27 / 27
閑話 神界
閑話 神界の世界
しおりを挟む
「あっはは見なよ。」
「何だ…騒ぞうしい…人の子がどうかしたのか」
「あの子やっぱり面白い子だったよ。」
「お前が転生させた子供だろ?」
「あぁ。あの子は今、とても不安定だね。」
天界…全てが美しい世界。美しい彫刻、美しい調度品。全てが神を、この世界を統治するものを飾り立てるために存在していた。
そんな中、まるでテレビを見るかのように鏡を見る二柱の神がいた。
「相変わらず意地が悪いなお前は」
「良いじゃん良いじゃん高々人の子が界渡りをさせるほど彼らの魔法技術が高まったってことでしょ?」
「そのためにはいかなる犠牲を正当化したようだがな。」
「界渡りするにはボクらが手を貸すか対象者の魂が狭間で崩壊しないように保護しなくちゃ行けないからまぁ仕方ないよね。」
「2000人だぞ?小国ひとつ分くらいあるではないか」
「その供物を一人で用意したあの白髪の子もどうかと思うけどね」
「あのものは…掛け合わせ…か?」
「恐らくそうだろうね。人里で暮らす人狼族と山奥で暮らす鬼人族とを掛け合わせた感じかな。」
「掛け合わせて新たな種を作るとは…我々への冒涜ではないのか?」
「相変わらず君は頭が固いね。」
「お前が浅慮なだけだろ」
「おっとこれから会議やるんだった。ちょっと行ってくるね。」
「おう。」
銀髪に赤い瞳。美術品のような美しさを持った少女が駆けて行った先にあったのは厳かな雰囲気のある神殿。
その神殿の中では大小ざまざまな神々が座っていた。
その数総勢10柱。皆一様に渋い顔をしている。
「あれあれ?どうしたの?皆さん元気がなさそうだね。」
わざとらしく銀髪の神が口を開く。すると今度は禿頭の神が苦々しく言い返す。
「白々しい。マーナよあの子どもは何者じゃ?」
「これはこれは君の賭け枠は暴食の子だろ?いやぁ愉快だね。今もうちの子が戦ってるよ。」
「黙れこの弱小神の分際で!」
天界で、神々は暇だった。
地上の子どもたちの行く末を見守り、時に罰を与える神々は同じような営みを続けていく人間を見て、刺激が欲しくなった。
そうして始まったのがこの賭けである。各世界から1人を選択し、同じ世界で競わせると言ったものだが、掛けていたのは世界の命運。この賭けに負けたものは世界の管理権限を失う。それ即ち神の死という訳である。神々からすれば命懸けの闘いである。
「それにしてもお前の権能が空間だからといって空間操作はやりすぎではないのか?」
「いやいや。人の心を操って戦争を仕掛ける様な連中に言われたくないね。」
「ルールには抵触していないはずだが?」
空間を司る神マーナ。その野望は世界の統一だった。
(この世界にこんなに神はいらない。)
悠叶の送り込まれた世界には10柱の神がいた。それぞれの神が勇者として彼らを送り込んでこのゲームを運営している。
「止めぬか。勝敗は子どもたち次第。戦闘には干渉できんルールじゃろうが。」
「そうだね。」
「しっしかし…」
「しかしもカカシもあるものか。もっと子どもを信じなくてはダメじゃろうが」
「あっ…どうやらうちの子が勝ったみたいだね。ありゃ…随分とご立腹だなぁ…。何したの?」
「しっ知らぬわ!あぁ…わしの権能が…。」
かつては大規模な戦争を起こし、神々は権能を奪い合っていた。
その都度世界は崩壊の危機にさらされたが、神々からすればただのイタズラで、その賭けを咎める者などいない。
戦果のように権能を奪い合い、万能神となった神もいた。しかし、闘いの無意味さを知り、また他の神々に権能を配ったという。
その後この神界で万能神の姿を見たものはなく、一部では人界に降りたとの噂である。
「さて、うちの子に余計なちょっかいをかけてきた阿呆がいるのだけれど、誰かな?」
神々も息を呑むほどの冷たい微笑みがそこにはあった。
「何だ…騒ぞうしい…人の子がどうかしたのか」
「あの子やっぱり面白い子だったよ。」
「お前が転生させた子供だろ?」
「あぁ。あの子は今、とても不安定だね。」
天界…全てが美しい世界。美しい彫刻、美しい調度品。全てが神を、この世界を統治するものを飾り立てるために存在していた。
そんな中、まるでテレビを見るかのように鏡を見る二柱の神がいた。
「相変わらず意地が悪いなお前は」
「良いじゃん良いじゃん高々人の子が界渡りをさせるほど彼らの魔法技術が高まったってことでしょ?」
「そのためにはいかなる犠牲を正当化したようだがな。」
「界渡りするにはボクらが手を貸すか対象者の魂が狭間で崩壊しないように保護しなくちゃ行けないからまぁ仕方ないよね。」
「2000人だぞ?小国ひとつ分くらいあるではないか」
「その供物を一人で用意したあの白髪の子もどうかと思うけどね」
「あのものは…掛け合わせ…か?」
「恐らくそうだろうね。人里で暮らす人狼族と山奥で暮らす鬼人族とを掛け合わせた感じかな。」
「掛け合わせて新たな種を作るとは…我々への冒涜ではないのか?」
「相変わらず君は頭が固いね。」
「お前が浅慮なだけだろ」
「おっとこれから会議やるんだった。ちょっと行ってくるね。」
「おう。」
銀髪に赤い瞳。美術品のような美しさを持った少女が駆けて行った先にあったのは厳かな雰囲気のある神殿。
その神殿の中では大小ざまざまな神々が座っていた。
その数総勢10柱。皆一様に渋い顔をしている。
「あれあれ?どうしたの?皆さん元気がなさそうだね。」
わざとらしく銀髪の神が口を開く。すると今度は禿頭の神が苦々しく言い返す。
「白々しい。マーナよあの子どもは何者じゃ?」
「これはこれは君の賭け枠は暴食の子だろ?いやぁ愉快だね。今もうちの子が戦ってるよ。」
「黙れこの弱小神の分際で!」
天界で、神々は暇だった。
地上の子どもたちの行く末を見守り、時に罰を与える神々は同じような営みを続けていく人間を見て、刺激が欲しくなった。
そうして始まったのがこの賭けである。各世界から1人を選択し、同じ世界で競わせると言ったものだが、掛けていたのは世界の命運。この賭けに負けたものは世界の管理権限を失う。それ即ち神の死という訳である。神々からすれば命懸けの闘いである。
「それにしてもお前の権能が空間だからといって空間操作はやりすぎではないのか?」
「いやいや。人の心を操って戦争を仕掛ける様な連中に言われたくないね。」
「ルールには抵触していないはずだが?」
空間を司る神マーナ。その野望は世界の統一だった。
(この世界にこんなに神はいらない。)
悠叶の送り込まれた世界には10柱の神がいた。それぞれの神が勇者として彼らを送り込んでこのゲームを運営している。
「止めぬか。勝敗は子どもたち次第。戦闘には干渉できんルールじゃろうが。」
「そうだね。」
「しっしかし…」
「しかしもカカシもあるものか。もっと子どもを信じなくてはダメじゃろうが」
「あっ…どうやらうちの子が勝ったみたいだね。ありゃ…随分とご立腹だなぁ…。何したの?」
「しっ知らぬわ!あぁ…わしの権能が…。」
かつては大規模な戦争を起こし、神々は権能を奪い合っていた。
その都度世界は崩壊の危機にさらされたが、神々からすればただのイタズラで、その賭けを咎める者などいない。
戦果のように権能を奪い合い、万能神となった神もいた。しかし、闘いの無意味さを知り、また他の神々に権能を配ったという。
その後この神界で万能神の姿を見たものはなく、一部では人界に降りたとの噂である。
「さて、うちの子に余計なちょっかいをかけてきた阿呆がいるのだけれど、誰かな?」
神々も息を呑むほどの冷たい微笑みがそこにはあった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる