そうして俺は故意に堕ちる

マカロン

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拓海のターン⑤※

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ちゅっ…ちゅっ…とリップ音を鳴らす。

佐倉のくちびるは柔らかくて気持ちいいから夢中になって
交わし合う唾液の甘さや絡み合ってもつれ合う舌、擽るみたいに歯の裏や口蓋を刺激して、それに反応する佐倉の姿を堪能しながら、こんな場所にも性感帯があるのかと常に新しい発見もあるから何度でもしたくなる。

「ふっ、…ん」

佐倉の鼻から抜ける甘い吐息に下腹が熱くなる。

「キス、きもちいか?」

「…っん、きも、ち、ぃ…」

食べるように口づけを繰り返したせいで、果実の蜜で濡れたような瑞々しく変化した唇で佐倉に、気持ちい、と返事を返され、ぽってりとした唇の奥から綺麗なピンク色の舌先が顔を覗かせているのが見えると、堪らず再び喰らい付いた。

「フ、んっ…ン…」

舌を深く差し入れ、柔らかな佐倉の舌を捕らえて絡め、あのエロいピンク色の舌を自分の舌で絡めているのかと想像すると、頭が爆発しそうになりながら貪った。
しゅぶるようにして佐倉のピンク色の舌を吸い上げると、佐倉の唾液が流れ込んで来て、喉が焼ける程熱くて甘いそれをコクリ、コクリと飲み込む。人の唾液がこんなにも美味しいものだとは思わなかった。

佐倉の落ちていた瞼が持ち上がり眼前で見つめ合う。

「シャワー浴びて来るから待ってて」

「あぁ…うん、分かった。…佐倉の背中俺が洗ってあげようか?」

冗談半分でワザとそう言うと、佐倉が目を見開いてブンブンと首を大きく振って拒否した。
予想通りの反応に思わず笑う。

「・・・せ、」

「せ?」

「洗浄とかするから、一人で入る」

そう言って顔を真っ赤にした佐倉があっという間に部屋を出て行った。
今度は予想外の言葉に一人取り残された俺は数拍息が止まったように固まって、それから佐倉が残して言った言葉を反芻する。

洗浄。
知識としては勿論分かっている。やり方なども事前に調べた。
男同士のセックスはアナルを使う。本来はただの排泄器官なので挿入するためにはそこを洗浄し十分慣らさないといけない。
その洗浄行為を佐倉が自ら進んで行ってくれている。
つまりそれは佐倉も俺とのセックスの為に色々知識を得て受け入れることを了承しているということで。
そう考えるとぐっと胸が熱くなる。
そんな風に歩み寄ってくれている佐倉に対して俺も誠心誠意で優しくしてやりたいし、痛みは最小限にして、たくさん気持ちよくしてやりたい。
スマホを取り出してもう一度、散々眺めた男同士のやり方が記されたページを開いて一読する
それから事前に購入したコンドームとローションを持ってきた鞄から取り出してサイドテーブルの上に置く。
家で歯もしっかり磨いて来たし、爪も丁寧に切ってヤスリで滑らかに整えた、手もさっき綺麗に洗ったし、風呂に入る時間も惜しくて前もって家で済ませてきた。

準備を整えあれこれ自分なりのチェックを頭の中でしている間にガチャとドアが開いて
佐倉が部屋へ戻って来た。紺色のパジャマを着ている。

「...お待たせ...」

「ぉ、おう」

見慣れないパジャマ姿の佐倉にドキドキする。
そろりそろりとこちらに近づいて来た佐倉が遠慮がちに俺の隣にゆっくり腰掛けた。
湯上がりの髪はしっとりと水気を含んで清潔な石鹸の香りが鼻をかすめそれだけで胸をかき乱す

「拓海はシャワーどうする?」

「俺は、ここ来る前に家でシャワー浴びてきたから」

「..そっか....」

再び沈黙が漂いはじめそうになって
思わず「電気暗くする?」と訪ねた。
佐倉は俺の言葉に頷いて自らルームライトを一段階落とし、ぼんやりと辺りを照らす暖色に切り替えた。

恐る恐る隣に座る佐倉の手に、そっと自分の手を重ねる。
怯えさせないように、怖がらせないように、ゆっくりそっと、でも隠しきれない下心を含ませ手を取った、佐倉は強張りながらも抵抗することなく、チラリとこちらへ視線を向けた。
全身でこちらを警戒して、かすかに震える佐倉の膝頭が見える。
それでも必死で俺を見つめる佐倉が愛しくて堪らない。

「佐倉怖い?」

「…怖いわけじゃない、けど…」

「けど?」

「.....は、」

「は?」

「...はじめてだから、どうしていいか分かんなくて、、、それに兎に角はずぃ...」

そう言いながら視線を流してうつむく佐倉が可愛いくて、すくめられた肩を丸くさすりながら、こめかみ辺りに軽く口づける。

「俺もはじめてだから手探りで上手く出来るか分からないけど、絶対佐倉を傷つけたりしないから」

佐倉は俺の言葉に伏せた睫毛を揺らめかせながら頷いた。
それを了承と捉えてパフッと佐倉をベッドに沈め、自分も緊張で震える指先を必死で動かして佐倉のパジャマのボタンを上から一つ外す。
興奮で乱れる息を何とか整え二つ目のボタンも外し、三つ目を外し終えて、露わになり始めた日焼け知らずの真っ白な肌の色に息を飲んだのも束の間、四つ目のボタンを外して、はだけた胸元からチラリと見えてしまった、佐倉の乳首のピンクさに衝撃が走る。


エロい。佐倉の乳首がピンク過ぎてヤバい。何でこんなにピンクなんだ、なんでこんなにエロいんだ!!
ッッ_
鼻の奥から熱いものが…。

「え、ちょ、拓海!血!鼻血出てる!」

鼻血?
あーそうか
通りで鼻の奥が熱かったのか。

佐倉が腕を伸ばしてサイドテーブルの上に置いてあるティッシュを取って慌てて渡される。
軽く上を向いたまま渡されたティッシュで鼻を拭いてそのまま押し当てる。

「..何から何までごめん」

「拓海、もしかして体調悪いのか?」

「いや…ちょっと興奮し過ぎて」

「…こうふんすると、拓海、鼻血が出るのか?」

「いや、初めて出た、大体こんなに興奮したこと自体が初めてだから」

「と、とりあえず、血が止まるまで、横になれ」

佐倉にそう言われ大人しくベッドに横たわり荒波のように高ぶる心を抑えて必死に冷静さを取り戻そうと深い呼吸を繰り返した。
カッコ悪いな俺。
こんな肝心な時に男としてダサ過ぎる。
でもあんなエロい乳首を見せられたら興奮しない方がどうかしている。
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