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命の重み
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ある日、幼稚園からの帰り道、公園の前に置いてあるダンボールを見つけた優くんはダンボールの中を見ました。
そこに入っていたのは、小さな小さな栗色の子犬でした。
優くんはその犬にきっと一人ぼっちだったのだからこれからは唯一無二の存在として一緒にあそびたくて唯と付けました。
唯はよく食べ、よく走る元気のいい犬でした。優くんは毎日唯のリードをひいて一緒にお散歩し町の人と交流しました。
優くんの「おはようございます!」はこの町のシンボルとなり、唯の「ワンっ!ワンっ!」という鳴き声はみんなの癒しになりました。
唯は優くんが幼稚園から帰ってくるのが待ち遠しくてたまりません。
毎日、その小さな背中を待っています。
時は経ち優くんがお母さんと喧嘩をしたり、学校で友達と仲が悪くなり、揉めて泣いて、少しづつ成長していく歳になりました。
唯に八つ当たりをする事も沢山ありました。でも、唯はそんな優くんにしか懐きませんでした。
親友ができ遊ぶのに夢中になって散歩に連れて行って貰えなくなっても唯はずっと優くんを待っていました。
そんなある歳、優くんももう優くんではなく桜田 優さんとして社会に出ました。都会に行き田舎とは違う窮屈感に苛まれ、ただ毎日を繰り返すだけ、そんな日々を送りました。
その歳の夏、実家へ戻るといつも通りの唯が出迎えてくれました。物が見えなくなったその瞳は暗く、足取りはおぼつかない、でも優くん目掛けて一直線に走り出しました。
「久しぶりのお散歩だね」
優くんは張り切って、あの頃と変わらずお散歩に出かけました。くたびれた青のリードは原色が分からないくらいに色が落ち、今にも切れそうです。
そしてまた時は経ち、優くんが実家に戻ると唯が出迎えしてくれました。その足取りはもう見ていられない程になり優くんはいても立ってもいられなく唯を抱き上げました。
待っていたよ!といわんばかりの暖かさともう弱弱しくなったワンっ!という声はいつも優くんを待ち続けています。
その日、唯は息を引き取りました。優くんは21歳、唯は18歳。犬にとっての18歳はもうおじいちゃんなのです。
優くんは悲しみにくれました。
でも、きっと唯は見ているのでしょう。
命の尊さと思い出に涙する優くんを。唯は唯一人ぼっちではなく、優くんの中で唯一無二の存在になっていたのです。
あれから4年、優くんにもお嫁さんができ、息子もでき、優くんは一家の大黒柱になったのです。
優くんは言いました。「犬を飼おう、栗色の。名前は唯、息子にお世話をさせよう。」
子供が出来たら犬を飼いなさい。その子の人生をささえ、幸せも辛さも分かち合い、最期はその命をもってかけがえのない世界に一つだけの大切な命の存在を教えてくれます。
生き物はいずれ死ぬ。その命の重さを幼いうちから共に育ってきたペットが身をもって教えてくれるでしょう。
子供が出来たら犬を飼いなさい
そこに入っていたのは、小さな小さな栗色の子犬でした。
優くんはその犬にきっと一人ぼっちだったのだからこれからは唯一無二の存在として一緒にあそびたくて唯と付けました。
唯はよく食べ、よく走る元気のいい犬でした。優くんは毎日唯のリードをひいて一緒にお散歩し町の人と交流しました。
優くんの「おはようございます!」はこの町のシンボルとなり、唯の「ワンっ!ワンっ!」という鳴き声はみんなの癒しになりました。
唯は優くんが幼稚園から帰ってくるのが待ち遠しくてたまりません。
毎日、その小さな背中を待っています。
時は経ち優くんがお母さんと喧嘩をしたり、学校で友達と仲が悪くなり、揉めて泣いて、少しづつ成長していく歳になりました。
唯に八つ当たりをする事も沢山ありました。でも、唯はそんな優くんにしか懐きませんでした。
親友ができ遊ぶのに夢中になって散歩に連れて行って貰えなくなっても唯はずっと優くんを待っていました。
そんなある歳、優くんももう優くんではなく桜田 優さんとして社会に出ました。都会に行き田舎とは違う窮屈感に苛まれ、ただ毎日を繰り返すだけ、そんな日々を送りました。
その歳の夏、実家へ戻るといつも通りの唯が出迎えてくれました。物が見えなくなったその瞳は暗く、足取りはおぼつかない、でも優くん目掛けて一直線に走り出しました。
「久しぶりのお散歩だね」
優くんは張り切って、あの頃と変わらずお散歩に出かけました。くたびれた青のリードは原色が分からないくらいに色が落ち、今にも切れそうです。
そしてまた時は経ち、優くんが実家に戻ると唯が出迎えしてくれました。その足取りはもう見ていられない程になり優くんはいても立ってもいられなく唯を抱き上げました。
待っていたよ!といわんばかりの暖かさともう弱弱しくなったワンっ!という声はいつも優くんを待ち続けています。
その日、唯は息を引き取りました。優くんは21歳、唯は18歳。犬にとっての18歳はもうおじいちゃんなのです。
優くんは悲しみにくれました。
でも、きっと唯は見ているのでしょう。
命の尊さと思い出に涙する優くんを。唯は唯一人ぼっちではなく、優くんの中で唯一無二の存在になっていたのです。
あれから4年、優くんにもお嫁さんができ、息子もでき、優くんは一家の大黒柱になったのです。
優くんは言いました。「犬を飼おう、栗色の。名前は唯、息子にお世話をさせよう。」
子供が出来たら犬を飼いなさい。その子の人生をささえ、幸せも辛さも分かち合い、最期はその命をもってかけがえのない世界に一つだけの大切な命の存在を教えてくれます。
生き物はいずれ死ぬ。その命の重さを幼いうちから共に育ってきたペットが身をもって教えてくれるでしょう。
子供が出来たら犬を飼いなさい
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