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第41話 誘拐事件発生!?
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「どういうことですか?」
「どういうことだと聞きたいのはこちらだ。状況がますますややこしくなってしまっただろ。だから昨日、全部言えと言ったんだ。遠藤がお前を狙って動いているのは確実なんだぞ。わざわざ招杜羅を使ったのも、対立する前に出て行けっていう意味だったんだ。今考えると、緒方さんが先に見えたのも、彼女に危険が差し迫っていたからだったんだろう。それにお前を追い返したいあいつが、この機会を見逃すはずがないじゃないか。昨日のことで緒方さんはお前に不信感を持っている。それが心の隙になったんだ。だから、俺はこの件を引き受ける時にも散々警告しただろ」
「今更言うなよ。それに篠原の動きを防ぐのがお前の役目じゃねえのかよ。ライバルを自任しているくせに、そういうところで手を抜くんじゃねえ。居場所を突き止めていたんじゃないのかよ」
「ともかく落ち着いて」
言い合うのは法明、陽明、そして弓弦だ。どんどんヒートアップしていく三人を止めに入っているのは、もちろん円である。
場所はいつもの蓮華薬師堂だ。しかし、営業時間を過ぎているというのにシャッターは開かず、四人は休憩室で話し合いをしている。しかも、事態が事態であるだけに落ち着いて話し合いとはいかなかった。どうしてもケンカ腰になってしまう。
「ともかく、犯行声明が届いているんだ。どう受けて立つか。これを決めるしかないな」
先に落ち着こうと言ったのは、非難された陽明だ。自分にも責任があることは解っている。しかし、この事態をあえて見過ごしたのも事実だ。そこを法明に解らせなければならない。
「確かに、怒鳴り合っていても進みません。しかし」
法明も一度大きく息を吸ってそう言ったが、テーブルの上に置かれた犯行声明の書かれた紙を見ると、拳が自然と震えてくる。これほどの理不尽を経験したことがない。それが大きな理由だ。
「犯行声明は至ってシンプルだ。
『緒方桂花は預かった。無事に返してほしくば現世から完全に手を引け。その要求が飲めない場合、緒方桂花の魂は消滅する』
だ。奴ならば可能だろうな。遠藤紫門はこの時代においても呪いのスペシャリストだ。奴と同じであり、さらには少々特殊な俺ですら勝てないと思うことが、奴の知名度が上がったというのもあるだろうが、現代ではたまにある。あいつの力は確実に上がっているんだよ。今回のこれは脅しじゃない。魂を完全に消し去り、お前に再会のチャンスすら与えない気だ。もちろん、輪廻転生もない」
「っつ」
読み上げられた犯行声明に、さらに陽明が付け加えた注釈に、法明の拳が一層震える。そして思わずぎっと陽明を睨んだ。そこまで解っていてなぜ誘拐される瞬間に止めなかったのか。そう睨むことで問い掛ける。
「俺を睨んだって仕方ないだろ。この件の責任は俺じゃなくてお前にある。この薬局に彼女を引き入れた時から、こういうことが起こるリスクがあることは理解していたはずだ。奴にとってあんたの存在が最大の邪魔になっているんだ。俺みたいに適度に利用するという手を打ってどうにかなる相手じゃないからな。奴は誰かを祝うことはないんだ。俺の対。陰を担う男。そんな呪いの専門家にとって、あんたは邪魔なんだよ」
はっきり、きっぱりと陽明は言い切る。そして、そのリスクを知っていて尚、どうして桂花をこの薬局に雇ったのか。そう睨み返すことで問う。
「解っています。いくら自分の存在理由が現世利益にあろうと、この世に干渉するのはよくないと理解しています。でも、何かする力を持っているというのに、何もしないのはもう嫌だったんです。そのきっかけを与えてくれたのが」
「緒方桂花、か。なるほどね。あの光琳寺の孫娘だという時点で薄々は気づいていたけどな。しかし、お前がロリコンだとは思わなかった」
「だ、誰が、ロリコンですか」
さっきまで真っ青だった顔を真っ赤にする法明に、陽明はいつものにやにや笑いを浮かべてしまう。先ほどまでの緊迫感はどこへやら。言い合う二人に弓弦も円も呆気に取られるしかない。
「どういうことだと聞きたいのはこちらだ。状況がますますややこしくなってしまっただろ。だから昨日、全部言えと言ったんだ。遠藤がお前を狙って動いているのは確実なんだぞ。わざわざ招杜羅を使ったのも、対立する前に出て行けっていう意味だったんだ。今考えると、緒方さんが先に見えたのも、彼女に危険が差し迫っていたからだったんだろう。それにお前を追い返したいあいつが、この機会を見逃すはずがないじゃないか。昨日のことで緒方さんはお前に不信感を持っている。それが心の隙になったんだ。だから、俺はこの件を引き受ける時にも散々警告しただろ」
「今更言うなよ。それに篠原の動きを防ぐのがお前の役目じゃねえのかよ。ライバルを自任しているくせに、そういうところで手を抜くんじゃねえ。居場所を突き止めていたんじゃないのかよ」
「ともかく落ち着いて」
言い合うのは法明、陽明、そして弓弦だ。どんどんヒートアップしていく三人を止めに入っているのは、もちろん円である。
場所はいつもの蓮華薬師堂だ。しかし、営業時間を過ぎているというのにシャッターは開かず、四人は休憩室で話し合いをしている。しかも、事態が事態であるだけに落ち着いて話し合いとはいかなかった。どうしてもケンカ腰になってしまう。
「ともかく、犯行声明が届いているんだ。どう受けて立つか。これを決めるしかないな」
先に落ち着こうと言ったのは、非難された陽明だ。自分にも責任があることは解っている。しかし、この事態をあえて見過ごしたのも事実だ。そこを法明に解らせなければならない。
「確かに、怒鳴り合っていても進みません。しかし」
法明も一度大きく息を吸ってそう言ったが、テーブルの上に置かれた犯行声明の書かれた紙を見ると、拳が自然と震えてくる。これほどの理不尽を経験したことがない。それが大きな理由だ。
「犯行声明は至ってシンプルだ。
『緒方桂花は預かった。無事に返してほしくば現世から完全に手を引け。その要求が飲めない場合、緒方桂花の魂は消滅する』
だ。奴ならば可能だろうな。遠藤紫門はこの時代においても呪いのスペシャリストだ。奴と同じであり、さらには少々特殊な俺ですら勝てないと思うことが、奴の知名度が上がったというのもあるだろうが、現代ではたまにある。あいつの力は確実に上がっているんだよ。今回のこれは脅しじゃない。魂を完全に消し去り、お前に再会のチャンスすら与えない気だ。もちろん、輪廻転生もない」
「っつ」
読み上げられた犯行声明に、さらに陽明が付け加えた注釈に、法明の拳が一層震える。そして思わずぎっと陽明を睨んだ。そこまで解っていてなぜ誘拐される瞬間に止めなかったのか。そう睨むことで問い掛ける。
「俺を睨んだって仕方ないだろ。この件の責任は俺じゃなくてお前にある。この薬局に彼女を引き入れた時から、こういうことが起こるリスクがあることは理解していたはずだ。奴にとってあんたの存在が最大の邪魔になっているんだ。俺みたいに適度に利用するという手を打ってどうにかなる相手じゃないからな。奴は誰かを祝うことはないんだ。俺の対。陰を担う男。そんな呪いの専門家にとって、あんたは邪魔なんだよ」
はっきり、きっぱりと陽明は言い切る。そして、そのリスクを知っていて尚、どうして桂花をこの薬局に雇ったのか。そう睨み返すことで問う。
「解っています。いくら自分の存在理由が現世利益にあろうと、この世に干渉するのはよくないと理解しています。でも、何かする力を持っているというのに、何もしないのはもう嫌だったんです。そのきっかけを与えてくれたのが」
「緒方桂花、か。なるほどね。あの光琳寺の孫娘だという時点で薄々は気づいていたけどな。しかし、お前がロリコンだとは思わなかった」
「だ、誰が、ロリコンですか」
さっきまで真っ青だった顔を真っ赤にする法明に、陽明はいつものにやにや笑いを浮かべてしまう。先ほどまでの緊迫感はどこへやら。言い合う二人に弓弦も円も呆気に取られるしかない。
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