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第一章

episode2「ウェポン・ワールド」

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俺は今、困惑していた
なぜなら、化粧をしている男性だったのだ
しかし、スカートは履いておらずスーツを着こなしている
また探偵がかぶるような帽子をかぶっている

「あら?どうしたの?もしかして怪我したの!?」
「え・・・あ、いや大丈夫です・・・・」
「ところで、あなたのお名前とか聞いてもいいかしら?」
「あぁはい 剣山将吾です」
「つるぎやま、しょうごねぇ・・・・」
そう言うと、何やら端末のようなものを取り出して操作をし始めた
「・・・変ねぇ・・・?出ないわねぇ・・・?」
「どうしたの?」と、さっきの女性が駆け寄り、話し合っていた
しばらくして、また俺に話しかけてきた
「あの申し訳ないんですが、ちょっと特会まできてもらってもいいですか?」
そう言うと、俺が目指していた建物を指さした
あれは「特会」っていうのかと思い、同行することにした

特会に近づくとかなり大きな建物だった
何階建てだろうか、20階はありそうなイメージだった
とりあえず中に入り、2人の男女が受付カウンターで受付員に話た後
俺に「こっちだ」と言わんばかりにエレベーターに手招きした
そして中には入り最上階の20階を押した

到着し扉が開くと、両開きのドアがあり上のスペースに
「大本部」という部署名が書かれてあった
中に入ると社長室のような感じで、机と椅子に70代前後の男が座っていた
「失礼いたします 山元川会長」その言葉に反応した男は
「おぉ薬丸くん それに影山くんじゃないか」
その山元川という人はシワがあり、髪の毛が真っ白で老眼鏡をかけていた

山元川「して、今日は何用かな?」
薬丸「はい、この人についてです
先ほど雷を使ったウェポンマスターが大暴れしてるという通報を聞き
なんとか捕まえましたが、そのそばにこの人がいたんです」
影山「名前を聞いて調べたのですが、全く出てこなかったんです
そのため、同行させていただき事情を聞こうと思ったわけです」
山元川「ほほう。して、キミがそうなのかね?」と言い俺を見てくる
俺は信用してもらえるとは思わなかったが、正直に全て話した
するとその山元川さんはただただ頷いていた

山元川「すると君は、自分の世界からこちらの世界に来たと言いたいのかね?」
「はい、そうです 信じてもらえないとは思いますけど・・・」
山元川「いやなに、案ずることはない
不思議なこともあるのだなと思っただけじゃよ
・・・ところで、自己紹介がまだだったな ワシの名前は『山元川源哉』
こう書いて『さんげんかわげんや』とよむ
この特会の・・・・いや、正式名称を言ったほうが良いか
この「特殊能力管理協会」の会長を務めております
ついでだから、君の隣にいる2人も紹介しよう」
薬丸「私は『薬丸直子(やくまるなおこ)』戦闘班所属の18歳です」
影山「私は『影山薫(かげやまかおる)』私もこの子と同じで戦闘班所属よ
あ、年齢は20歳ね」
「俺は、もう知ってると思いますが『剣山将吾』です」
山元川「ほほほ、良い名前だ 
して、剣山くん
君はこの世界についてはよく知らないだろうから、私から説明させてもらう」
そう言うと、長々と説明し始めた

この世界は「ウェポン・ワールド」と呼ばれる世界で、俺が住んでる世界とほぼ同じだそうだ
ここの中心部は高層ビルやインターネットがある「都会」の感じである
しかし中心部以外は、海・山・森・砂漠も存在している

この世界の住人の大半は、特殊能力「通称:ウェポン」を持っており
それを活かして生活している者が多い
しかし、その力を使って悪用している奴もいる
それを管理するためにこの「特会」があるのだという
特会にはそれぞれ、研究班・管理班・調査班・戦闘班・医療班が存在しており
戦闘班以外の部署には、ウェポンマスターはほとんどいない

山元川「・・・とまぁ長くなってしまったが、そういうことだ
各班の事は2人を同行させるから、そこに行って聞くと良いだろう」
「あの・・・・俺の処遇はどうなるんです・・・?」
山元川「いやなに、君を捕まえたりはしないよ
犯罪を起こしてないし、能力を持ってないのだからね
しかし、君の事はよくわからないことが多い
とりあえずは、管理班か戦闘班の個室があるから、そこに居座りなさい
さて、ほかに聞きたいことがなければ、各班について聞くといいであろう」
「分かりました、ありがとうございます」
そういい、部屋を後にした

薬丸「ハァ~もぅ超疲れたァ~」
影山「ちょっともう、だらしないでしょ~」
薬丸「だって会長ってなんかすっごいオーラ感じるから、かなり緊張するもん」
影山「まったくもう・・・・ あ、ごめんなさいね変な会話してて」

・・・・キャラの変わりようが凄かった
普段はこういう性格なのだろうか?

影山「とりあえず、まずは戦闘班から見て回ってもいいかしら?」
「あ、はいよろしくです」
薬丸「あれ~なんか固くない?」
影山「当たり前でしょ まだ来たばっかで何も分かんないんだし
・・・あ、もう着いたわ ここよ」
そういいエレベーターを出ると、両開きのドアがあった
扉を開けると、「戦闘班」という文字があるプレートを見つけた

戦闘班は個室がたくさんあった
武具を支給している場所や、物を置くための倉庫もあった
影山「空いてる場所は・・・ここね ん?あら~!私の隣ね!」
薬丸「しかも私の真正面じゃない! なにこれ偶然?」
・・・・この男性の隣と聞いてゾクッとしてしまった・・・・

個室内はベッドと机と椅子があり、TVやシャワーとトイレが兼用の部屋がある
さながらホテルのようだった
とりあえず俺の個室に2人と俺が入り、説明をし始めた

戦闘班は、名前のとおり主に戦闘を行う
武具は支給されてるものなら、なんでも使用可能で
壊しても特に罰則なく、むしろ利用者は少ない
基本的にロスト(死亡)しやすい部署のため、報酬や手当の額がよく
この部署で働いて生計を立てるウェポンマスターも多くいる

そして、言い忘れてたかのように能力者(通称:ウェポンマスター)も紹介した
内容は影山の端末にこう記されてあり、それを読んだ

※ステータス説明※
ウェポンマスターにはステータス
いわゆる自分のスペックがある
高ければ高いほど強く、低ければ低いほど弱くなる
ステータスは全部で以下の6つ

「筋力」
「防御」
「素早さ」
「魔力」
「運」
「成長性」

最初のレベルは1からスタートで、20でカンストする
非ウェポンマスターではない場合は、レベル表記はない

表記は「A~E」評価となっており、特殊能力の影響で「A~E」評価になる場合もある
しかし、「運」と「成長性」は変化しないことが多い
「成長性」以外は成長するたびに上昇していき、一定数に達すると変化する
「成長性」だけは、限界値に到達していくために
必要な「時間と経験値の評価」であるため変化しない

「成長性」が限界に到達すると評価が「完成」になると
他のステータスは上昇しなくなり、新しい技も覚えなくなる

筋力:自分のパワーや筋力に用いられる
高いほど相手に大ダメージを負わせることができる
また、物を壊したり引っ張ったり持ち上げる等にも反映される

防御:自分の耐久力に用いられる
物理や魔法などのダメージを軽減できる
また、怪我の回復速度にも影響される

素早さ:自身の素早さに用いられる
高いほど素早く動けたり、先に行動し先制攻撃を仕掛けやすくなる
攻撃の速さや回避にも影響される

魔力:特殊能力を使う時に用いられる
発動スピードや持続力、消費量などに影響される
また、魔力の回復力にも影響される

運:自分の運勢に用いられる
例えば、ギャンブルの時に大金を持ち帰ったり
事故を起こしそうになったとき避けれるなど、そういう時に運が影響する

成長性:自身のステータスUPや、新しい技を覚えたりするときに用いられる

高いと成長しやすく新しい技を覚えやすいが
ステータス上昇値が変化しにくい

低いと成長しにくく新しい技も覚えにくいが
ステータス上昇値が変化しやすい

※ウェポン説明※
能力の種類は、自分自身の性格やステータスに影響される
また、能力は戦闘を行うなど成長していくとともに、新しい技を覚えていく
どんな能力になるのかは、能力を得た人だけにしかわからない

能力を得て覚醒する方法は以下のとおりである
1:生まれつき
2:能力が入ってる「サンプル」を注入する
3:親か親族が能力者
4:修行か訓練をする

ということだった
俺は保護観察に置かれているため、覚えなくても良いとことだった
俺は次の班に行きたかったが、疲れもあるだろうからと言われ
そのまま休むことにした
俺の運命はどうなってしまうのだろうか・・・・?
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