ある独りの侯爵令嬢は精霊に愛される。

玲藍

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第二章 王宮編

5 オスカー

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「ここが王宮の庭園だ。」

「わぁっ…立派な庭園ですわ。オスカー様連れてきて下さりありがとうございます。」

母上が紹介してきた婚約者候補の令嬢は庭園を見てぱあっと目を輝かせて満面の笑みだった。
母上が紹介したい人が来たから来るように。なんて面倒くさかった。ただでさえ勉強や剣術、魔法学と色々させられているのにまだ何かあるのかと思っていたら。
次は婚約者候補…か。

「いや、別に…私は妃殿下に言われたから連れてきただけだ。」

「それでもありがとうございます。おかげでこんなに綺麗な花々を見る事が出来ますから。」

たしか…レミリアと言っていたな。変わった女だ。庭園ひとつで目を輝かせるなんて。恐らく花が好きなのだろう。

「レミリア嬢…」

「オスカー様、私の事をどう思いますか?」

いきなりの質問で驚き彼女を見る。彼女の目は俺を真っ直ぐ見ていた。

「どう、とは?」

「オスカー様の正直な気持ちが知りたいのです。ただそれだけです。」

俺を真っ直ぐ見て逃がさない彼女は嘘を言ってない。そうか。これは彼女なりの歩み寄りなのかもしれない。そう思うと素直に言葉が出ていた。

「そうだな、はっきり言って驚いてる。俺は婚約者候補がいるなんて知らなかったからな。
それに女はただただ媚を売ってくるものだと思っていた。だから庭園を見ただけで目を輝かせていたお前は変わり者だと思った。」

「そうですか。オスカー様、私もついこの間まで婚約者候補になっているだなんて知りませんでした。マーガレット様がお忍びでパーティーに来た時にポロッと言われたのです。目が点になりました。
本当は、今日王宮に来るの少し不安だったのです。オスカー様、貴方に嫌われるのではないかと。でも変わり者扱いされてましたね。」

思っていた言葉とは違う…というか婚約者候補と知ったのがこの間?という事は俺と同じだったのか。それも母上がポロッと言った…あの人ならやりかねない。
笑顔で帰ってきた言葉にさらに驚いたが、レミリア嬢は悪い令嬢では無いと、そう思った。

「それとオスカー様、私のことはレミリアで結構ですよ。レミリア嬢と呼ばれるとなんだかむず痒いのです。」

「…わかった。レミリア。」

「なんだかんだですけれどよろしくお願いします?わ。オスカー様。」

「ああ。」

レミリアが俺の婚約者候補で良かったと心から思った。



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