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第三章

episode22「能力者の経緯」

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次の日になった
俺は、支度していた荷物を用意して車に向かった

車み着くと、ちょうど6人が乗れるようになってた
「あれ?お二人のお仲間は同行しないんですか?」
と阪本さんに尋ねた
阪本「あぁ、流石に全員を乗せれんしの
せやから、ワイと卯月ちゃんが代表で、君らに同行することになったんや」
卯月「本当は、遠出がしたくって1人で行こうとしたのを
私が同行する形で、他のメンバーに許可もらってましたよね?」
阪本「あ、いやぁそれは・・・
ま、まぁたまには、こういうのもええかなぁって思うてただけやから・・・・
ささ、早よ車に乗ろうや!」
阪本さんと卯月さんって、相性良さそうな感じがするなぁ
と、そんなことを思いつつ、俺は助手席に座ることにした
運転は阪本さんがかなり乗り気だったため、任せることにした
真ん中の席に美優と直子が座り、後ろに卯月さんと薫が座った
薫が「美優ちゃんは直子ちゃんの隣の方が、気を使わなくて済むでしょ?」
と、気の利いた事を言ってくれたため、美優も安心してた

車を走らせて30分
後ろの方の4人は、やたら女子トークで盛り上がってる様子だった
・・・1人男性がいるのは気にしないでおこう・・・
阪本「おぅおぅ、しょーもない事で盛り上がっとるなぁ・・・」
女子トークにうんざりしてたのか、運転してた阪本さんが話しかける
「えぇ、楽しそうで何よりです」
阪本「はぁ・・・こっちの身にもなれっちゅーねん・・・
あぁせや、将吾くん、体の調子はどないや?」
急に変なことを聞いてきて、驚いてしまった
阪本「あぁスマンの、わかりやすく言うわ
君『適合者』やけどさ、体になんも影響ないんか?」
「いえ全く、それどころか、体にかなり馴染んでます」
阪本「そうかぁ、ならええんやけど・・・、不思議なこともあるもんやなぁ」
「どういう、ことですか?」
阪本「いえね、君が注入した『クラフト・ブレード』やっけ?
あれね、長年「適合者」がおらんかったってことで有名らしいで
そんで、もうこれアカンやろってことで、廃棄処分にする予定だったそうやで」
「そ、そうだったんですか・・・・」
阪本「まぁ、ワイも聞いただけやから、よう知らんけどな」

俺は阪本さんに聞いてみたいことがあったので、聞くことにした
「阪本さんは、なんで『戦闘班』に入ろうと思ったですか?」
阪本「せやなぁ、この『戦闘班』に命を助けてもろうたからやな」
そう言うと阪本さんは語り始めた

阪本「ワイな、小さい頃は病弱やったんよ
風邪とかひいたら、一週間は休まなあかんぐらいにな
せやけど、買い物に行かないけん時に、めまいがしてしもうたんや
そん時は子供やから、『これはもうあかんわ・・・』って思うてたら
偶然『戦闘班』が、すぐにワイをおんぶして『医療班』に連れてってくれたんよ
ホンマにあん時におらんかったら、買い物が出来んかったわ」
「なるほど・・・・そんなことが・・・」
阪本「でな、ワイは「助けてくれた人のようになりたい」と思うようになって
体力作りなどを人一倍してきたんや
その結果として、『戦闘班』に配属された上に、今は『チームDの隊長』や
人間な、1つの出来事で、その先の運命が変わるんやで」
1つの出来事で、その先の運命が変わる・・・か・・・
俺がこの世界に入ってきたのも、その『1つの出来事』なんだろうな

阪本「ちなみにワイの夢は
『ワイと同じ子供がおったら、同じことをしてやりたい』やな
あと、ワイは『サンプルを注入した能力者』やで
自分から『能力者になりたい』って言ったし
・・・お、そろそろ見えてきたでぇ
おう、後ろに座っとるおたくらも、ええかげん話やめて調査するで」
俺が前を見ると「この先『アルデラ』」という看板が立っていた

阪本「この地域は、西部映画に出るような田舎っぽい所や
砂漠とか、そういうのが普通にあったりするで
ここに、能力者ウェポンマスターがおるらしい
どんな奴かは知らんが、みんな用心しいや?」
そういい、その町並みに入っていった


某所
ノックが聞こえた
???「誰だ?」
「コードネーム『ファースト』です」
???「入れ」
ファースト「失礼いたします」
中に入ると、黒いスーツを着た男が椅子に座っている
???「要件はなんだ?手短に済ませろ」
ファースト「はい、例の者達が『アルデラ』に進行中な模様です
先日の『戦闘班Bチーム』を始末した際に、勘付いたそうです
どうしますか?何か対策はあるのでしょうか?」
???「心配するな、もう対策してある
あいつの能力は『厄介』だから、そうそうやられないだろう
・・・要件は終わりか?」
ファースト「はい、失礼いたしました」
そういい、扉を閉めて去っていく
???「そろそろ、俺も戦闘の準備をするかな・・・」
そういい、どこかへと行ってしまった
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