ただの世界最強の村人と双子の弟子

ヒロ

文字の大きさ
101 / 163
第6章 協力者

第61話 シャルティが見たもの

しおりを挟む
===ルル視点========================

「「「「「…………………………」」」」」
「だんまりですか………」

 姉さんは勿論、ティフィラさんもエルガさんもオリナも私も何も言えない。
 だって、お師匠様が決める事に私達が勝手に決めたら怒られるに決まってる。

「………表彰式で返事を聞かせてください」
「…私達が何て答えるかはその杖で分かるんじゃないの?」
「………私が見れるのは現在の状況からの未来。そして、私が見る未来は絶対。故に、現在の状況を変えないと、する」
「「「「「「!?」」」」」」

 今…………、シャルティ様は世界が滅亡するって言った。シャルティ様が見れるのは一年後。つまり、一年の間に世界が滅亡するって事になる。

「『全能の大英雄』様が戦った『神の強欲ゴットグリード』の手によって…………」
「…………っ!」

 聞いた事の無い言葉だったけど、オリナは脂汗をかいている。……恐らく、どんな連中なのか知っているんだろう。

「………私はここらで失礼します。では、御機嫌よう」

 シャルティ様は普通に扉を開けて、部屋から出て行った。部屋には突然の事で、頭が追いつかない私と同じように困惑している姉さんとティフィラさん、エルガさん、アイと何かを知ってそうなオリナが残された………。

===シャルティ視点========================

「おかえりなさいませ、シャルティ様」
「それはいいから、早く出してください」
「はっ」

 私は馬車に乗り込み、御者に指示を出してから、ゆっくりと馬車に備え付けられた質の良いフカフカなソファーに座る。
 平気そうな顔に見えるけど、これでの結構疲れています。何せ、あの『全能の大英雄』様に指導を受けたリリさんとルルさんですよ?一歩間違えればきっと、私は死んでいたでしょう。

「…………破滅の未来………」

 それは、私が毎年、年の初めに見る未来視で見えた未来。私の能力はであって、未来予知ではない。私はこのままだとこの未来になるという事で、これからその未来を回避するような行動を起こせれば、また見た時には変わった未来が見える。つまり、未来を変える事は可能。
 私は今日も未来を見る。

「…………まだ変わってない」

 けど、相も変わらず、この目に映るのは崩壊していく世界のみ。その崩壊の中心にいかれた様子の男とその付近で倒れているリリさんとルルさんと『全能の大英雄』様。この未来は、年の初めからまるで変わっていない。つまり、まだまだ修正しないといけないって事だ。

「…………絶対にこの世界は守る」

 私は小さく揺れる馬車の中で決意した。私の使命を忘れないように…………


===ルル視点========================
 
「取り敢えず、ユウキに連絡しましょ」

 ティフィラさんは自身の精霊に"アイテムボックス"を使わせ、お師匠様との通信石を取り出す。イアさんが見つかるまで使わないようにしていたけど、今回はお師匠様に聞かないといけないから仕方ない。

「早速連絡を取るわよ」

 全員が固唾を飲んでピカピカ光る通信石を凝視する。ピカピカ光っているのは、通信を試みている証拠らしい。

「…………まだなの?」
「もう少し待ちましょうよ」

 待つ事、10分。

「…………………ねぇ、まだ?」
「………師匠も忙しいんですよ」

 待つ事、30分。

「…………………………おかしくない?」
「…………きっと手が離せないんですよ」

 待つ事、1時間。

「………………………………なんで出ないのよっ!!」
「………………通信が届かないところに行っているんじゃ………」
「ユウキがそんな単純な問題を抱えたものを渡すとは思えないわ」

 確かに、お師匠様の魔導具はどれもずば抜けて凄いものばかり。距離で連絡が取れなくなる通信石を遠く離れる事になる私達に渡すはずがない。

「……………………………………どうします?」
「はぁ、仕方ないわ。明日の試合は棄権して別の場所に行ってイアを探しましょう」
「そうですね、そうしましょう」

 ティフィラさんの案を採用し、私達は少し狭くなった部屋で寝た。



「おはようございます」
「「………………」」

 私と姉さんが顔を洗い、ちょっと街の離れで修行をしようと扉を開けた時、目の前にはシャルティ様がいた。

(バタン)
「ねぇ!どうする!?」
「……取り敢えず、みんなを起こそう」

 扉を閉めた後、私達はティフィラさん達を起こしにかかる。睡眠の邪魔をするのは気がひけるけど、緊急事態発生中なので、仕方ない。


「何よ~~!あの女が朝早くいる訳「おはようございます」…………」
(バタン)
「いたわ………」
「いるでしょう!?」

 ちょっとキレ気味に扉を開けたティフィラさんだけど、本当にいる事にもはや冷めたように反応している。

「で、どうするんですか?」
「"転移"で逃げましょう」
「あっ!その手がありましたね!!」

 ティフィラさんの案を採用し、私とティフィラさん、オリナが"転移"の準備に入る。けど………

「おはようございます!!」

 勢いよく扉を蹴るように(実際蹴った)開けたシャルティ様によって、集中力が切れて"転移"出来なかった………。



「ムカつく!あのクソ女め!!」
「はぁ、どうします?」

 現在、私達は闘技場で本選に行ったエルガさんを待ちながら、今後の事について話し合おうとしていた。

「あのー、本選の為のトレーニングとかは………」
「そんなのは要らないわよ。そんな事より表彰式での返事よ」

 とても本選出場者とは思えない口ぶり。

「まあ、断りますよね?」
「勿論だけど、断り方をどうしようかなって」
「……………これも知られていた場合は?」
「恐らく、知っていると思いますし、私達の対策もしてあるかと」

 姉さんの言った通り、知られている可能性は十分ある。

「…………対策されていても私達に対抗出来る筈はないわ」

 ティフィラさんの言う事は最もだけど、不安が残ったままだった…………。


 
 そして、私と姉さんは戦闘する事もなく、相手が棄権するというつまらないまま、試合が進み、ティフィラさんとエルガさんは試合は出来たけど、楽しくなさそうにしながらも、嫌がらせとしてゆっくりとした試合をしながら進み、アイも問題なく進んだ。今日の試合が時間的に終わり、いよいよ明日が私達で戦う事になった。組み合わせは分からないけど、私達の誰かに当たるのは変わらない。一人だけ知らない奴と戦う人がいるけど。

「ここにはイアはいないんだし、別のところに行きたいよ~~」
「やめんか、いい年した大人が」

 宿に帰った途端、ティフィラさんは子供が駄々をこねるように部屋の中をゴロゴロと転がる。それを見て、呆れているオリナ。けど、ティフィラさんの気持ちは分かる。
 私はお師匠様と離れて悲しかったけど、自由で楽しかった。辛い事もあったけど、それを含めて旅だと思ってる。けど、今の私達は偉い人に従っている大人みたいだ。そんなの、嫌だ。きっとお師匠様に笑われてしまう。
 一刻も早くシャルティ様の呪縛から抜け出さないと………!

===============================

 ちょっと投稿が遅れてしまい、申し訳ございません!!

 シャルティの能力は凄まじいですね!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

処理中です...