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◆君のための歌◆
◇温度差2◇
しおりを挟む「俺はさ、星野が心配なんだ。」
西条さんと付き合うならなんであんな告白したの…?
わたしは馬鹿だから信じて、嬉しくて、舞い上がって…
こんな事になるなんて思ってもなかった。
「…お願いだから…近付かないで…」
これ以上辛い思いするのは嫌だよ…
優しくされるたびに好きになる。
そんな事も知らないで…優しくなんてしないで…。
「星野…」
「もう嫌なの…!だからお願い…!」
わたしは震える声で叫んだ。
先生は一瞬驚いた表情を見せて、呟く。
「…分かった…ごめんな?…辛い思いさせて」
違う…そうじゃない…
確かに辛いけど…嫌なのは、ダメだと分かっててもどんどん先生のことを好きになる自分。忘れようとしても忘れられない自分が嫌なの…。
先生と一緒にいて辛いことはあった。
けど、幸せだって思えたことの方が多かったから…。
静かに保健室を立ち去る先生。
「待って」って言えたら、この気持ちを伝えたらどうなるんだろう。
そんなできもしない事ばかり考えてる。
やっぱりわたしは自分の事を好きになれない。
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