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独白
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俺は自分で思っていたよりも非力な人間だった。
公爵家という恵まれた環境で産まれ、きっと同年代の奴らよりも出世してる方だろう。だからその地位を前に俺の目は曇っていた。
地位が高かろうとそれは俺の力ではないし、必要な時に必要な力が無ければそれは無力と同義である。
グナーデが刺されているのを見た時確かに愕然とした。そしてあの微笑みを見て昔を追想させられた。
でも、一番俺の心を動揺させたのはメルツェス殿下がグナーデの傷を治した時だった。
俺は人を傷つけることは出来るがその傷を治すことは出来ない。殿下が傷を治すのをただじっと見ていることしか出来なかった。
その後の処理も殿下に任せる他なかった。
自分が不甲斐ない。自分の好いている人が目の前で重症なのに俺は何も出来ずに突っ立ってるだけ。苦虫を噛み潰したような顔になるのも仕方がないだろう。
だからその不甲斐なさを誤魔化すように次の日からグナーデを気にかけた。噂のことが気になったし、ただ単に話しかけたかったと言うのもあるけど。それに元々俺がせフレになろうだなんて言わなければ噂も流れずグナーデが襲われる可能性もこんなに高くなることもなかったのだ。
あと1つ気になるのが噂の流れる速さが速すぎやしないかということ。グナーデの話だから皆が皆気になったっていう理由だけかもしれないが一日で第二師団全体に知れ渡るだろうか?俺とグナーデがヒルデ様に呼び出されるのもすぐだったから第一師団にも知れ渡ってしまっているのだろう。
ヒルデ様の耳にその噂が入る度に機嫌が急降下されるらしいから沈静化はされているらしいが…。
俺のせいで噂が広まったも同じであるし、そのせいでグナーデが第一師団にいかなければならないなんてそんなことさせるわけにいかない。
自分の尻拭いは自分でしなければ。
それにここで勝てれば少しはあの時感じた不甲斐なさを払拭出来るだろう。
明日はヒルデ様とグナーデを賭けた試合だ、俺は気合いを入れた。
グナーデが男と仲良くしている。
今日は合同練習中日。
あいつはグナーデの部屋に行った時にいたから、グナーデの近衛騎士か。たしか……シュティレと言っていたか。グナーデはいつも距離を置いて、というか置かれて生活している為あんなにボディタッチが激しいのは初めて見た。アルムでもあんなに近くない……というかアルムと家名が一緒か……なるほど。
あー、俺のグナーデに触るな!
俺のじゃないけど。
グナーデは俺の前ではあんな風に笑わないし拗ねた顔なんてしない!これが過ごした年数の違いというやつか。グナーデが第二師団に入った直後から構っていたらもう少し色んな表情を見せてくれていたのだろうか?
でも、あんなに気を許した顔をして……もしかしてグナーデはあいつが好きなのか……。いやでもそしたら俺とせフレなんてしないよな。
俺は二人がどんなに会話をしているのか気になって気付かれないようにそっと近づいた。
「…………俺を変態みたいに言わないでくださいよ!」
「でも、シュティレは好き勝手に僕にあんなことやこんなことしたことがあるじゃないっ。」
「いっ、いや、あれは────────」
………………。
俺はショックを受けすぎてそれ以上の会話は頭の中に入ってこなかった。
好き勝手に………あんなことやこんなこと……。
いや知っていた、どう考えても処女じゃなかったということを、俺は知っていた。
あんなにも簡単に俺のものを飲み込むし、あんなにも可愛く乱れられるなんて経験してないと無理だ。
だが!こう目の前に突きつけられると………精神が病みそうだ。
こうモヤモヤというかムカムカというか、この激情をどこに向ければいいのか分からない。
グナーデにはせフレを俺一人に絞って欲しい。いや、俺はグナーデの恋人になりたい。
俺のものにならないのなら、またこんなに会話を聞くことになるのなら監禁して誰にも会わせず大切にしまっておきたい。
自分の中にこんな危うい感情があるとは初めて知った。メルツェス殿下を好きだと思っていた時にはなかった感情だった。
俺は嫉妬心から生まれたこの激情をどうすることも出来ないまま一旦落ち着こうと執務室に向かった。俺の試合は今日は午後に1度あったはずだ。それまでに気持ちを落ち着かせなければならない。
俺は執務室に向かうために階段を上るが、先程のことに気を取られ注意散漫になっていたのだろう。
階段から足を踏み外した。
身体がひっくり返り、真っ白な天井を真正面に捉える。身体の浮遊感を感じた時にはもう足よりも頭が地面に近く、思いっきり頭を打ち付けたのだった。
ゴンッ
そんな音を聞いたのを最後に、俺の意識はブラックアウトしたのだった。
公爵家という恵まれた環境で産まれ、きっと同年代の奴らよりも出世してる方だろう。だからその地位を前に俺の目は曇っていた。
地位が高かろうとそれは俺の力ではないし、必要な時に必要な力が無ければそれは無力と同義である。
グナーデが刺されているのを見た時確かに愕然とした。そしてあの微笑みを見て昔を追想させられた。
でも、一番俺の心を動揺させたのはメルツェス殿下がグナーデの傷を治した時だった。
俺は人を傷つけることは出来るがその傷を治すことは出来ない。殿下が傷を治すのをただじっと見ていることしか出来なかった。
その後の処理も殿下に任せる他なかった。
自分が不甲斐ない。自分の好いている人が目の前で重症なのに俺は何も出来ずに突っ立ってるだけ。苦虫を噛み潰したような顔になるのも仕方がないだろう。
だからその不甲斐なさを誤魔化すように次の日からグナーデを気にかけた。噂のことが気になったし、ただ単に話しかけたかったと言うのもあるけど。それに元々俺がせフレになろうだなんて言わなければ噂も流れずグナーデが襲われる可能性もこんなに高くなることもなかったのだ。
あと1つ気になるのが噂の流れる速さが速すぎやしないかということ。グナーデの話だから皆が皆気になったっていう理由だけかもしれないが一日で第二師団全体に知れ渡るだろうか?俺とグナーデがヒルデ様に呼び出されるのもすぐだったから第一師団にも知れ渡ってしまっているのだろう。
ヒルデ様の耳にその噂が入る度に機嫌が急降下されるらしいから沈静化はされているらしいが…。
俺のせいで噂が広まったも同じであるし、そのせいでグナーデが第一師団にいかなければならないなんてそんなことさせるわけにいかない。
自分の尻拭いは自分でしなければ。
それにここで勝てれば少しはあの時感じた不甲斐なさを払拭出来るだろう。
明日はヒルデ様とグナーデを賭けた試合だ、俺は気合いを入れた。
グナーデが男と仲良くしている。
今日は合同練習中日。
あいつはグナーデの部屋に行った時にいたから、グナーデの近衛騎士か。たしか……シュティレと言っていたか。グナーデはいつも距離を置いて、というか置かれて生活している為あんなにボディタッチが激しいのは初めて見た。アルムでもあんなに近くない……というかアルムと家名が一緒か……なるほど。
あー、俺のグナーデに触るな!
俺のじゃないけど。
グナーデは俺の前ではあんな風に笑わないし拗ねた顔なんてしない!これが過ごした年数の違いというやつか。グナーデが第二師団に入った直後から構っていたらもう少し色んな表情を見せてくれていたのだろうか?
でも、あんなに気を許した顔をして……もしかしてグナーデはあいつが好きなのか……。いやでもそしたら俺とせフレなんてしないよな。
俺は二人がどんなに会話をしているのか気になって気付かれないようにそっと近づいた。
「…………俺を変態みたいに言わないでくださいよ!」
「でも、シュティレは好き勝手に僕にあんなことやこんなことしたことがあるじゃないっ。」
「いっ、いや、あれは────────」
………………。
俺はショックを受けすぎてそれ以上の会話は頭の中に入ってこなかった。
好き勝手に………あんなことやこんなこと……。
いや知っていた、どう考えても処女じゃなかったということを、俺は知っていた。
あんなにも簡単に俺のものを飲み込むし、あんなにも可愛く乱れられるなんて経験してないと無理だ。
だが!こう目の前に突きつけられると………精神が病みそうだ。
こうモヤモヤというかムカムカというか、この激情をどこに向ければいいのか分からない。
グナーデにはせフレを俺一人に絞って欲しい。いや、俺はグナーデの恋人になりたい。
俺のものにならないのなら、またこんなに会話を聞くことになるのなら監禁して誰にも会わせず大切にしまっておきたい。
自分の中にこんな危うい感情があるとは初めて知った。メルツェス殿下を好きだと思っていた時にはなかった感情だった。
俺は嫉妬心から生まれたこの激情をどうすることも出来ないまま一旦落ち着こうと執務室に向かった。俺の試合は今日は午後に1度あったはずだ。それまでに気持ちを落ち着かせなければならない。
俺は執務室に向かうために階段を上るが、先程のことに気を取られ注意散漫になっていたのだろう。
階段から足を踏み外した。
身体がひっくり返り、真っ白な天井を真正面に捉える。身体の浮遊感を感じた時にはもう足よりも頭が地面に近く、思いっきり頭を打ち付けたのだった。
ゴンッ
そんな音を聞いたのを最後に、俺の意識はブラックアウトしたのだった。
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