性別多様性

夢遊 優

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#2 小学校中盤期(小学3~4年)

#2-4-2「10人組」の「ただいま」まで

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夏休みに入り、私、守(まもる)、龍美(たつみ)、柚子花(ゆずか)は、この町のターミナル駅である、夢の町駅(ゆめのまちえき)に集まった。10人組が帰ってくることについての話を兼ねた、お出かけをしようと思ったのだ。
「おはよう守、龍美、柚子花」
「おはよう」と柚子花。
「よっ。おひさ!」と龍美。
「ひさしぶりだな」と守。
「今日暑いな。で、俺らはどこに行くんだっけ?」「計画は伝えておいたから、あとは案内次第だよ。ゆっくり散歩する感じで」「改めて聞くと、めちゃくちゃなプランだな。まあ、私もそんな感じだったし、いいと思うぜ」と龍美。

ドローンを飛ばし始めたら、私たちのお出かけが始まる。

アスレチックのある公園などを周り、楽しい時間はあっという間だった。
つまり、とても楽しい時間だった。

しばらく経った別の日、同じメンバーでプールに遊びに行った。今度はラバーも一緒。ここでも楽しい時間を過ごせた。
特に楽しかったのは、ウォータースライダーだった。

この夏も、思い出にあふれていたのだった。

夏休みが終わると、10人組が学校に復帰して来た。

先生のまだ来ていない教室で…
「はい。みんなひさしぶりー。俺のこと待ってたやつー。手ぇあげろ!」
「…」光(ひかる)の声に、誰も、何も言わない。
「なるほど…まあ良い!」

その後、始業式が終わった後、10組が柚子花(ゆずか)に近寄った。
そして、リーダーの光はこう言った。
「お前は今日から、俺らのおもちゃ。お前をいじめてやる」「ああ…そうなの…」「じゃあな。おれらのおもちゃ。明日から楽しくなるぞ」

「どうしよう…一番(いちは)、龍美(たつみ)…」
かなりまずい状況になったと分かった。
ターゲットは…柚子花だ

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