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心配
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「それは、僕が悪いんです!」
傷はすっかり塞がっており、血は戻って来ないため貧血気味でフラフラするが僕は既に立ち上がっていた。
メルツェスにする言い訳を考えているとユングが戻ってきていた。
「あら?あなた誰かしら?」
所々血で濡れたドレス姿、左手はグナーデの血で染まっておりそこからポタポタと落ちてゆく赤いそれは地面に水溜まりを作ってゆく。
傷を治したその姿は殺人を犯し、血に塗れた殺人鬼のようだ。
自分のせいだと言ったユングに怒りを顕にした上にその姿では威圧感が倍増だ。
ユングはビビって後ずさる…が、それではダメだと思ったのか足を止める。
「ユング・アッフェンでございます。」
「ユングね、分かりました。で、あなたのせいというのは?」
「違う!ユングのせいじゃないよ!僕が勝手に庇って勝手に刺されたんだ!」
ユングは罪悪感を感じてるのかもしれないが全部僕がやったことだ。誰のせいでもない、自分のせいだ。
「庇ったぁ?グナーデ!!!なんであなたがそこのユングとかいう奴を庇うんですか!本来なら守られる側の人であるあなたがなんで庇う必要があるんですか!そもそもなんでこんな所で刺されてるんですか!もっと危機感を持ちなさい!」
「…だって……友達だし………庇ったっていいじゃん。」
ユングとかいうやつなんて言い方しなくたっていいじゃん。
「あら?友達なんですの?意外………。でもそしたら尚更庇ってはいけないわよね。だって、このことが公になればグナーデが怪我した原因の一つであるユング様は罰せられることになってしまいますわ。場合によってはグナーデが庇わなかった時のユング様の傷以上のモノが……。そしたら元も子もないでしょう!もっと自分の立場を弁えなさい!」
「確かにぃー、やっぱりメルツェス頭良いね。」
「確かにぃじゃないわよ、ほんとにもう。もし私が来なかったらどうしてたのよ。」
それはないな。
「だって、来てくれるって確信してたもん。」
目を合わせて言うとメルツェスは顔を真っ赤にして手でおおってしまった。可愛いところもあるよな。少し今弱ってるみたいだしそういう時のメルツェスは可愛い。僕が心配かけたせいだけど……。
「それと、ユングごめんなさい。勝手に庇っちゃって。迷惑…だったよね……ほんとごめん。」
僕は頭を下げる。
「いえ、そんなことないです!まあ、確かに凄くビックリして心配して王子が死んでしまうんじゃないかって心配しましたけど、決して迷惑ではありません。」
ユングは慌てて僕の言葉を否定する。
「ふふっ、そっか、それなら良かった。」
「それで……結局どうしてユング様が刺されそうになったんですか?」
僕の行為が迷惑じゃなくてよかったとほっとするとメルツェスが話を戻す。確かに、なんでユングが刺されることになったんだ?実際は僕が刺されたんだけど。
「それは……よく分からないのですけど、グナーデ王子を刺した人は私の元彼なんです。」
「元彼……。その別れを切り出したのはどちらからですの?」
「僕です。彼への気持ちが冷めてしまってこのままズルズル付き合ってるのも悪いかなと思って……。」
「なるほど……その元彼の名前は?」
「グローゼです。」
「別れた腹いせにって所かしら?結構そのグローゼって人もユング様のこと好きだったみたいね。でも、どうしましょうか?ことを公に出来ない以上その方を捕らえることは出来ませんわ。」
「なんでだ?」
団長は不思議そうに言う。
「それはだってユング様はグナーデとお友達なんでしょう?彼にも被害が及んでしまうではないですか。」
「そ、そんな!僕は別に大丈夫です。王子があんなに危険な目にあったっていうのに……。」
「ああ、ごめんなさい、ユング様のせいみたいに言ってしまって。理由はもう一つございますわ。私は本来、治癒魔術なんて使えないことになっていますの。」
そう、ことを公に出来ないのはその事が大きい。僕が深手の傷を負った時、基本的にメルツェスに治してもらうためその記録は残らない。
「それはまた、何故隠す必要があるのでしょうか?」
「簡単に言えば自衛の為ね。私とグナーデの生い立ちは知ってるでしょう?だから、王族にしては立場が弱い。立場の強い貴族たちに食い物にされないように利用する価値のある存在にはなってはいけないのよ。」
メルツェスは特にそういうことに気をかけている。きっと、周りが信用出来ないのだろう。治癒魔術だけじゃない他にも沢山才能があってそれの一部分しか周りは知らない。きっとメルツェスのことを色々知ってるのは近衛騎士のノーアと僕とシュティレくらいだろう。
あー、でも団長の前では自分をあまり取り繕ってないみたいだし警戒心あまりないのかな……。もしやメルツェスも団長のことを………。
「まあ、そういうことで公には出来ないし、ここで見たこと聞いたことは他言しないでちょうだい。もし、他言したらその時は覚えてらっしゃい。私は治癒魔術意外もいけるから簡単に勝てるなんて思わないでね。」
メルツェスはニヤリと挑発的な笑みを浮かべていた。簡単に勝てるどころか団長でも勝てないくらい強いくせによく言うよ、ほんとに。
「絶っ対に言いません!」
ユングはメルツェスが余程怖いのか勢いよく即答した。
メルツェスの左手は乾いてカピカピになってきているが血塗れでドレスまでも赤いから、余計に怖いのかもしれない。
「それは言いませんがその格好でどうやって帰るのですか?」
確かにこのままの格好ではメルツェスも僕もここを出ていけない。
「それなら大丈夫よ。寧ろ、あなた達がいると帰れないから先に出ていってちょうだい。」
おおっと、それだとここで着替えるって言ってるようにも取れるよ。というか現実的に考えたらそうなってしまう。
案の定ユングは顔を真っ赤にしてしまった。案外初だな。人のこと言えないかもしれないけど。
「それは失礼、ではお先に失礼します。」
団長はそう言って去っていったが少し表情が曇っていてそれが気になった。
「では、僕もこれで失礼します。王子、ありがとうございました!」
そう言ってユングも去って行ったが、去り際に何かブツブツと呟いていた。
「なんで居なくなってたんだろう。人が来ないように見とくって言ってたのに……。」と言っていたのだがその声はメルツェスにもグナーデにも届いてはいなかった。
傷はすっかり塞がっており、血は戻って来ないため貧血気味でフラフラするが僕は既に立ち上がっていた。
メルツェスにする言い訳を考えているとユングが戻ってきていた。
「あら?あなた誰かしら?」
所々血で濡れたドレス姿、左手はグナーデの血で染まっておりそこからポタポタと落ちてゆく赤いそれは地面に水溜まりを作ってゆく。
傷を治したその姿は殺人を犯し、血に塗れた殺人鬼のようだ。
自分のせいだと言ったユングに怒りを顕にした上にその姿では威圧感が倍増だ。
ユングはビビって後ずさる…が、それではダメだと思ったのか足を止める。
「ユング・アッフェンでございます。」
「ユングね、分かりました。で、あなたのせいというのは?」
「違う!ユングのせいじゃないよ!僕が勝手に庇って勝手に刺されたんだ!」
ユングは罪悪感を感じてるのかもしれないが全部僕がやったことだ。誰のせいでもない、自分のせいだ。
「庇ったぁ?グナーデ!!!なんであなたがそこのユングとかいう奴を庇うんですか!本来なら守られる側の人であるあなたがなんで庇う必要があるんですか!そもそもなんでこんな所で刺されてるんですか!もっと危機感を持ちなさい!」
「…だって……友達だし………庇ったっていいじゃん。」
ユングとかいうやつなんて言い方しなくたっていいじゃん。
「あら?友達なんですの?意外………。でもそしたら尚更庇ってはいけないわよね。だって、このことが公になればグナーデが怪我した原因の一つであるユング様は罰せられることになってしまいますわ。場合によってはグナーデが庇わなかった時のユング様の傷以上のモノが……。そしたら元も子もないでしょう!もっと自分の立場を弁えなさい!」
「確かにぃー、やっぱりメルツェス頭良いね。」
「確かにぃじゃないわよ、ほんとにもう。もし私が来なかったらどうしてたのよ。」
それはないな。
「だって、来てくれるって確信してたもん。」
目を合わせて言うとメルツェスは顔を真っ赤にして手でおおってしまった。可愛いところもあるよな。少し今弱ってるみたいだしそういう時のメルツェスは可愛い。僕が心配かけたせいだけど……。
「それと、ユングごめんなさい。勝手に庇っちゃって。迷惑…だったよね……ほんとごめん。」
僕は頭を下げる。
「いえ、そんなことないです!まあ、確かに凄くビックリして心配して王子が死んでしまうんじゃないかって心配しましたけど、決して迷惑ではありません。」
ユングは慌てて僕の言葉を否定する。
「ふふっ、そっか、それなら良かった。」
「それで……結局どうしてユング様が刺されそうになったんですか?」
僕の行為が迷惑じゃなくてよかったとほっとするとメルツェスが話を戻す。確かに、なんでユングが刺されることになったんだ?実際は僕が刺されたんだけど。
「それは……よく分からないのですけど、グナーデ王子を刺した人は私の元彼なんです。」
「元彼……。その別れを切り出したのはどちらからですの?」
「僕です。彼への気持ちが冷めてしまってこのままズルズル付き合ってるのも悪いかなと思って……。」
「なるほど……その元彼の名前は?」
「グローゼです。」
「別れた腹いせにって所かしら?結構そのグローゼって人もユング様のこと好きだったみたいね。でも、どうしましょうか?ことを公に出来ない以上その方を捕らえることは出来ませんわ。」
「なんでだ?」
団長は不思議そうに言う。
「それはだってユング様はグナーデとお友達なんでしょう?彼にも被害が及んでしまうではないですか。」
「そ、そんな!僕は別に大丈夫です。王子があんなに危険な目にあったっていうのに……。」
「ああ、ごめんなさい、ユング様のせいみたいに言ってしまって。理由はもう一つございますわ。私は本来、治癒魔術なんて使えないことになっていますの。」
そう、ことを公に出来ないのはその事が大きい。僕が深手の傷を負った時、基本的にメルツェスに治してもらうためその記録は残らない。
「それはまた、何故隠す必要があるのでしょうか?」
「簡単に言えば自衛の為ね。私とグナーデの生い立ちは知ってるでしょう?だから、王族にしては立場が弱い。立場の強い貴族たちに食い物にされないように利用する価値のある存在にはなってはいけないのよ。」
メルツェスは特にそういうことに気をかけている。きっと、周りが信用出来ないのだろう。治癒魔術だけじゃない他にも沢山才能があってそれの一部分しか周りは知らない。きっとメルツェスのことを色々知ってるのは近衛騎士のノーアと僕とシュティレくらいだろう。
あー、でも団長の前では自分をあまり取り繕ってないみたいだし警戒心あまりないのかな……。もしやメルツェスも団長のことを………。
「まあ、そういうことで公には出来ないし、ここで見たこと聞いたことは他言しないでちょうだい。もし、他言したらその時は覚えてらっしゃい。私は治癒魔術意外もいけるから簡単に勝てるなんて思わないでね。」
メルツェスはニヤリと挑発的な笑みを浮かべていた。簡単に勝てるどころか団長でも勝てないくらい強いくせによく言うよ、ほんとに。
「絶っ対に言いません!」
ユングはメルツェスが余程怖いのか勢いよく即答した。
メルツェスの左手は乾いてカピカピになってきているが血塗れでドレスまでも赤いから、余計に怖いのかもしれない。
「それは言いませんがその格好でどうやって帰るのですか?」
確かにこのままの格好ではメルツェスも僕もここを出ていけない。
「それなら大丈夫よ。寧ろ、あなた達がいると帰れないから先に出ていってちょうだい。」
おおっと、それだとここで着替えるって言ってるようにも取れるよ。というか現実的に考えたらそうなってしまう。
案の定ユングは顔を真っ赤にしてしまった。案外初だな。人のこと言えないかもしれないけど。
「それは失礼、ではお先に失礼します。」
団長はそう言って去っていったが少し表情が曇っていてそれが気になった。
「では、僕もこれで失礼します。王子、ありがとうございました!」
そう言ってユングも去って行ったが、去り際に何かブツブツと呟いていた。
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