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ネルヴァ?
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気づくと朝だった、八島との電話の後制服のまま寝てしまっていたらしい。とりあえず風呂に入ることにした、寝汗をかいていたのをどうにかしたかった。
朝のシャワーは気持ちよく、ドライヤーで髪を乾かしながら時計を見ると普段なら学校で一時限目を受けている時刻だった。
携帯を見ると2件のメッセージが来ていて片一方は母から先生への休みの連絡は入れてある、そして、昼ごはんは冷蔵庫にあるものを温めて食べてというメッセージ。
もう片一方は鹿野からだった。全身から余裕がなくなりメッセージを開けるのに体が強張る。びびっていても仕方がない…。思い切って開くことにした。そこには【風邪って聞いたけど…大丈夫?】という文字と可愛い顔文字が添えられていた。友達として仲良くしてと言ったのは自分だけど、こんなメールを貰うと自分が惨めで仕方なかった。携帯の電源を切ってソファに投げると自室に向かった。
眠気もなかったのでパソコンの電源を入れ、通話アプリを立ち上げる。そこには案の定葵さんからのメッセージが来ていた。
***
葵さんと知り合ったのは中学2年の時八島がクラスで流行っているというチャット(ネットで見知らぬ人とお喋りできるサイト)を僕に進めたのがきっかけだった。流行りに乗っ
てアカウントを作りチャットを始めた。最初は見知らぬ人と話すのには抵抗があったけど、慣れるとはまってしまい、夜遅くまですることが多くなった、そんなある日葵さんにあった。話が合い意気投合すると、通話アプリのアカウント教えあった。それから葵さんとは長い付き合いで愚痴を言い合ったり、恋バナをしたりしている。
***
画面を見ると、告白うまくいった?? という葵さんからのメッセージが来ていた。葵さんには鹿野とのことをよく相談にのってもらっていた。告白することももちろん前日から話していたのだった。葵さんは絶対うまくいったとおもっているだろうから返信はしたくなかったけど、コメントを見てしまったので無視はできない。うまくいかなかったです。と返信を打つと、急にお腹が鳴った。昨日の夜何も食べてなかったのを思い出し、冷蔵庫にむかう、中には生姜焼き炒めがあったのでそれをレンジで温めること数秒、チンッと音がなり、蓋を開ける。蒸気と一緒に生姜焼きのいい匂いがした。
箸と皿を持って自室に戻ると葵さんからメッセージが来ていた。
【いま、話せる??】
はい。と返すと軽快な音楽と電話マークが画面に浮かんだ、それをマウスを動かしてタッチした。
「ごめんね…。私が大丈夫とか言ったから…。」
なぜ謝るんだろう鹿野も葵さんも。誰も悪くないのに…。
「いやいや、元々駄目元だったんで、逆にスッキリしました。」
「本当?」
葵さんの風鈴のような透き通った声が一瞬だけ低くなる。心配してくれてるんだろう…。
「本当に大丈夫です!それより葵さんの方はどうなんですか?サークルの先輩とのデート!」
葵さんは大学の2回生で同じテニスサークルに彼氏がいるのだ。つい先日デートに行くから楽しみだと喜んでいた。
「楽しかったよ」
こんどは風鈴が弱々しく震えたような気がした。
「嘘ついてません?」
「なんでそう思うの?」
「いや、いつもと声の感じが違うなって思って」
「それだけ?」
「それだけです。」
葵さんはふふっと笑った。
「変ですか?」
僕もちょっとおかしくなって尋ねる。
すると葵さんが
「おかしいよ!」
笑いながら返してくれた、その声はいつもの夏の風と一緒に響く堂々としていて、淡い風鈴の音に戻っていた。
朝のシャワーは気持ちよく、ドライヤーで髪を乾かしながら時計を見ると普段なら学校で一時限目を受けている時刻だった。
携帯を見ると2件のメッセージが来ていて片一方は母から先生への休みの連絡は入れてある、そして、昼ごはんは冷蔵庫にあるものを温めて食べてというメッセージ。
もう片一方は鹿野からだった。全身から余裕がなくなりメッセージを開けるのに体が強張る。びびっていても仕方がない…。思い切って開くことにした。そこには【風邪って聞いたけど…大丈夫?】という文字と可愛い顔文字が添えられていた。友達として仲良くしてと言ったのは自分だけど、こんなメールを貰うと自分が惨めで仕方なかった。携帯の電源を切ってソファに投げると自室に向かった。
眠気もなかったのでパソコンの電源を入れ、通話アプリを立ち上げる。そこには案の定葵さんからのメッセージが来ていた。
***
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てアカウントを作りチャットを始めた。最初は見知らぬ人と話すのには抵抗があったけど、慣れるとはまってしまい、夜遅くまですることが多くなった、そんなある日葵さんにあった。話が合い意気投合すると、通話アプリのアカウント教えあった。それから葵さんとは長い付き合いで愚痴を言い合ったり、恋バナをしたりしている。
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画面を見ると、告白うまくいった?? という葵さんからのメッセージが来ていた。葵さんには鹿野とのことをよく相談にのってもらっていた。告白することももちろん前日から話していたのだった。葵さんは絶対うまくいったとおもっているだろうから返信はしたくなかったけど、コメントを見てしまったので無視はできない。うまくいかなかったです。と返信を打つと、急にお腹が鳴った。昨日の夜何も食べてなかったのを思い出し、冷蔵庫にむかう、中には生姜焼き炒めがあったのでそれをレンジで温めること数秒、チンッと音がなり、蓋を開ける。蒸気と一緒に生姜焼きのいい匂いがした。
箸と皿を持って自室に戻ると葵さんからメッセージが来ていた。
【いま、話せる??】
はい。と返すと軽快な音楽と電話マークが画面に浮かんだ、それをマウスを動かしてタッチした。
「ごめんね…。私が大丈夫とか言ったから…。」
なぜ謝るんだろう鹿野も葵さんも。誰も悪くないのに…。
「いやいや、元々駄目元だったんで、逆にスッキリしました。」
「本当?」
葵さんの風鈴のような透き通った声が一瞬だけ低くなる。心配してくれてるんだろう…。
「本当に大丈夫です!それより葵さんの方はどうなんですか?サークルの先輩とのデート!」
葵さんは大学の2回生で同じテニスサークルに彼氏がいるのだ。つい先日デートに行くから楽しみだと喜んでいた。
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「嘘ついてません?」
「なんでそう思うの?」
「いや、いつもと声の感じが違うなって思って」
「それだけ?」
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葵さんはふふっと笑った。
「変ですか?」
僕もちょっとおかしくなって尋ねる。
すると葵さんが
「おかしいよ!」
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