアはメルツェスが話を戻すと部屋を出ていき、廊下で警護し始めた。きっと声が漏れてないかチェックしながら誰も部屋に入ってこないようにしているのだろう。

「お嬢、それ以上は……」

「うるさいわね、グナーデだって聞きたいわよね!気になるわよね!」

「うん。」

「ほら、グナーデも頷いたわ!あなたは黙ってなさい!」

シュティレは虚しく敗北し、壁際に戻ったのだった。
そして、メルツェスは語り出したのだった。男同士の夜伽の仕方について。

「まず男同士でヤる、ああ、ヤるっていうのはセックスをするって意味なんだけど、ヤるなら受け入れる側がアナル、つまりお尻の穴を使うの。で、挿入する側がペニス、っていうのはチンコのことね。ペニスをそこに突っ込んでアナルにペニスをこう抜き差しして快感を得るっていう行為よ。んで、受け入れる側がネコ、入れる側がタチって言うのだけど──────────」

アナルをokのハンドサインで、ペニスを人差し指で表現して話を進めていくのを見て、あのジェスチャーにはそういう意味があったのかと知る。しかし、メルツェスの説明だけじゃ上手く理解出来なかった。チンコ?ペニス?を擦ると気持ちいいのは分かるけどおしりの穴に出し入れされて気持ちいいものなのか?というか、それ以前に想像ができない。
そんな僕に説明を一通りし終えたメルツェスは席を立ち、本を数冊机に置いた。

「この薄い本、あげる。」

座り直したメルツェスは楽しくて堪らないと言うようにニヤリと笑った。

「この時のためにという訳じゃないけれど、私の萌のためだけに作ったのだけれど、新たな萌の為にあげるわ。」

メルツェスがよく分からないことを言い出した。まあ、いつもの事だけど。というか、さっきの説明もあまりよく分かっていなかったのだけど。

「私の説明あまり理解出来てなかったでしょ?でも、視覚的に見てしまえば私の言ってることが嫌でも理解出来るはずだから。」

渡された本を見る。本の表紙にはドラッヘン×グナーデと書かれていた。なんで、団長と僕の名前があるんだろう?そう不思議に思い、ページを捲ってみるとそこにはさっき説明されたことがそのまま書かれていた。しかも登場人物は団長と僕にとてつもなく似ている。
さっきの説明ってこういうことだったの!!
僕は数ページ捲っただけで本を閉じた。顔が熱い。なんなんだ、これは。なんなんだ!とても、叫び出したい気分だった。

「ああああ!可愛い!私のナーデちゃんはやっぱり可愛いわ!なんてウブな反応なんでしょう!私なんかの弟でいいのかしらっ!でも、最後まで読まなきゃダメよ。ナーデちゃんが知りたがってたのはそれなんだから。」

「ここここ、ここれ!これ………」

「そう、これはあなたの団長と私のナーデちゃんがヤってる話よ!団長とアレコレやりたいとは思わない?漫画みたいに触れ合いたいとは思わない?」

「……う、うん。………なりたぃ…………」

本を見た時確かに僕の中に欲望が灯った。団長に組み敷かれる自分が一瞬も頭をよぎらなかったと言えば嘘になる。
俯いたグナーデは消え入りそうな声でメルツェスの言葉を肯定した。すると、メルツェスに肩をがっしり掴まれた。

「ナーデちゃん!あなたが頑張れば団長なんてすぐに落とせるわよ。身体なんて使って落とそうとした日にはもう即落ち二コマよ!もうそいつが雌落ちよ!」

「いや、すぐ落とせるってのは否定しないが……何で雌落ちすんだよ……」

シュティレはげんなりとした顔をして言った。
応援してくれてるのは分かるんだけど言ってること半分も分からないよ。それと、興奮するとたまにナーデちゃんって呼ばれるのは何でなんだろう。

「まあ、ナーデちゃんがどう第二師団の団長を落とすのかはナーデちゃん自身が考えるとして洗浄魔法とこの大人の玩具の使い方を教えるわ。」

洗浄魔法はお尻の穴を綺麗にする魔法らしい。何でそんな限定的なのか。これもメルツェス作の魔法で、応用すれば全身綺麗に出来るらしいが範囲が広がればそれに比例して難易度も上がるらしい。メルツェスはお風呂に毎日入れば清潔を保ってられるんだから要らないわっと言っていた。
大人の玩具と言われていたものは漫画を読めば分かるわっと面倒くさくなったのか説明を放棄していた。また、大人の玩具たちと一緒にローションなるものが渡され、男は濡れないから沢山使ってね♡♡と言われ、無くなったら言ってくれればまたあげるからと、僕の性生活はメルツェスにあけすけになることが決まったのだった。

「無責任にすぐ落とせるわっ、なんて言ったけどリアルでは絶対なんて何も無い。相談なら乗るからいつでもいらっしゃい。というか、何も無くても毎日来なさい。確かに私は腐女子でグナーデがBLの主人公みたいにエッチにまみれてしまえとか、エロにまみれている所を見てみたいとか思っているけれど、でもそれ以前に最愛の弟。我が半身。あなたの幸せを願っているわ。それに、幸せになれなくても私がずっとそばに居るわ。大丈夫よ。」

幸せを願ってるの後の言葉は誰にも聞こえなかった。メルツェスが仄暗い笑みを最後に浮かべた事も誰も知らない。



その日の夜から僕は団長を想いながら一人後ろに指を入れて自慰に耽る習慣が出来た。メルツェスと会うと絶対にその事について聞かれ、次はこうするのよ、と身体の開発のアドバイスを貰う。たまに暴走するメルツェスは話を聞いてるうちに見たい!とか言い出し僕の身体をシュティレに命令し、玩具を使って攻めに攻めまくったり、メルツェス作の玩具のレビューをさせられたりした。
シュティレは常識人のはずだ。メルツェスに弱みでも握られているのだろうか?
まあ、そんなこんなで僕の身体はメルツェスの良いように開発されきってしまったのだ。もう淫乱と言っていいだろう。男のブツを受け入れたことすらないというのに。

そして僕の痴態を見ていつもメルツェスは言うのだ。『我が弟ながらなんて破廉恥で淫らで可愛いのでしょう!何故、ここにはカメラがないの!!』と。

きっとそのうちカメラというものをメルツェスの手によって開発されるのだろう。そして、僕の痴態は永久にそのカメラというものによって保管されてしまうのだ………
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