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本編
28 side 璃奈
しおりを挟む女神様からの許可も頂いたことですし、始めましょうか。ランスロット様、優しい方だと勝手に勘違い……いえ、鵜呑みにしてしまったのは私です。
そういえば、ランスロット様はあの子のお名前を1度も言っていませんでしたわね。ご友人と言っていただけ。こんな場所に甘ったれて居た私が悪いですわ。
神域の扉を開け、廊下へと出ます。
「神子様、どうかされましたか?まだお時間にはお早いと思いますが……」
見張り役の神官でしょうか、今は貴方に構っている暇はないのです。
「もう用は済みましたわ。私はランスロット王太子殿下と大神官に用があるのです。分かったのなら下がりなさい。私は神子よ。貴方達より身分はずっと上の筈でしょう。」
静かな怒りのある声に神官はビビりそれ以上何も言ってこなくなりました。ふふっ、見てなさい。怒った女の子というのは強いのよ?
スタスタと少し早めに歩いて王太子と大神官の元に向かっていましたが騒ぎを聞きつけ、あちらから来てくれました。手間が省けていいことですわ。
「リィナ、どうしたのだ?今日は神域での祈りと守護をしていたのではないのか?」
「ええ、していましたわよ。そして女神様にもお会いしました。」
「神子様、それは誠に幸福なことです。」
何が幸福なのか説明してもらいましょう。こんなに醜い方々が上に立つ王国など腐りきっているに違いありません。
「幸福?それは私の事?それとも国民?……それとも貴方々かしら…。」
「神子様…、どうかされましたか?何が気に触ることがおありでしたら何なりとお申し下さい。」
シラを切るつもりなのかしらね。あの娘を追い出したことを私には知られていないと思っているからかもしれないわね。
「そう。では、私が巻き込んでしまった…いいえ、女神様が巻き込んでしまったもう一人の女の子はどうしたのですか?」
「リィナ、それは先日も言っただろう?ご友人は城下で働いていると。」
「ランスロット王太子殿下、それならば、あの子の名前をご存知ですか?仕事を紹介したのならば、お名前くらい聞いていますわよね?」
そう言うと優しい王子様とは、遠い苦虫を噛み潰したような顔をしながら黙り込む王太子殿下。
そして開き直ったかのように黒い笑顔を浮かべています。これは、真っ黒ですわね。
「そうですか。お名前をご存知無いのですね。」
「騎士達よ神子を捕らえろっ!」
いきなり大神官が叫んだと思うと大勢の兵達がどどっと押し寄せてきました。
威勢のいいことです事。だんだん馬鹿馬鹿しく思えてきましたわ。
『そんなことさせる訳無いじゃない。』
ふっと出てきた女神が私の周りに結界を作ります。意外と使えますのね、女神様も。
「なっ……女神様、だとっ!」
「一体何をおっしゃっているのです?私は神子、女神様と意志疎通が出来るに決まっているじゃないですか。」
王子様も、大神官も、何故そんなことくらいで驚いているんですの?まだ驚くには早いというのに…。先が思いやられます。
『私の神子本当に可愛くてかっこいいわぁ。』
「女神様、ちゃんと仕事してくださいね。」
『ええ、もちろんよっ。コホンッ。ルヴィエーラの王族達よ。邪に染まったそなた達王族に与える加護はない。神判により加護を取り払い、血が途絶えるまでその罪を抱えよ。それがそなた達に与える最後の罰である。』
打ち合わせの通りにありがとうございます。さて私は暴れましょう。何が1発でも叩き込まないと気が収まりませんもの。ふふふっ!
「【光の妖精たちよ。闇に染まりしかの者に裁きの鉄槌を】」
唱えると光の矢が無数に出来ていき、その矢が周りにいるルヴィエーラの兵達を次々と攻撃していきます。王太子にも辛うじて当たっているようですね。もっとちゃんと当たってくださいよ。
あ、それとも矢と言っても殺しはしていませんよ。平和主義です。仮死状態もらっているだけですからね。
「リ、リィナ、もうやめて欲しい。この国を、王族を殺す気か?」
「殺す?そんな簡単に殺すわけないじゃないですか。王太子殿下、さっさと気絶していただけませんか?目障りです。【水の精霊よ、静かな雨を振らせ、ここにいる者達を眠りへといざなえ。】」
今あの子がどうしているのかを今すぐに聞きたいけれど、その前に王族や神殿の者達を捕えなくては。
ふふふっ。こんな国無くなっても大丈夫よ。統治している人が馬鹿なのなら近い未来無くなる国なのだから。
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