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2章 敗者と拝者
敗者と拝者Ⅰ
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突然夜中に目が覚めた。隣のベッドを見ると、スヤスヤ眠っているレムがいた。まぁ、どうでもいいか。
(トイレ、トイレっと……)
起き上がろうとした時、体が動かなかった。
金縛りーー
(えーと、トイレに行きたいんだけど……)
その時、何処からか物音がした。
「!」
(まさか、心霊現象?)
しかし、そんなことを言ってられなかった。もはや、尿意は限界値に達していた。涙目になっていたソフィーナは、助けを求めようと隣で眠てるレムに声をかけた。
「ねぇ、レム」
「ん、何?」
意外にすんなりと返事がきたのには驚いたが、
「わ、私金縛りにあってるんだけど、助けてくれない?」
しかし、返事がなかった。
「まさか、笑ってる?嘘とかじゃないから、マジ観念」
「いやさー、私も絶賛!金縛り中なんだわ。しかも、トイレに行きたい」
まさかの、お隣さんも同じ状況だった。絶望したその時、
「ぎゃぁぁーーー!」
「ぎゃぁぁーーー!!」
突然のレムの悲鳴に驚いた私は、思わず悲鳴で返し、そして気づいた時には下半身辺りから生暖かい感触を受ける。それは、布団の中で広がっていった。
(神様、私おねしょをしてしまいました)
少し泣きながらも、原因かつ犯人を見てやると、隣では既に起き上がり、でもトイレに間に合わないと悟ったのか、どっかから持って来たバケツでーー
「何してるの?」
「いや、見ないでくれる。恥ずかしいから」
少し顔を赤くしながら訴えてきた。
「何で大声出したの?」
「いや、大声出したら金縛りとけるかなって思ったら案の定で、本当助かったわ」
「私はあんたのせいで助かられなかったわよ」
「ゴメン、助けて欲しいって言われながら助けてもらって感謝してる。だから、ソフィーナがおねしょしたこと黙っておくね」
「ムカっ」
「大丈夫、信じて。私口は堅いから。絶対に、その歳でおねしょとかマジあり得ないとか、おねしょして泣きながら金縛りにあったんだからしょうがないでしょとか幼稚な嘘ついておねしょを仕方がなかったからと
おねしょを正当化する可哀想なソフィーナ
のことは誰にも言わないからね♪」
その後、レムに制裁を与えたのは当然。どんな制裁かはご想像におまかせするとして、制裁を加えられても、なおニヤニヤしているレムの口を封じる方法がないかと考えていたがーー
朝、
「ねぇ、ケイティさん。ソフィーナね、夜おねしょしたんだよ」
早速、おねしょ話しを事務所内に広めやがった。
「あら、ソフィーナもまだ子供ね。レムのお姉さんとして見てたのに、これじゃあレムがソフィーナのお姉さんってことになるのかしら」
「ねぇ、ソフィーナ。今日の夜からオムツした方がいいんじゃない?」
「バケツで○○してた奴が言うな!レムこそ、オマルが必要なんじゃない?」
「この歳でオマルとかないよー」
「お前が言うか!」
「オマルじゃ、○○飛び出ちゃうからPトイレで」
(※Pトイレはポータブルトイレの略称)
「こらこら、やめなさい。女の子が外で下品な話しをするもんじゃありません。それより、依頼きてますよ」
【依頼】
情報管理局から、朝鮮大国に占領された韓国で、新たな化学兵器の製造をひそかに行われているとの情報が入った。速やかに阻止を行うにあたって、製造元と、化学兵器の更なる情報を求められる。その情報収集に、情報管理局との協力をお願いする。
「韓国ですか」
「ねぇ、この依頼。依頼料書かれてないけど」
「依頼料は今回はないよ」
「「はっ!?」」
「ハハ、勿論タダじゃないわよ。でも、情報管理局はあくまで任意でやる仕事。国の税金がなくなった今、企業の少ない投資で遣り繰りしなきゃいけない。だから、依頼料は現金じゃなく、ある権利を貰えるって言うのが今回の報酬。無論、そんな報酬は何処の事務所も依頼として引き受ける所はない」
「じゃあ、何で引き受けたんだよー」
「情報管理局に恩を売ると言う所長の御意見よ。あの人は、そうやって、他からも恩を売ったりして情報を集めてる。それも商売。うちの看板が他の事務所より名が広いのは所長の名前があるからなのよ」
「うち、そんなに有名なんだ」
「レム、うちに毎年就職したいって子が3000人以上いるのよ。勿論、募集してないから断るんだけど、それでも今年は1人入ったわね。所長が直接面接して気に入ったから雇ったみたいけど」
「それでも、倍率3000倍・・・・」
「まぁ、このご時世ですからねぇ」
「ケイティさん。その、今回はじゃあ恩を売る目的と言うことになるんでしょうか」
「いや、それもあるけど権利を貰えるのが今回の目玉かな。でも、他の事務所にとっては使えない権利。使わないが正しいかな。でも、うちらは必要な権利。レムにとってはちょっとしたボーナスになるかも」
「?」
「それはいったいどんな権利なんですか?」
「日本に行ける権利。具体的に日本都市、東京へ行くことができるパスよ」
東京。日本都市の場所。そして、上空にあの穴の空いた空がある、人間が住めなくなり廃墟となった原因、かつ『冬の五感』をうみだした元凶がある場所。
レムはそこに行きたがっていた。
穴の奥にはいったい何があるって言うの……
(トイレ、トイレっと……)
起き上がろうとした時、体が動かなかった。
金縛りーー
(えーと、トイレに行きたいんだけど……)
その時、何処からか物音がした。
「!」
(まさか、心霊現象?)
しかし、そんなことを言ってられなかった。もはや、尿意は限界値に達していた。涙目になっていたソフィーナは、助けを求めようと隣で眠てるレムに声をかけた。
「ねぇ、レム」
「ん、何?」
意外にすんなりと返事がきたのには驚いたが、
「わ、私金縛りにあってるんだけど、助けてくれない?」
しかし、返事がなかった。
「まさか、笑ってる?嘘とかじゃないから、マジ観念」
「いやさー、私も絶賛!金縛り中なんだわ。しかも、トイレに行きたい」
まさかの、お隣さんも同じ状況だった。絶望したその時、
「ぎゃぁぁーーー!」
「ぎゃぁぁーーー!!」
突然のレムの悲鳴に驚いた私は、思わず悲鳴で返し、そして気づいた時には下半身辺りから生暖かい感触を受ける。それは、布団の中で広がっていった。
(神様、私おねしょをしてしまいました)
少し泣きながらも、原因かつ犯人を見てやると、隣では既に起き上がり、でもトイレに間に合わないと悟ったのか、どっかから持って来たバケツでーー
「何してるの?」
「いや、見ないでくれる。恥ずかしいから」
少し顔を赤くしながら訴えてきた。
「何で大声出したの?」
「いや、大声出したら金縛りとけるかなって思ったら案の定で、本当助かったわ」
「私はあんたのせいで助かられなかったわよ」
「ゴメン、助けて欲しいって言われながら助けてもらって感謝してる。だから、ソフィーナがおねしょしたこと黙っておくね」
「ムカっ」
「大丈夫、信じて。私口は堅いから。絶対に、その歳でおねしょとかマジあり得ないとか、おねしょして泣きながら金縛りにあったんだからしょうがないでしょとか幼稚な嘘ついておねしょを仕方がなかったからと
おねしょを正当化する可哀想なソフィーナ
のことは誰にも言わないからね♪」
その後、レムに制裁を与えたのは当然。どんな制裁かはご想像におまかせするとして、制裁を加えられても、なおニヤニヤしているレムの口を封じる方法がないかと考えていたがーー
朝、
「ねぇ、ケイティさん。ソフィーナね、夜おねしょしたんだよ」
早速、おねしょ話しを事務所内に広めやがった。
「あら、ソフィーナもまだ子供ね。レムのお姉さんとして見てたのに、これじゃあレムがソフィーナのお姉さんってことになるのかしら」
「ねぇ、ソフィーナ。今日の夜からオムツした方がいいんじゃない?」
「バケツで○○してた奴が言うな!レムこそ、オマルが必要なんじゃない?」
「この歳でオマルとかないよー」
「お前が言うか!」
「オマルじゃ、○○飛び出ちゃうからPトイレで」
(※Pトイレはポータブルトイレの略称)
「こらこら、やめなさい。女の子が外で下品な話しをするもんじゃありません。それより、依頼きてますよ」
【依頼】
情報管理局から、朝鮮大国に占領された韓国で、新たな化学兵器の製造をひそかに行われているとの情報が入った。速やかに阻止を行うにあたって、製造元と、化学兵器の更なる情報を求められる。その情報収集に、情報管理局との協力をお願いする。
「韓国ですか」
「ねぇ、この依頼。依頼料書かれてないけど」
「依頼料は今回はないよ」
「「はっ!?」」
「ハハ、勿論タダじゃないわよ。でも、情報管理局はあくまで任意でやる仕事。国の税金がなくなった今、企業の少ない投資で遣り繰りしなきゃいけない。だから、依頼料は現金じゃなく、ある権利を貰えるって言うのが今回の報酬。無論、そんな報酬は何処の事務所も依頼として引き受ける所はない」
「じゃあ、何で引き受けたんだよー」
「情報管理局に恩を売ると言う所長の御意見よ。あの人は、そうやって、他からも恩を売ったりして情報を集めてる。それも商売。うちの看板が他の事務所より名が広いのは所長の名前があるからなのよ」
「うち、そんなに有名なんだ」
「レム、うちに毎年就職したいって子が3000人以上いるのよ。勿論、募集してないから断るんだけど、それでも今年は1人入ったわね。所長が直接面接して気に入ったから雇ったみたいけど」
「それでも、倍率3000倍・・・・」
「まぁ、このご時世ですからねぇ」
「ケイティさん。その、今回はじゃあ恩を売る目的と言うことになるんでしょうか」
「いや、それもあるけど権利を貰えるのが今回の目玉かな。でも、他の事務所にとっては使えない権利。使わないが正しいかな。でも、うちらは必要な権利。レムにとってはちょっとしたボーナスになるかも」
「?」
「それはいったいどんな権利なんですか?」
「日本に行ける権利。具体的に日本都市、東京へ行くことができるパスよ」
東京。日本都市の場所。そして、上空にあの穴の空いた空がある、人間が住めなくなり廃墟となった原因、かつ『冬の五感』をうみだした元凶がある場所。
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