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第一章 幼少期編
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「はい。」
当たり障りのない日常。今日はタリーシャ先生も来る日ではないので自分の部屋で勉強していたらドアをノックする音が聴こえてきた。
「レミリア、入って良いかしら?」
「お母さま?……どうぞ。」
珍しいですね。お母さまが私の部屋に来るなんて。
「失礼するわね。貴女に話したい事と渡したい物があってきたのよ。」
「渡したい物…、ですか。」
今日は何かあったのだろうか?
「少し遅れてしまったのだけれど貴女の誕生日プレゼント。開けてみてちょうだい。」
そう言って渡された箱を開けて見るとそこには私の瞳の色と同じ翡翠のネックレスが入っていた。
「貴女に似合うと思って作ってもらったのよ。付けてみましょう。きっと似合うわ」
お母さまはネックレスを私の首に付けて、微笑む。
「似合っているわ。レミリア、誕生日おめでとう。」
「ありがとうございます。でもどうしてプレゼントなんか……。」
「貴女はもう6歳だもの。立派なレディになる為に頑張って欲しいと思ったの。それは御守りよ。
それに…貴女には酷いことをしたと思っているの。貴女が記憶を失った時そばにいてあげられなかった。
まだ小さいベロニカにかかりっきりで貴女を放置してしまった。
母でありながら貴女を怖がってしまった。言い訳みたいに聞こえるかもしれないけれど、私はあなたの事を大切に思ってるわ。愛する可愛い娘なのだから。
簡単に許して欲しいなんて言わないわ。たまに、たまにでいいの、こんな母親でも、会ってくれるかしら?」
今まで嫌われているのだとばかり思っていたのに突然のお母さまからの謝罪で目をぱちくりとしか出来ません。
よく見たらお母さまの手が少し震えていて、でもちゃんと強い眼差しで私を見ていて……。
「お母さま、私は昔の記憶がありません。」
「っ、…ええ。」
「それに私はお母さまに嫌われているのかと思っていました。」
「っ!そんな事は絶対に無いわっ!貴女は私が産んだ子なのだからっ!」
「お母さま。」
「っ、ごめんなさい。いきなり大きな声を出してしまって。」
「大丈夫です。私嬉しいんです。否定してくれて。私がお母さまに意地悪したみたいになっちゃいましたね。」
「レミリア……。」
お母さまは私のいたずらっ子みたいな微笑みに微笑み返してくれました。
「お母さまがよろしければ私とたまにお茶会をしてくれますか?お母さまのこと色々知りたいです。」
「ええ、ええっ!勿論よっ。」
そう言って抱き締めてくれたお母さまの暖かい温もりは私の心にまで染みるようで、どこか懐かしいと思えた。
「お母さま、このネックレスありがとうございます。大切にします。」
首にかかっているネックレスを手で包み込み微笑んでお礼を言った。
「いいのよ。喜んでくれて嬉しいわ。
話は変わるのだけれど、勉強の方はどう?先生と上手くやっていけている?」
「はい。色々なことに触れたり体験する事もさせて頂いています。どれも勉強になって楽しいです。」
「良かったわ。タリーシャさんに頼んで正解だったみたいね。これからも無理なく頑張ってね。」
「はい。ありがとうございます。」
しばらく他愛のない話をした。ほとんど私の勉強やタリーシャ先生に連れて行ってもらった場所の話だけれど、お母さまは文句も言わず笑顔で聞いてくれていた。
「ずっとお邪魔しててはいけないわね。レミリア、今度ゆっくりお茶会をしましょう。その時にまた貴女の話を聞きたいわ。」
「はいっ!」
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