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本編
27 side 璃奈
しおりを挟む「神子様、参りましょうか。」
「はい。」
神域に行く為、神子の正装に着替えました。なんというか、体のラインがものすごくはっきり分かってしまいます。……恥ずかしいです。
純白のマーメイドドレスみたいなのです。ウエディングドレスみたい……。それでも普段より少し服が重いのでゆっくりしか歩けないわ。
「神子様、ゆっくりで大丈夫ですよ。」
「すみません、大神官さん」
いえいえ、と大神官さんは歩幅を合わせて歩いてくれた。
しばらくして白い大きな扉の前に辿り着きました。
「ここが神域でございます。」
「ここが……。」
すごく大きな扉です。一人じゃ開けられなさそう。
お入りくださいと案内され、中に入ると部屋の中は白と金できらびやかに装飾されています。そのまま真っ直ぐ歩いていくと祭壇みたいな物が見えてきました。
「ここが神域の祭壇になります。こちらには直接女神様が降りて来てくださると言われております。」
「そうなんですか……。」
女神様か、どんな人なんだろう。きっと神様だから綺麗でお淑やかな方なんでしょうね。会えたら嬉しいのだけれど、神様だから会えないのかしら…?
「それでは神子様、私は失礼致します。ここからは、お一人でのお祈りと守護となります。一刻たったらお迎えに上がります。」
えっ?一人でやるなんて聞いていない…。でも神子は私一人だものね、ちゃんと頑張らなくちゃ。
えっと、まず女神様へのお祈りよね。
「ルヴィエーラの女神様、はじめまして、でいいのかしら……?神賀院璃奈です。神子としてよろしくお願い致します。」
『いいえ、こちらこそよろしくねっ!』
「……え?今誰が……?」
『上よ上っ!ここよっ!』
ふっと上を向くとそこには美人で妖艶な大人の女性がいます。しかも浮いてますわ…。
『はじめまして、ルヴィエーラの神ですわ。璃奈ちゃん来てくれてありがとう。なかなか来れなくてごめんなさいね。あの世界神君は酷いわよっ、始末書1000枚だなんてっ!』
「始末書……?」
神様って始末書書くんですね。
『そう、始末書よ。巻き込んでしまった子がいるでしょう?その子を世界神君に任せたら反省文書けって紙が送られてきたのよっ!すぐにでも貴方の傍に行きたかったんだけれど。』
「世界神君……?この世界の神のトップってことですか?それに任せたって……」
『ええ、そうよ。だってあの子黒髪でしょう?この国には居られないのよ。』
「えっ……それどういうことですか?」
何で?ランスロット様はちゃんと城下で働いているって……。どういう事なの、ランスロット様が嘘をついたと言うの?
『どうも何もそのまんまよ?…………まさか、リナちゃん、知らなかったの…?』
コクリと何も考えられないくらいに混乱した状態でなんとか頷きました。
『私が居ないうちにこんな事になるとは思っていなかったわ。私のミスよ。ごめんなさいね。』
「いいえ、何も疑うことをせずに居た私が悪いです。女神様、ひとつお聞きしますが、私は神子ですよね。」
『ええ、私が選んだ、私の加護を受けし者よ。』
「それでは女神様は私に付いてきてくれますか?」
『それはもちろん。私の可愛い神子ちゃんだものっ!』
「その言葉に嘘偽りは無いですよね?」
『ええ!無いわよっ!』
それは良かった。案外女神様ちょろいですね。味方になってくれるのなら嬉しい限りです。さぁ、嘘をついたこと、私は許しませんわよ。
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