9 / 67
第一章 世界創造編
9.食物連鎖
しおりを挟む
生き物を創ろう第二弾。陸地編である。
現在この大陸の表層にあるのは土だ。海の時と同様にたっぷりしっかり栄養が詰まっている。肥沃な大地といっていいだろう。
とはいえ、生き物どころかぺんぺん草一本生えていない。どうせなら植物・動物両方欲しい所だ。
「私。……植物。創るよ」
確かにエウラシアが適任だろう。海と大地を創ったとき、適当に川も張り巡らせておいた。
という訳で海から少しさかのぼり、川の中流付近を中心にエウラシアが植物を広げることにする。
残る二人が動物を創るというところまで話が進んだとき、レカエルが提案した。
「今回は、『狩るものと狩られるもの』というテーマで行きましょう」
一人が草食動物を、もう一人がそれを狩る肉食動物を創ろうという訳である。
肉食動物が草食動物を駆逐してしまっては元も子もない。小型で繁殖力が高い草食、中型でそれほど多産でない肉食を創る事になった。
「では、私が狩るものを担当しましょう」
「じゃあこっちが草食だね。任せといて!」
レカエルが肉食担当、ツツミが草食担当である。
「ツツミ、これだけは守ってください」
「なに?」
「海の時使った手は禁止です」
「うっ」
……危険を感じるとバラ肉を落とす豚や、ロースを捨てる牛。
いやもう一歩踏み込んで、もも肉が落ちると勝手にフライドチキンになっている鳥はどうか。
そんな妄想をしていたツツミは先にくぎを刺されて沈黙した。
「そ、そんな事しないヨ?」
「考えていたでしょう」
「……はい」
まったく、とあきれるレカエル。
「ツツミはエウラシアと組みなさい。どんな植物を食べるのか相談が必要でしょう。エウラシア、しっかり見張っておいてください」
「んー」
お目付け役が決まり、レカエル一人とツツミ・エウラシアチームに分かれることになった。
「あれ、レカエルは私と相談しなくていいの?」
「心配はいりません。あなたがどんなものを創ろうと、それに勝る捕食者を用意して見せましょう」
どうやら海の時の汚名返上に燃えているらしい。こうして食物連鎖を創る作業が始まった。
「それでエウラシア、どんな植物にするか考えはあるの?」
作戦会議開始である。ツツミの問いに、エウラシアは地面から土を拾い上げた。少し念じると、土の表面が緑色に変わっていく。
「……コケ」
「えっ」
予想外だった。森とまではいかなくとも、もっとこう生い茂る草花を想像していたツツミである。
……相談していて本当に良かった。
「コケって植物でいいんだっけ? んーコケ、コケ……。コケを食べる生き物……」
「食べなくて。いい」
そういうとエウラシアは指でコケをひと撫でする。水分を十分に含んでいるらしく、ねばねばしたものが指についた。
「舐めて」
「はい?」
「これ。舐めて」
……なんのプレイだろう。いろいろな意味で抵抗がある。
しかしエウラシアは気にするそぶりもない。指を突き出したままツツミを待っている。
「えぇ……どうしても?」
「早く」
やむを得ない。ツツミは意を決しパクっとエウラシアの指をくわえた。
「……甘い!」
ねばねばは蜜のように甘かった。今度は自分の指でコケからすくいとり、もうひと舐めしてみる。おいしい。
「地面から。養分を。吸い出す。……滋養たっぷり」
後は乾燥などに対する耐性を調整したりするだけらしい。
「ツツミは?」
「うーん、どんな動物かは決まってるんだけど」
そう言ってツツミは手のひらを出した。アトムが集まっていく。できたのは小さいリスのような生き物だった。
キュー、と鳴いて毛づくろいを始める。つぶらな瞳に、ふかふかの毛。大きなしっぽがチャームポイントだ。
「おー」
エウラシアは一声言ってリスを触り始めた。しっぽのあたりをうりうりと撫でまわす。
……目の色がまた危険な感じがする。月見酒の時といい、もしかしたら毛皮や羽毛フェチなのかもしれない。
「と、とにかく。この子がコケの蜜を好むようにしようか。あとはレカエル対策だね」
ある程度捕食されなければいけない。しかし、あの挑戦的なレカエルを見ていると一泡吹かせたくもなる。
文字通り捨て身の作戦は禁止されてしまったし……。
「まあどうせレカエルのことだから、無駄にかっこいい肉食獣でも創ってくるんでしょ?こっちは小技で行くよ」
数日たって発表会である。まずエウラシアが完成したコケを見せた。また微妙な顔をするレカエルに、前のように指を突き出す。
かなり拒否していたレカエルだったが、結果はツツミと同様陥落した。
「なんで……なんでおいしいんですか……」
プライドと甘味の板挟みに苦しむレカエルは置いといて、ツツミは自分のリスを地面に置いた。
「で、こっちが私。かわいいでしょ」
「あらあら……確かに愛らしいですが、そんな非力で大丈夫ですか」
不敵に笑うレカエル。
「では真打登場と行きましょう」
レカエルはこれもまた作ったらしい笛を吹いた。ツツミには何も聞こえなかったが、遠くから駆けてくる影がある。
走ってきたのは元世界でいうところのイヌだった。中型犬くらいのサイズだろうか。例にもれず毛色は白い。
何より特徴的なのは眉間にある一本角だった。それほど長くはないが切っ先は鋭い。
「エンゼルドッグと名付けました。雄々しいでしょう」
「また実用性がなさそうなデザインを……。そんなのでうちの子を狩れるのかな?」
ツツミはパチン、と指を鳴らした。それに反応して、リスはすごい速さで地面を掘り始める。
数秒もしないうちに姿は見えなくなり、後には小さな穴だけが残された。
「どう、この掘削性能! この逃走力に勝てる? そっちのワンちゃんは穴掘り得意? どうしてもっていうんだったら今からスペックを落としてあげても……」
レカエルは何も言わずに笛を吹いた。ガウッと一吠えするエンゼルドッグ。
次の瞬間、エンゼルドッグの角が矢のように飛び出した。
「……えっ?」
角は先ほどの穴に吸い込まれるように入っていった。よく見ると、穴(の先の角)とエンゼルドッグの額が鎖でつながっている。
しばらく鎖は伸び続けていたが、突然ぴたっと止まり、今度は逆に縮み始めた。
やがて角が主の元に戻ってくる。穴から出てきた角は、きちんと逃亡者をとらえていた。
「どうです! この鎖は獲物をどこまでも追い詰め、絶対に仕留めます! そこのおチビちゃんに逃げられますか?」
「ず、ずるい! これは反則でしょ!」
「あらあら、早々に狩りつくしてしまうかもしれませんね? 負けを認めるなら、少しは弱体化させてもいいですよ?」
「くぅぅー!」
悔し気なツツミ。しかしこれはパワーバランスが悪すぎる。狩りが失敗する絵が思いつかない。
「問題。ない。……こんなことも。あろうかと」
助けは思いがけずエウラシアから来た。キョトンとする二人をよそに、エウラシアは持っていたコケをエンゼルドッグに投げる。
コケが当たった瞬間、エンゼルドッグの白い毛は緑色に変わり始めた。どうやら苦痛らしく暴れだす。
やがて全身が緑色になると、断末魔の悲鳴を上げてエンゼルドッグは倒れた。
「個体数の。バランスを。崩さないように。……コケに適宜捕食させる。ツツミの子も。獲物」
「う、うん」
「こ、怖いです、怖いです……」
淡々と語るエウラシア。こうして計画とは違ったが、この世界の食物連鎖が完成した。
頂点に立つのはコケである。
現在この大陸の表層にあるのは土だ。海の時と同様にたっぷりしっかり栄養が詰まっている。肥沃な大地といっていいだろう。
とはいえ、生き物どころかぺんぺん草一本生えていない。どうせなら植物・動物両方欲しい所だ。
「私。……植物。創るよ」
確かにエウラシアが適任だろう。海と大地を創ったとき、適当に川も張り巡らせておいた。
という訳で海から少しさかのぼり、川の中流付近を中心にエウラシアが植物を広げることにする。
残る二人が動物を創るというところまで話が進んだとき、レカエルが提案した。
「今回は、『狩るものと狩られるもの』というテーマで行きましょう」
一人が草食動物を、もう一人がそれを狩る肉食動物を創ろうという訳である。
肉食動物が草食動物を駆逐してしまっては元も子もない。小型で繁殖力が高い草食、中型でそれほど多産でない肉食を創る事になった。
「では、私が狩るものを担当しましょう」
「じゃあこっちが草食だね。任せといて!」
レカエルが肉食担当、ツツミが草食担当である。
「ツツミ、これだけは守ってください」
「なに?」
「海の時使った手は禁止です」
「うっ」
……危険を感じるとバラ肉を落とす豚や、ロースを捨てる牛。
いやもう一歩踏み込んで、もも肉が落ちると勝手にフライドチキンになっている鳥はどうか。
そんな妄想をしていたツツミは先にくぎを刺されて沈黙した。
「そ、そんな事しないヨ?」
「考えていたでしょう」
「……はい」
まったく、とあきれるレカエル。
「ツツミはエウラシアと組みなさい。どんな植物を食べるのか相談が必要でしょう。エウラシア、しっかり見張っておいてください」
「んー」
お目付け役が決まり、レカエル一人とツツミ・エウラシアチームに分かれることになった。
「あれ、レカエルは私と相談しなくていいの?」
「心配はいりません。あなたがどんなものを創ろうと、それに勝る捕食者を用意して見せましょう」
どうやら海の時の汚名返上に燃えているらしい。こうして食物連鎖を創る作業が始まった。
「それでエウラシア、どんな植物にするか考えはあるの?」
作戦会議開始である。ツツミの問いに、エウラシアは地面から土を拾い上げた。少し念じると、土の表面が緑色に変わっていく。
「……コケ」
「えっ」
予想外だった。森とまではいかなくとも、もっとこう生い茂る草花を想像していたツツミである。
……相談していて本当に良かった。
「コケって植物でいいんだっけ? んーコケ、コケ……。コケを食べる生き物……」
「食べなくて。いい」
そういうとエウラシアは指でコケをひと撫でする。水分を十分に含んでいるらしく、ねばねばしたものが指についた。
「舐めて」
「はい?」
「これ。舐めて」
……なんのプレイだろう。いろいろな意味で抵抗がある。
しかしエウラシアは気にするそぶりもない。指を突き出したままツツミを待っている。
「えぇ……どうしても?」
「早く」
やむを得ない。ツツミは意を決しパクっとエウラシアの指をくわえた。
「……甘い!」
ねばねばは蜜のように甘かった。今度は自分の指でコケからすくいとり、もうひと舐めしてみる。おいしい。
「地面から。養分を。吸い出す。……滋養たっぷり」
後は乾燥などに対する耐性を調整したりするだけらしい。
「ツツミは?」
「うーん、どんな動物かは決まってるんだけど」
そう言ってツツミは手のひらを出した。アトムが集まっていく。できたのは小さいリスのような生き物だった。
キュー、と鳴いて毛づくろいを始める。つぶらな瞳に、ふかふかの毛。大きなしっぽがチャームポイントだ。
「おー」
エウラシアは一声言ってリスを触り始めた。しっぽのあたりをうりうりと撫でまわす。
……目の色がまた危険な感じがする。月見酒の時といい、もしかしたら毛皮や羽毛フェチなのかもしれない。
「と、とにかく。この子がコケの蜜を好むようにしようか。あとはレカエル対策だね」
ある程度捕食されなければいけない。しかし、あの挑戦的なレカエルを見ていると一泡吹かせたくもなる。
文字通り捨て身の作戦は禁止されてしまったし……。
「まあどうせレカエルのことだから、無駄にかっこいい肉食獣でも創ってくるんでしょ?こっちは小技で行くよ」
数日たって発表会である。まずエウラシアが完成したコケを見せた。また微妙な顔をするレカエルに、前のように指を突き出す。
かなり拒否していたレカエルだったが、結果はツツミと同様陥落した。
「なんで……なんでおいしいんですか……」
プライドと甘味の板挟みに苦しむレカエルは置いといて、ツツミは自分のリスを地面に置いた。
「で、こっちが私。かわいいでしょ」
「あらあら……確かに愛らしいですが、そんな非力で大丈夫ですか」
不敵に笑うレカエル。
「では真打登場と行きましょう」
レカエルはこれもまた作ったらしい笛を吹いた。ツツミには何も聞こえなかったが、遠くから駆けてくる影がある。
走ってきたのは元世界でいうところのイヌだった。中型犬くらいのサイズだろうか。例にもれず毛色は白い。
何より特徴的なのは眉間にある一本角だった。それほど長くはないが切っ先は鋭い。
「エンゼルドッグと名付けました。雄々しいでしょう」
「また実用性がなさそうなデザインを……。そんなのでうちの子を狩れるのかな?」
ツツミはパチン、と指を鳴らした。それに反応して、リスはすごい速さで地面を掘り始める。
数秒もしないうちに姿は見えなくなり、後には小さな穴だけが残された。
「どう、この掘削性能! この逃走力に勝てる? そっちのワンちゃんは穴掘り得意? どうしてもっていうんだったら今からスペックを落としてあげても……」
レカエルは何も言わずに笛を吹いた。ガウッと一吠えするエンゼルドッグ。
次の瞬間、エンゼルドッグの角が矢のように飛び出した。
「……えっ?」
角は先ほどの穴に吸い込まれるように入っていった。よく見ると、穴(の先の角)とエンゼルドッグの額が鎖でつながっている。
しばらく鎖は伸び続けていたが、突然ぴたっと止まり、今度は逆に縮み始めた。
やがて角が主の元に戻ってくる。穴から出てきた角は、きちんと逃亡者をとらえていた。
「どうです! この鎖は獲物をどこまでも追い詰め、絶対に仕留めます! そこのおチビちゃんに逃げられますか?」
「ず、ずるい! これは反則でしょ!」
「あらあら、早々に狩りつくしてしまうかもしれませんね? 負けを認めるなら、少しは弱体化させてもいいですよ?」
「くぅぅー!」
悔し気なツツミ。しかしこれはパワーバランスが悪すぎる。狩りが失敗する絵が思いつかない。
「問題。ない。……こんなことも。あろうかと」
助けは思いがけずエウラシアから来た。キョトンとする二人をよそに、エウラシアは持っていたコケをエンゼルドッグに投げる。
コケが当たった瞬間、エンゼルドッグの白い毛は緑色に変わり始めた。どうやら苦痛らしく暴れだす。
やがて全身が緑色になると、断末魔の悲鳴を上げてエンゼルドッグは倒れた。
「個体数の。バランスを。崩さないように。……コケに適宜捕食させる。ツツミの子も。獲物」
「う、うん」
「こ、怖いです、怖いです……」
淡々と語るエウラシア。こうして計画とは違ったが、この世界の食物連鎖が完成した。
頂点に立つのはコケである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
元王城お抱えスキル研究家の、モフモフ子育てスローライフ 〜スキル:沼?!『前代未聞なスキル持ち』の成長、見守り生活〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「エレンはね、スレイがたくさん褒めてくれるから、ここに居ていいんだって思えたの」
***
魔法はないが、神から授かる特殊な力――スキルが存在する世界。
王城にはスキルのあらゆる可能性を模索し、スキル関係のトラブルを解消するための専門家・スキル研究家という職が存在していた。
しかしちょうど一年前、即位したばかりの国王の「そのようなもの、金がかかるばかりで意味がない」という鶴の一声で、職が消滅。
解雇されたスキル研究家のスレイ(26歳)は、ひょんな事から縁も所縁もない田舎の伯爵領に移住し、忙しく働いた王城時代の給金貯蓄でそれなりに広い庭付きの家を買い、元来からの拾い癖と大雑把な性格が相まって、拾ってきた動物たちを放し飼いにしての共同生活を送っている。
ひっそりと「スキルに関する相談を受け付けるための『スキル相談室』」を開業する傍ら、空いた時間は冒険者ギルドで、住民からの戦闘伴わない依頼――通称:非戦闘系依頼(畑仕事や牧場仕事の手伝い)を受け、スローな日々を謳歌していたスレイ。
しかしそんな穏やかな生活も、ある日拾い癖が高じてついに羊を連れた人間(小さな女の子)を拾った事で、少しずつ様変わりし始める。
スキル階級・底辺<ボトム>のありふれたスキル『召喚士』持ちの女の子・エレンと、彼女に召喚されたただの羊(か弱い非戦闘毛動物)メェ君。
何の変哲もない子たちだけど、実は「動物と会話ができる」という、スキル研究家のスレイでも初めて見る特殊な副効果持ちの少女と、『特性:沼』という、ヘンテコなステータス持ちの羊で……?
「今日は野菜の苗植えをします」
「おー!」
「めぇー!!」
友達を一千万人作る事が目標のエレンと、エレンの事が好きすぎるあまり、人前でもお構いなくつい『沼』の力を使ってしまうメェ君。
そんな一人と一匹を、スキル研究家としても保護者としても、スローライフを通して褒めて伸ばして導いていく。
子育て成長、お仕事ストーリー。
ここに爆誕!
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる