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第80話 奏汰は天使寄り!?
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「結局、俺がなんで悪魔に好かれて、悪魔にならないか。理由は解らないってことだな」
奏汰の確認に
「うん」
ルシファーがあっさりと頷き
「ああ」
「そうですね」
サタンとベルゼビュートも同意した。
「意味が解らん!」
その状況に一番吼えるのはガブリエルだった。
なんで当事者より先に吼える。奏汰は呆れて縛られている天使を見た。
「ともかく、甘美な匂いがするのが奏汰だからなあ。俺様も初めて会ったとき、ああ、猫姿でこっそり見てた時、こんな人間がいるのかと驚いたほどだ」
ルシファーはうんうんと一人納得している。
「いやいや。根本的なところがそんなに適当でいいのかよ。っていうか、よくそれで伴侶だと言い続けたな」
奏汰は俺にも解るように説明してよと頭を抱えてしまう。
お前のせいで人生が大幅に変更されたというのに、結局その理由は解りませんなんて、納得出来るか!
「いや、だから、俺様だって奏汰と気持ちが通じ合えば、奏汰は悪魔になるんだと思ってたんだぞ。でも、その・・・・・・奏汰って堕落とは無縁らしくて、これだけ魔界にいても、そして俺様の傍にいても悪魔になりそうにないんだよねえ」
俺様だって困っているとばかりにルシファーは反論する。
なんだ、この平行線。
「ふむ。つまりあれか。その人間の魂は高潔だというわけだな」
そこに間抜けの烙印を押されていたガブリエルが、そう考えると解ることがあるぞと言い出す。
「本当かよ?」
真っ先に疑うのはサタンだ。この人は心の底からガブリエルをバカだと思っている。
「本当だよ。つまり、奏汰というその人の子は、お前らがかつて持っていたものを持っているんだ。だから甘美な匂いがするし、求めてしまう。つまり、心のバランスを取りたいと願うが故だ」
「ほへっ?」
意外とまともに考えたらしい意見が出て来たが、ルシファーは何を言っているんだという顔。
「ええっと、つまり、皆さんが天使時代に持っていたピュアな部分ってこと?」
一方、何とか理解出来た奏汰だが、訊きつつも恥ずかしいなと思った。
何だよ、ピュアって。俺、別にピュアじゃねえよ。
「そう、そうだ、人の子よ。つまり君は悪魔というより天使に近い。いや、済まなかった。滅するなんてとんでもない考えだった。君は高邁な精神の持ち主だ」
ふむふむと、ボサボサ頭のガブリエルは一人で納得している。
一方、悪魔の皆さんはどう思うと首を傾げ中。
「まあ、確かに奏汰は快楽に流されないし」
「ルシファーをグーで殴るし」
「サタン王を前にしても普通だし」
言い分としてはあってるかなあ。でも、天使寄りってのは認めにくいなあ。
そんな感じに陥っている。
「なるほど。希有な魂がいると、父なる神に報告せねば。じゃあ、俺は帰る!」
こうして散々場を掻き乱したガブリエルは、ぽんっと音を立てて天界に帰ってしまったのだった。
奏汰の確認に
「うん」
ルシファーがあっさりと頷き
「ああ」
「そうですね」
サタンとベルゼビュートも同意した。
「意味が解らん!」
その状況に一番吼えるのはガブリエルだった。
なんで当事者より先に吼える。奏汰は呆れて縛られている天使を見た。
「ともかく、甘美な匂いがするのが奏汰だからなあ。俺様も初めて会ったとき、ああ、猫姿でこっそり見てた時、こんな人間がいるのかと驚いたほどだ」
ルシファーはうんうんと一人納得している。
「いやいや。根本的なところがそんなに適当でいいのかよ。っていうか、よくそれで伴侶だと言い続けたな」
奏汰は俺にも解るように説明してよと頭を抱えてしまう。
お前のせいで人生が大幅に変更されたというのに、結局その理由は解りませんなんて、納得出来るか!
「いや、だから、俺様だって奏汰と気持ちが通じ合えば、奏汰は悪魔になるんだと思ってたんだぞ。でも、その・・・・・・奏汰って堕落とは無縁らしくて、これだけ魔界にいても、そして俺様の傍にいても悪魔になりそうにないんだよねえ」
俺様だって困っているとばかりにルシファーは反論する。
なんだ、この平行線。
「ふむ。つまりあれか。その人間の魂は高潔だというわけだな」
そこに間抜けの烙印を押されていたガブリエルが、そう考えると解ることがあるぞと言い出す。
「本当かよ?」
真っ先に疑うのはサタンだ。この人は心の底からガブリエルをバカだと思っている。
「本当だよ。つまり、奏汰というその人の子は、お前らがかつて持っていたものを持っているんだ。だから甘美な匂いがするし、求めてしまう。つまり、心のバランスを取りたいと願うが故だ」
「ほへっ?」
意外とまともに考えたらしい意見が出て来たが、ルシファーは何を言っているんだという顔。
「ええっと、つまり、皆さんが天使時代に持っていたピュアな部分ってこと?」
一方、何とか理解出来た奏汰だが、訊きつつも恥ずかしいなと思った。
何だよ、ピュアって。俺、別にピュアじゃねえよ。
「そう、そうだ、人の子よ。つまり君は悪魔というより天使に近い。いや、済まなかった。滅するなんてとんでもない考えだった。君は高邁な精神の持ち主だ」
ふむふむと、ボサボサ頭のガブリエルは一人で納得している。
一方、悪魔の皆さんはどう思うと首を傾げ中。
「まあ、確かに奏汰は快楽に流されないし」
「ルシファーをグーで殴るし」
「サタン王を前にしても普通だし」
言い分としてはあってるかなあ。でも、天使寄りってのは認めにくいなあ。
そんな感じに陥っている。
「なるほど。希有な魂がいると、父なる神に報告せねば。じゃあ、俺は帰る!」
こうして散々場を掻き乱したガブリエルは、ぽんっと音を立てて天界に帰ってしまったのだった。
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