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第2章 世の理
新たな力
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片腕を失い、失血で顔が蒼白くなったグラム。
骸骨の仮面は既に半分ほど砕け散り、素顔が晒されていた。
「化け物め!とっととくたばれ!『首吊りの輪』!」
「化け物はどっちだよ。普通自分の腕が飛んだら痛がりくらいしろよな!『暴食の壁』」
悠斗の腕から黒い霧が溢れ出し、壁となり空中に浮かぶ縄を喰いちぎる。
「なっ」
黒い霧はどんどん広がり、グラムの左脚が霧に少し触れた。次の瞬間。
黒い霧に触れた場所から激痛が脊髄に届き、反射的に脚を引く。しかし、そこに付いているのは何かに喰いちぎられた傷と少し残った骨と肉だけだった。
「な…なんだいそりゃ」
「さぁ?こっちが知りたいくらいだしな。」
「……。ははっやっぱりお前は化け物だ。」
「安心しろよ。お前を殺したとしても墓は作ってやるからよ。」
「はっ言ってろ化け物。」
「見た目的にはお前の方が化け物だぜ?グラム!」
満身創痍となったグラムに容赦なく攻勢を続ける。
そこに、ありえない者が現れた。
「ふむ、浅ましきものよの」
ありえない。この空間は悠斗とグラムとシャルロット以外いないはず。いったい誰だ……。
背格好は男。だが、声は中性的。仮面を被り、素顔が見えない。それに、鑑定眼すら反応しない。
「チッなんだよ神様、シラケるな」
「まぁ、そういうでない。これ以上貴様の下らん劇等見たくもないさっさと失せろ。」
「はっ」
パチンッと現れた何かが指を鳴らす。すると冗談の様にグラムの姿が消えた。
そこには何も残っておらず、まるで初めから居なかった様に消えてしまった。
「さて、貴様、人間をどう思う?」
「は?」
「人間をどう思うか…と聞いているのだが?」
「なんの脈絡もなく何を言っているんだよお前…。」
「ふむ?お前…加護を得ているな。神格と会っているだろう?」
「……神格……。神様って事か」
「まぁ、そんなところだ。 さて、私についてはどうでもいい。まず貴様から話を聞こう。」
「……。グラムをどこにやった?」
「……はぁ、質問を無視する男は嫌われるぞ?」
「どこへやった!?」
「やれやれ…。消したよ。」
「け…消した…。」
「あぁ。すべてを消した。だからグラムという人間は存在しなかったのだよ。」
「……。そうか。なら…いいや。」
「待てよ。答えを聞いていない」
「は?人間をどう思うかだって?クソだよクソ」
「は?」
「質問には答えた。じゃあな。シャルもこんなに傷付いてるし。」
悠斗は立ち尽くす神格を空間ごと消し去るとそこには凄まじい形相のクラウドが立っていた。
「おかえり…ユウト……。」
「……。ただいま……。」
クラウドはシャルロットの姿を視認するやいなや目を見開き、言った
「馬鹿野郎!いいか?ユウト、てめーはまだガキだ。荒事はな?俺たち大人に任せろってんだ。」
「……無理だろ。」
「何だと!?」
「俺は…もう、誰も死なせたくないんだよ。だから…」
「意地張ってんじゃねぇ。ガキの力じゃ限界は遠からずやってくんだよ。だからな?もっと大人を頼れいいな?」
「……。」
「そうとくりゃシャルロットの手当てだ!おい!綺麗な布ありったけ持ってこい!」
ドタバタと
時間だけが過ぎていく。
何故だろう……
そんな日常も悪くないなと思える自分がいる。
何かが変わってしまった…のか?
神の言葉…あれは…。
骸骨の仮面は既に半分ほど砕け散り、素顔が晒されていた。
「化け物め!とっととくたばれ!『首吊りの輪』!」
「化け物はどっちだよ。普通自分の腕が飛んだら痛がりくらいしろよな!『暴食の壁』」
悠斗の腕から黒い霧が溢れ出し、壁となり空中に浮かぶ縄を喰いちぎる。
「なっ」
黒い霧はどんどん広がり、グラムの左脚が霧に少し触れた。次の瞬間。
黒い霧に触れた場所から激痛が脊髄に届き、反射的に脚を引く。しかし、そこに付いているのは何かに喰いちぎられた傷と少し残った骨と肉だけだった。
「な…なんだいそりゃ」
「さぁ?こっちが知りたいくらいだしな。」
「……。ははっやっぱりお前は化け物だ。」
「安心しろよ。お前を殺したとしても墓は作ってやるからよ。」
「はっ言ってろ化け物。」
「見た目的にはお前の方が化け物だぜ?グラム!」
満身創痍となったグラムに容赦なく攻勢を続ける。
そこに、ありえない者が現れた。
「ふむ、浅ましきものよの」
ありえない。この空間は悠斗とグラムとシャルロット以外いないはず。いったい誰だ……。
背格好は男。だが、声は中性的。仮面を被り、素顔が見えない。それに、鑑定眼すら反応しない。
「チッなんだよ神様、シラケるな」
「まぁ、そういうでない。これ以上貴様の下らん劇等見たくもないさっさと失せろ。」
「はっ」
パチンッと現れた何かが指を鳴らす。すると冗談の様にグラムの姿が消えた。
そこには何も残っておらず、まるで初めから居なかった様に消えてしまった。
「さて、貴様、人間をどう思う?」
「は?」
「人間をどう思うか…と聞いているのだが?」
「なんの脈絡もなく何を言っているんだよお前…。」
「ふむ?お前…加護を得ているな。神格と会っているだろう?」
「……神格……。神様って事か」
「まぁ、そんなところだ。 さて、私についてはどうでもいい。まず貴様から話を聞こう。」
「……。グラムをどこにやった?」
「……はぁ、質問を無視する男は嫌われるぞ?」
「どこへやった!?」
「やれやれ…。消したよ。」
「け…消した…。」
「あぁ。すべてを消した。だからグラムという人間は存在しなかったのだよ。」
「……。そうか。なら…いいや。」
「待てよ。答えを聞いていない」
「は?人間をどう思うかだって?クソだよクソ」
「は?」
「質問には答えた。じゃあな。シャルもこんなに傷付いてるし。」
悠斗は立ち尽くす神格を空間ごと消し去るとそこには凄まじい形相のクラウドが立っていた。
「おかえり…ユウト……。」
「……。ただいま……。」
クラウドはシャルロットの姿を視認するやいなや目を見開き、言った
「馬鹿野郎!いいか?ユウト、てめーはまだガキだ。荒事はな?俺たち大人に任せろってんだ。」
「……無理だろ。」
「何だと!?」
「俺は…もう、誰も死なせたくないんだよ。だから…」
「意地張ってんじゃねぇ。ガキの力じゃ限界は遠からずやってくんだよ。だからな?もっと大人を頼れいいな?」
「……。」
「そうとくりゃシャルロットの手当てだ!おい!綺麗な布ありったけ持ってこい!」
ドタバタと
時間だけが過ぎていく。
何故だろう……
そんな日常も悪くないなと思える自分がいる。
何かが変わってしまった…のか?
神の言葉…あれは…。
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