魔力無しグルコ25歳の備忘録

イイズナそまり

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第一話

グルコと山奥兄妹

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 隣国との国境に面した連峰
その一峰『山神の峰』の中腹にシンケー領がある

『山神の峰』は人間の記録が始まった時代から山岳信仰の対象とされてきた

ロカン王国最古の備忘録には『山神信仰』発祥の地と記録されている

およそ百年前 王国が国教を『女神信仰』に統一した

しかし今もなお
唯一無二『山神信仰』を実践している 

シンケー領の領民は『山神さま』と崇め奉っている



あーあ
今日から土竜たちと筍掘りする予定だったのになぁ
今年は表の年だから筍も大豊作なのに嫌んなっちゃうよ
「滝まであと3里くらいだよ」
あたしは地面から出てしまった筍を想像しながら平らな岩に干された3本の人間に声をかけた
「長男おじちゃん、行けますか?」
「いえ、私は状態が思わしくないので⋯」
「次男おじちゃんは?」
「⋯帰りたい⋯」
「三男おじちゃんは?」
「体が動けば頑張れます」

「お嬢ちゃん、皆このような状態ですので休憩してから帰ります」
「うん。わかった。待つよ。」

ピーーーーー
ピッ
ピーーーーー

白い雲に向かって指笛を吹く
『帰る』の合図
よく響いてキモチいい 本日は晴天なり

表の年の天秤祭りの後はやる事がいーっぱい目白押しなんだよ
冒険者ギルドの指名依頼はお金が高いけど、めんどくさいのばっかりだ

「⋯お嬢ちゃん達はなんでこんな大変な山奥に住んでるのかな⋯⋯」
「知らない」
よそもんはみんなそれ聞いてくる
「それより、おじちゃんたち、上級ポーション飲みますか?」
リュックから茶色の小瓶を3本出して見せる

滝の森に入って一度目の休憩で、冒険者ギルドから調査隊に配給された上級ポーションを動く蔦魔獣に取られてしまった
案内役のあたしをムシして勝手に歩き回ったからバチが当たったんだ

《⋯お願いします⋯》

滝の森に初めて入ったよそもんたち
青い顔、冬に水浴びした後のように冷たく固まっている
ばっちゃんのお話しは本当だったんだ
よそもんや悪党が滝の森に入ると山神さまに魔力をとられちゃうって

魔力の枯渇が近いのかも 急ごう

後頭部に手を入れそっと持ち上げ、上級ポーションを飲ませる
「オカイアゲ、
 アリガトウゴザイマス、
 コレ、タカイケド、
 ボッタクリジャナイヨ」
お兄ちゃんが教えてくれたショーバイハンジョーの呪文
《ボッタクリ?》


 上級ポーションの効き目は早く顔色はすぐ良くなった
でもまだ歩くには時間がかかりそうだ
「おおお」
三男おじちゃんがカッと目を見開き上半身を起こした
「これは⋯随分と回復が速いですね」
ゆっくり手を握り関節を動かし確かめている
「私も、もう魔力の流れが戻ってます」
「私もです。帰る元気が沸いてきました」
「この上級ポーションはいったい⋯
お嬢ちゃん、その空き瓶は貰えるのかな?」
ほらね。言うと思った。
「ガラスは資源なのでダメです」
あたしはピシャッと断わった
「そうですよね。ここは山奥ですもんね⋯資源に限りがありますからね」
しょんぼりする次男おじちゃんから3本分のお金をシッカリ回収する
「そうです。山奥だからです」

あたしたち山奥の兄妹が守る掟がある

『滝の森の物は滝の森で終わらせる』

間もなくすると
岩場を囲む茂みからガサガサと音を立てて何かが近づいてきた
《魔獣かっ!?》
「大丈夫。お兄ちゃんだよ」
王都の神官は弱くて怖がりだ。何か物音がする度にずっとこの調子だ

大丈夫。狐だよ
大丈夫。野犬だよ
大丈夫。狸だよ
大丈夫。鹿だよ
大丈夫。野生馬だよ
大丈夫。⋯⋯
いいかげん飽きるよね。案内じゃなくて子守だよ

〈ガサガサ〉

カッコイイ冒険者の格好をしたカッコイイ少年が茂みをかき分けてカッコよく出てきた
「あー、いた、どんなだぁーー?」
「みんな帰るって」
「こっちもかぁ。」
頭をワシワシする 困ったときのクセ
「こっちのルートはわりと簡単なんだけどなぁ」
「お兄ちゃんの方はどうだったの?」
「獣魔師みんな滝の森の入口で降参したよ。絶対ムリ入れないって。申し訳ないからって僕の報告書も書いてくれて、冒険者ギルドに提出してきた」
「そっか。わかった」
「手が空いたからこっち引き継ぐよ」
「うん、おねがい」

「あーー⋯皆さん大丈夫ですか?」
「はい、お嬢ちゃん⋯妹さんが飲ませて下さった上級ポーションのおかげで大分楽になりました」
デレ「そうですか」
自分の作ったポーションだから褒められて嬉しそうだ

あれ
ん?
なんかいる

茂みから黒服が静かに出てきた

「なんでこんな所に幼児がいるんだ?」

魔物の気配

「さっき話した、俺の妹だよ」
「こんにちはお嬢ちゃん、君10歳にしては小さいね。それに痩せすぎだよ。ちゃんと喰わして貰ってんの?」
「アンタも大概、痩せすぎだぜ?」
お兄ちゃんがたちまち怖い顔になる
「だよね~」

なんだろ
なんか変だコイツ
あたしの野生の勘が反応してる

「グ、グルコか?」
「なんでオマエがこんな所にいるんだ」
「魔塔主はどうした?」
知り合い? 仲間なの? こんなのが?
「もう、分かったからって帰りましたよ」
《帰った!?》

ブゥーッ「これだから調査隊に魔塔枠を入れたくなかったんですよ」
フゥーッ「国王の推薦枠ですから逆らえませんよ」
ウゥーッ「気合いが足りないんですよ気合いが」

「でしょでしょ? ガツンと本人に言ってやって下さいよ! 俺なんか薬品倉庫からいきなりですよ? 転移魔法で着の身着のまま! 手ぶらで山奥にポイッてどんな罰ゲーム? このカッコイイ少年に出会わなければ俺は遭難しちゃってたよ? 今頃シバンムシの餌になっちゃってたよ?
んで、なんなのさこのオモシロ険しい山は!」

出発式のとき一人だけコイツと同じ黒服の、なんかキモチ悪いヤツがいた
アイツ帰ったんだ 良かった

ふいに黒服と目が合った
「あのね、お嬢ちゃん、俺は山奥兄妹の敵じゃないからね。そんなに警戒しないでよ、淋しくなるじゃん」

コソリ「警戒してるのか?」
あたしは黙って小さく頷いた
コソリ「なんで?」
コソリ「魔物の気配がする」
コソリ「そっか。お兄ちゃんも気をつける。ありがとな」
コソリ「うん」

「グルコ!魔塔主はいったい何が分かったんですか?」
「グルコに調査員が勤まるとは思えません」
「グルコ薄くなってるもっと喰って鍛えろ」
「グルコグルコうるさいなぁ。アノ人聞いても教えないでしょ。薄くて悪うござんした、ってそんなことより、コレよコレ!」
ポケットから茶色の小瓶を出した
おじちゃんたちは尻をついたまま後ずさる
《なっ!なっ!なっ!》
何をする気だって言いたいんだね
さっき飲んだのと同じ茶色の小瓶なのに、どうしてそんなに怖がるのかな

お兄ちゃんの肘をクイクイ引っ張る
コソリ「仲間われ?」
コソリ「そうかもね」
コソリ「仲間われは悪い事だよね?」
うふふ「そうだよね」

「実はですねぇ、俺にも分かったことがあるんですよ」
キュポン 細く長い指が小瓶の蓋をあけた
あたしたちに見せつけたけど
「水か?」
うん。水だね
ニヤリ「そう見えるでしょ?ところがどっこいぎっちょんちょん!」
細くて薄い手のひらに垂らす
「なんと魔法の水でございます!皆さまとくとご覧あれ!」
ただの水がぁ?

「グルコ、オマエまた怪しい物を私達に売りつけるつもりか!?」
「もう騙されないからね」
「元気の出る水ですか?」
「やぁだなぁ今度こそ本物ですよ」
しゃがんで手のひらの水をみんなに見せる
だけど、ただの水はただの水
「あれれ? なんで動かないの? ちょっと君、元気出してよ動いてよ、ウネウネ動く君を見せてよ」
必死に自分の手のひらのただの水に話しかけてる
あ。
コイツがなんでキモチ悪いか分かった
「滝の森の湧き水だ」
「え、アレ、湧き水なのか?」
「沢山飲んでるよ、多分」
あたしの野生の勘を信じなさい。黒服は飲みましたよ
「おい、アンタ、湧き水飲んだのか?」
細く薄い手をすぼめて真面目な顔でただの水を瓶に戻そうと溢してる
「うん、冷たくて爽やかで実に美味かったよ。山歩きで喉乾いてたからガブガブ呑んじゃった」
山じゃなくて森だよ
「そんでね、腹の中が急にウネウネってしてさ、すぐ治まったんだけどね、消化されるの早くねって、いや、もう、驚くよねー」
濡れた手のひらをペロリと舐めた
驚くよ。みんな引いてるよ
「ところで動く魔法の水、今は動いてないけど、なんなのさコレ?」
小瓶を太陽に透かし指先でピンピン弾く
黒いフードの隙間に艶やかな黒い影 髪の毛も黒いんだ

悪い儀式してるみたい

「あのさ、ちょっと言いにくいんだけどさ、アンタが飲んだウネウネ動く湧き水は、その⋯⋯⋯」
チラリとあたしを見る
あたしは頷いて返す
お兄ちゃんが黒服のお腹らへんを
ジーーーっと見つめる
あたしも真似して
ジーーーっと見つめる
「え、なになに?山奥兄妹なによ?」
「えーとだな⋯そのアレだ⋯」
「やだぁ早く言ってよ」
あたしは遠慮なく言った
「魔水スライムだよ」
《魔水スライムッ!?》

「マス、イス、ライム? って何?」

《魔物だバカモンッ!》
「はあ?息ぴったり過ぎてウケるんですけどぉー?」
「調査隊の資料ですよバカモン」
「滝の森の魔物一覧表だバカモン」
「ちゃんと目を通しておけバカモン」
「酷いなぁバカモンだなんて」

コソリ「ねぇバカモンって何?ポ◯モンの仲間?」
コソリ「おバカさんのことだよ」
コソリ「アイツおバカさんなの?」
コソリ「そう⋯⋯かもね」
頭をワシワシする

バカモンはおじちゃんから資料を受け取りペラペラめくる
「こんなの配ったの?」
「冒険者ギルド提供の資料だよ。アンタ魔塔主から引き継いでないのか?」
「うん。多分コレ魔塔主持って帰っちゃってるね。アノ人こーいう資料系とか大好物だから」
「そうなんだ。じゃあギルドに予備があるから、後で取りに行きな」
「わかった。場所教えてね。俺、何も知らんのよ」
資料をポイッと投げて返した
バカモンはおじちゃんを怒らせる天才だった
「って、ちゃうちゃう、俺、大丈夫なの? 魔物を飲んじゃったんだよね?」
あたしに聞かれても
「魔物飲んだこと無いから知らない死ぬかも」
ヒイイイイィィィーーーーー
うるさいなぁ
お兄ちゃんがバカモンの肩をポンと叩く
「落ち着けよ。泣くなよ。その瓶どこで手に入れた?」
「魔塔主に貰った。上級ポーションだよって」
「中身は自分で飲んだのか?」
「うん」
「だったら大丈夫だよ。死んでるよ」
「俺死んでるのっ!?」
ヒイイイイィィィーーーーー
「だから落ち着けって!」
正面から両肩を掴んで揺らすガクンガクン
そのまま首もげちゃえ
ハッ「そっか、だからかぁー。俺ね、胃腸が弱くてさ、踊り喰い、飲み? とか無理なわけ。なのにウネウネがすぐおさまってさ、山奥に来て自然のチカラで胃腸が強くなったかもって。俺つえーじゃんって喜んじゃったのよ。そっか上級ポーションかぁ。この上級ポーションすげぇなっ!」
デレデレ喜ぶお兄ちゃんの肘をクイクイと引っ張った
「もう帰ろうよ」
バカモンがうるさくて疲れたよ
「ん? ああ、そうだね、帰ろうか」

「では皆さん、町に帰りましょう。
上級ポーションはまだまだあるので、飲みたくなったらご遠慮なくどうぞ」
コソリ「今日はショーバイハンジョーだね」
うふふ「そうだね」
「それと、アンタ、その瓶。調査員への配給分は冒険者ギルドが空き瓶回収するからね。ちゃんと返さないと、地の果てまで追いかけて来るぞ」
「げげげっ地の果て!?」
《地の果て!?》
「コレ貰えないのっ!?」
《ガラスは資源だからダメです!》
チェッ「じゃあさじゃあさ中の魔水スライム、冒険者ギルドで買い取ってくれるかな?」
あたしに聞かれても
「売ったこと無いから知らない死んでるし」
ヒイイイイィィィーーーーー
もういいよ。





「えーーーーーーーーーーーなんでっっ!?」
「どうされました?」
「副魔塔主!コレ見てよっ!」
魔塔主はシンケー領から帰塔して早々に、リュックの中身をローテーブルに盛大に広げていた
「手作りノートですか?」
「調査隊の資料だよ!」
「私には何も書いて無いように見えますが?」
「書いてあったの!書いてあったのに消えちゃったの!」
私は魔塔主から手作りノートを受け取り魔力鑑定した
「ああ、門外不出魔法ですね。持ち出し禁止の資料だったのでは?」
「ちっくしょー山奥の野蛮人め!」




 シンケー領中枢施設 円舞台広場
「総括どうぞ」
「えー本日はシンケー領土壌調査初日という事もあり
王都と異なる環境に戸惑われたと思いますが
こうして調査員が無事に帰還できて何よりです
東西南北の森にーーーー」


「ギルマス、滝の森班の報告書です。今日の報告書はこれが最後です。」
「空き瓶の回収は済んだのか?」
「はい。全て回収したと報告がありました。綺麗な水が入った瓶があったそうですよ。わざわざ洗って返すなんて、マナーのある方もいるんですね。」
「ふーん」
「なに見てるんです?」
「シバンムシの大群だよ」
「ああ、王都のムシちゃん達ですね。」
「シバンムシが偉そうになんか叫んでる」
クスクス「終礼の挨拶してるんですね。ムシのくせに。プチプチ踏み潰したくなりますね。」
「だろ?」

冒険者ギルド5階、大会議室には夜も更けたというのに大勢の職員が残業していた
調査隊に同行した冒険者が上げてきた報告書の整理に右往左往している
案内役を務めた冒険者の中には、文字を書くのが覚束ない者も多く解読に手間取っているのだ

「ああ、それと、魔塔主の交代の者が資料が欲しいと窓口に見えてますがどうされますか?」
「予備があるなら渡して構わんよ。どうせ持ち出した所で山神さまの領地を出れば単なる手作りノートだ」
「承知しました。」
ヘッ「甘いんだよクソガキが」
「ギルマス、ほんと魔塔主お嫌いですよね。」
「一番は教皇だがな」
クスクス「おお怖い。クワバラクワバラ。」
「サブマス、お前時々おかしな言葉使うな」
「地元の流行語ですよ。」
「なるほどな。バレないように使えよ。メンドクセーからな」
クスクス「承知しました。」
「おい、ちょっと待て、なんじゃコリャ?」
「滝の森班の報告書ですが何か?」
「おじちゃんがツタに瓶を取られました。帰り道に落ちてました。ポーションはツタが飲みました。ツタが元気になりました。みんな町に帰りました。バカモンは首にして下さい。おじちゃんに15本上級ポーションを売りました。今日はショーバイハンジョーでした。」
「妹さんが書いたんですよ。お兄ちゃん、文字が書けませんからね。」
「いや、そーじゃなくてだな⋯⋯⋯」
「受付確認印、ギルマスの奥さんですよ?」
「甘甘かよ。」
クスクス「妹さん大好きですからね~。」
受付主任デスクで子供を膝に乗せ、楽しそうに報告書を書かせる姿が目に浮かんだ
「⋯冒険者に読み書き勉強会開くか⋯?」
「ええ、是非。無料でお願い致しますね。」
ハァーー「アイツ、腕はA級なんだがなぁ⋯⋯」



「かぼす石鹸でちゃんと洗えよー」
「はーい」
この匂い苦手 滝の森に入った日は我慢して使う あたしは山神さまの魔力の匂いが染み付きやすいみたい
今日は特に念入りに泡立てる バカモン菌が付いてる気がしてキモチ悪い

「サッパリしたか?」
「うん。先に寝るね」
「明日は休みだから、寝坊していいぞ」
「ありがと。お兄ちゃんおやすみ」
「おやすみ」

2階のベッドに座り窓の外を眺める
満月に照らされた滝の森を見渡す
「山神さま。今日も一日ありがとうございました。」
夜のお祈りは欠かしたことがない
「山神さまも疲れたでしょ。よその人が沢山汚しちゃってごめんなさい。これからも汚しちゃうけど、いっしょに我慢しようね」

滝の森が白く輝いた

「お腹いっぱい?まずかった?そっか」





~グルコと山奥兄妹 完~
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