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第81話 神からの贈り物!?

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 ガブリエル騒動があった翌日。
「な、何これ?」
「神からの贈り物だそうだ」
 屋敷に届いたでかい箱に奏汰は呆然。ルシファーは面白くないと腕を組んでいる。
 そう、ガブリエルは一人であれこれ納得し、そのまま神に進言してしまったようだ。結果、そんな素晴らしい奴がいるならばと、こうして神様から贈り物が届いたという次第。
 しかもそれが馬鹿でかい。庭にどどんと一メートルはある箱が置かれている。その箱は純白で、綺麗な花束で装飾されているという拘りまであった。
「変なの入ってないよね」
「さあな。とはいえ、四大天使が直々に見定めているから、試練の箱ということはないだろう。問題は中身が何かってことだけどな」
 二人は箱を前に、開けるか否かで悩んでしまう。しかし、このまま庭のオブジェにするわけにもいくまい。
 今も庭を歩いていた七面鳥が、邪魔だよとばかりに箱を突いている。
「あ、開ける前にサタンとベルゼビュートも呼ぼうよ」
 奏汰はそれでも戦力がいた方がいいと、そう提案。
「ああ、それもそうだな。って、ベルゼビュートだったら透視が出来るだろう。頼もうぜ」
 ルシファーは名案だと、いそいそとリビングに戻った。そこから電話を掛ける。
「そう言えば、そこは魔法じゃないんだよな」
 そんなルシファーの後ろ姿を見ながら、意外と魔法って制約があるんだろうなと苦笑してしまう。
 そういえば、魔法の制約についても話が途中で終わっていたな。出来ないことの一つが電話か。
 考えている間にルシファーは電話を終えて、またいそいそと戻って来た。
「すぐに来てくれるってよ」
「あ、ああ」
 しかし、なぜこんな巨大なものが贈られたのだろう。っていか、こんな一メートルはある箱に梱包されるものって何だ。
「解んないよなあ」
「解らんねえ」
 奏汰とルシファーは再びそろって首を捻る。と、そこにばさっという羽音が聞こえ、サタンとベルゼビュートが庭に降り立った。二人とも城から飛んできてくれたのだ。
「おおっ、これはまたでかい箱だな」
 サタン、見たまんまの感想を口にする。
「神からの贈り物、ですか。まあ、変な物に違いないでしょうが、見てみるしかないですね」
 そしてベルゼビュートはいつでも大人の意見だ。
「透視出来るか?」
 ルシファー、開ける前に中身が知りたいんだよとベルゼビュートに訊く。
「そうですねえ」
 ベルゼビュート、そう言うと箱に近づく。そしてそっと目を閉じて数分。
「これ、結婚祝いの品ですね」
 ベルゼビュートはそう断言。
「け、結婚祝い!?」
「ほう。あのくそボケの割りには結婚を認めるのか」
 目を剥く奏汰と違い、ルシファーは笑顔ながらも嫌味。
「まあ、ええっと、ウエディングドレスが見えたので」
「いや、男だし」
「そういうところは神の意地だよなあ。断固として男同士の恋愛は認めたくないらしい・・・・・・いや、待てよ。となると・・・・・・奏汰、それに触れてはならん」
「えっ?」
 奏汰が手を触れようとするのをルシファーは阻止。
「ベルゼビュート、大丈夫か?」
 そしてサタンも険しい顔。
「私は先読みして魔法を使っていましたので。では、焼却してよろしいですね」
「ああ」
「うん」
「ええっ!?」
 急展開に驚いている間に、ルシファー、サタン、そしてベルゼビュートまでが炎の魔法を使って、巨大な箱を燃やしてしまったのだった。
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