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第一章 世界創造編
39.レッツ、パリ―ンッ!
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「ただいまー! 坑道はいい感じにできたよ!」
数日ぶりに集落へと戻ってきたツツミとレカエル。……出迎えたのは膝を抱え地面に横たわるエウラシアだった。
「お。か。……えり」
「……なぜそこまで疲れているのです」
いつも以上に途切れ途切れの喋り方のエウラシア。疲労困憊といった様子に訝しんでいると、タンチョウとミノタリアも二人の元へやってきた。
「お、おかえりなさいご主人様、レカエル様……」
「いやはや、早く帰ってきてくれないかと首を長くしていたのだ、なあタンチョウ」
ミノタリアの言葉にうんうんと頷くタンチョウ。彼女たちの顔色もやや優れない。
「ただいま二人とも! ……で、みんななんでぐったりなの?」
「ううむ。どこから説明したものか……」
めずらしく言いよどむミノタリア。タンチョウもうまく言葉にできないようで視線をさまよわせている。
「炉の製作がうまくいっていないのですか?」
「いえ、それは問題なくできたんです。エウラシア様が指示を出して、イヴさんが粘土とか石で炉を作って……」
「坑道はうまく創っていただけたのだな? すぐにでも金属加工を始められるだろう。……炉が空いてさえいれば」
「うん? 何か使ってるの?」
「それが……」
二人が語ったところによると。炉の製作はかなり順調に進んだそうだ。天性のセンスがあったのか、イヴは土仕事を見事にこなしたらしい。高温に耐え、金属の精錬や加工ができるものが完成した。
「ご主人様たちがまだ戻られていなかったので、まずは低温でレンガや土器を焼くことにしたんです」
「炉に使わなかった粘土が余っていたのでな。僕もやってみたが、あれは奥が深いようでうんざりした。はっはっは。すぐに薪集めに専念させてもらったよ。タンチョウはだいぶ性に合ったようだが」
「ま、まあそれなりに楽しかったですよ? あくまでそれなりですけど……」
やけに謙遜するタンチョウ。ツツミは不思議に思って尋ねた。
「いいことじゃんか。 確かにタンチョウはかわいい土器を作りそうだよね、すごく凝りそうな……」
「とんでもないです!!!」
「わわっ!?」
タンチョウは全力で首を横に振って否定した。急に言葉を荒げた彼女に驚くツツミ。
「ご、ごめんなさい。でも、本当に私なんか下手の横好きなんです。それなりなんです。凝るなんて、凝るなんてとても……」
だんだん声が尻切れになって黙ってしまうタンチョウ。いまいち要領を得ない。
「なんというかだな……。タンチョウ以上の猛者がいたというか、まあ一人しかいないというか……」
「あー。うー。おー。見た。ほうが。……早い」
ふらふらと立ち上がったエウラシアが後を引き継いだ。ツツミとレカエルを手招きして、恐らく炉があるであろう場所に連れて行こうとする。
「え、エウラシア様! その、レカエル様をお連れするのは、ちょっと……」
「そ、そうだぞ主どの。まずは充分心の準備をしていただいてからだな……」
「もう。それしか。ない」
なぜか慌てて制止する二人を無視してエウラシアは進んでいった。
炉は屋外にあった。ツツミの胸くらいの高さだろうか。幾つかあるが今はすべて火が入っていないようである。近くには土器の破片と思しきものが散乱していた。
「今度こそ、今度こそ……」
イヴが一つの炉の前でなにかを取り出している。……エウラシアたち以上に顔色が悪かった。黒い髪はボサボサ、肌も荒れているようだ。それでいて目だけはらんらんと輝いている。
「イヴ、ただいま戻り……むぐっ」
帰還の挨拶をしようとしたレカエルの口をエウラシアがふさいだ。
「……しーっ。まず。私たちが。行く。見てて」
「……むー?」
よくわからないといった表情だがとりあえずこくこくとうなずくレカエル。エウラシアは手を離すと、タンチョウとミノタリアを連れ立って近づいた。
「……。まだ。やってたの。イヴ」
「ああ! みなさん!!」
よほど集中していたのか、かなり近づかれても気づかなかったイヴ。少し遠くのツツミとレカエルに関しては視界に入っていないようだ。
「どうしてこのところ来てくれなかったのです! また探しに行くところでしたわ!」
「ご、ごめんなさい。その、なかなかタイミングが……」
「謝るより先にまずこれを見てくださいな!」
げんなりとしている三人の表情に気づいているのかいないのか、イヴは炉の中からいくつかの物を取り出し始めた。
「あ、あれは……!」
レカエルが息をのむ。イヴの手にあったのは土で作られたレカエルの像だった。元世界の小さなフィギュアくらいの大きさである。
「わあっ……! よくできてるみたい……!」
小声で感嘆の声をあげるツツミ。遠目で見てもわかる完成度の高さだった。優しく微笑んだ表情、頭から細く伸びる棒の先の天使の輪、翼の細かいディティールまで手が込んでいる。
「す、すごいです! もう完璧じゃないですか、イヴさん!」
「うむ、そうだそうだ! 君の主人への愛が良く伝わってくるぞ!」
「うん。すごい。芸術的」
手放しでほめそやす三人。しかしイヴの表情は暗かった。
「……完璧? 愛? 芸術? ふふ、ふふふふっ」
危ない微笑みをこぼすイヴ。タンチョウが必死に言葉を続ける。
「イヴさん落ち着いてください! ほ、ほら深呼吸して!」
「まだ、まだまだこんな……、こんなものではありませんわ!!!」
パリ―ンッ!!!
イヴは手にしていた像を地面に叩きつけた。レカエルの形だったそれは無残にも砕け散る。ちょうどうまい具合に、いや悪い具合に顔の部分だけ破片にならずに済んだ。
「ふんっ!」
イヴは残った顔を憎しみを込めたように踏みつけ粉々にする。炉から次々とレカエル像を取り出し、気が狂ったように叩きつけ始めた。
「あっははははははは!! これも、これも、これも!! レカエル様の高貴さが、尊さが、美しさが再現できていません!! ああ、何が足りないというのですか!? こんなもの、こんなものぉ!!」
高らかに笑いながら破壊を続けるイヴ。近くの三人はそれほど動じていない。……三人は。
「……い、イヴ?」
いつのまにやら近づいていたらしいレカエル。それを認めるや否や、イヴはレカエルの足にしがみつき泣き出した。
「レカエル様! お、お帰りになっていたとは存じませんでしたわ! う、ううっ。どうかこのわたくしを罰してくださいませ!」
「い、いえ。その、私の像を作ってくれていたのですね」
「やはりご覧になってしまわれたのですね! どうかお忘れになってください! とんだお目汚しをさせてしまいましたわ!」
「いいい、いえいえいえ! なかなかよくできていると……」
「そんなはずはありません!!」
パリ―ン。手に持っていた一体を片手間の様に砕くイヴ。
「これらのどこがレカエル様でしょうか! わたくしの非才を恥じるばかりです! こうして見るレカエル様とはこんなにも、こんなにも違いま……うわあああああん!!!」
「大丈夫ですから! 落ち着いてイヴ。悪気がないのは分かりますが、そうやって自分の像を踏みつけられるのを見るのは心に刺さります!!!」
レカエルの制止も聞かず、イヴは狂乱のままふるまい続けた。
「……うわぁ」
「……その、創作に身が入りすぎてしまったみたいなんです」
呆然とするばかりのツツミにタンチョウが説明する。粘土いじりが思いのほか気に入ったイヴはレカエル像を作ると意気込んだらしい。
レカエルへの愛も相まってか、すぐに上達したイヴ。しかし本人は納得しなかった。
「見ての通り、なかなかの完成度だとは思うのだが。自身で満足できるものではないようでな。……僕たちに改善点を聞きたいらしく見せに来るのだが。正直どこが気に入らないのか……」
「それで、あんなふうにレカエル様の像が割られるのを目の前で見る日々だったんです……」
「……最近は。夢でまで。たくさんの。レカエルが。……パリ―ンッ。て」
「…………新手の拷問じゃん」
おいおいと泣き続けるイヴと、複雑な表情を浮かべながらなんとか落ち着かせようとするレカエル。当面の間レカエル像の製作を諦めさせるのには、一日かかりっきりになったのであった。
数日ぶりに集落へと戻ってきたツツミとレカエル。……出迎えたのは膝を抱え地面に横たわるエウラシアだった。
「お。か。……えり」
「……なぜそこまで疲れているのです」
いつも以上に途切れ途切れの喋り方のエウラシア。疲労困憊といった様子に訝しんでいると、タンチョウとミノタリアも二人の元へやってきた。
「お、おかえりなさいご主人様、レカエル様……」
「いやはや、早く帰ってきてくれないかと首を長くしていたのだ、なあタンチョウ」
ミノタリアの言葉にうんうんと頷くタンチョウ。彼女たちの顔色もやや優れない。
「ただいま二人とも! ……で、みんななんでぐったりなの?」
「ううむ。どこから説明したものか……」
めずらしく言いよどむミノタリア。タンチョウもうまく言葉にできないようで視線をさまよわせている。
「炉の製作がうまくいっていないのですか?」
「いえ、それは問題なくできたんです。エウラシア様が指示を出して、イヴさんが粘土とか石で炉を作って……」
「坑道はうまく創っていただけたのだな? すぐにでも金属加工を始められるだろう。……炉が空いてさえいれば」
「うん? 何か使ってるの?」
「それが……」
二人が語ったところによると。炉の製作はかなり順調に進んだそうだ。天性のセンスがあったのか、イヴは土仕事を見事にこなしたらしい。高温に耐え、金属の精錬や加工ができるものが完成した。
「ご主人様たちがまだ戻られていなかったので、まずは低温でレンガや土器を焼くことにしたんです」
「炉に使わなかった粘土が余っていたのでな。僕もやってみたが、あれは奥が深いようでうんざりした。はっはっは。すぐに薪集めに専念させてもらったよ。タンチョウはだいぶ性に合ったようだが」
「ま、まあそれなりに楽しかったですよ? あくまでそれなりですけど……」
やけに謙遜するタンチョウ。ツツミは不思議に思って尋ねた。
「いいことじゃんか。 確かにタンチョウはかわいい土器を作りそうだよね、すごく凝りそうな……」
「とんでもないです!!!」
「わわっ!?」
タンチョウは全力で首を横に振って否定した。急に言葉を荒げた彼女に驚くツツミ。
「ご、ごめんなさい。でも、本当に私なんか下手の横好きなんです。それなりなんです。凝るなんて、凝るなんてとても……」
だんだん声が尻切れになって黙ってしまうタンチョウ。いまいち要領を得ない。
「なんというかだな……。タンチョウ以上の猛者がいたというか、まあ一人しかいないというか……」
「あー。うー。おー。見た。ほうが。……早い」
ふらふらと立ち上がったエウラシアが後を引き継いだ。ツツミとレカエルを手招きして、恐らく炉があるであろう場所に連れて行こうとする。
「え、エウラシア様! その、レカエル様をお連れするのは、ちょっと……」
「そ、そうだぞ主どの。まずは充分心の準備をしていただいてからだな……」
「もう。それしか。ない」
なぜか慌てて制止する二人を無視してエウラシアは進んでいった。
炉は屋外にあった。ツツミの胸くらいの高さだろうか。幾つかあるが今はすべて火が入っていないようである。近くには土器の破片と思しきものが散乱していた。
「今度こそ、今度こそ……」
イヴが一つの炉の前でなにかを取り出している。……エウラシアたち以上に顔色が悪かった。黒い髪はボサボサ、肌も荒れているようだ。それでいて目だけはらんらんと輝いている。
「イヴ、ただいま戻り……むぐっ」
帰還の挨拶をしようとしたレカエルの口をエウラシアがふさいだ。
「……しーっ。まず。私たちが。行く。見てて」
「……むー?」
よくわからないといった表情だがとりあえずこくこくとうなずくレカエル。エウラシアは手を離すと、タンチョウとミノタリアを連れ立って近づいた。
「……。まだ。やってたの。イヴ」
「ああ! みなさん!!」
よほど集中していたのか、かなり近づかれても気づかなかったイヴ。少し遠くのツツミとレカエルに関しては視界に入っていないようだ。
「どうしてこのところ来てくれなかったのです! また探しに行くところでしたわ!」
「ご、ごめんなさい。その、なかなかタイミングが……」
「謝るより先にまずこれを見てくださいな!」
げんなりとしている三人の表情に気づいているのかいないのか、イヴは炉の中からいくつかの物を取り出し始めた。
「あ、あれは……!」
レカエルが息をのむ。イヴの手にあったのは土で作られたレカエルの像だった。元世界の小さなフィギュアくらいの大きさである。
「わあっ……! よくできてるみたい……!」
小声で感嘆の声をあげるツツミ。遠目で見てもわかる完成度の高さだった。優しく微笑んだ表情、頭から細く伸びる棒の先の天使の輪、翼の細かいディティールまで手が込んでいる。
「す、すごいです! もう完璧じゃないですか、イヴさん!」
「うむ、そうだそうだ! 君の主人への愛が良く伝わってくるぞ!」
「うん。すごい。芸術的」
手放しでほめそやす三人。しかしイヴの表情は暗かった。
「……完璧? 愛? 芸術? ふふ、ふふふふっ」
危ない微笑みをこぼすイヴ。タンチョウが必死に言葉を続ける。
「イヴさん落ち着いてください! ほ、ほら深呼吸して!」
「まだ、まだまだこんな……、こんなものではありませんわ!!!」
パリ―ンッ!!!
イヴは手にしていた像を地面に叩きつけた。レカエルの形だったそれは無残にも砕け散る。ちょうどうまい具合に、いや悪い具合に顔の部分だけ破片にならずに済んだ。
「ふんっ!」
イヴは残った顔を憎しみを込めたように踏みつけ粉々にする。炉から次々とレカエル像を取り出し、気が狂ったように叩きつけ始めた。
「あっははははははは!! これも、これも、これも!! レカエル様の高貴さが、尊さが、美しさが再現できていません!! ああ、何が足りないというのですか!? こんなもの、こんなものぉ!!」
高らかに笑いながら破壊を続けるイヴ。近くの三人はそれほど動じていない。……三人は。
「……い、イヴ?」
いつのまにやら近づいていたらしいレカエル。それを認めるや否や、イヴはレカエルの足にしがみつき泣き出した。
「レカエル様! お、お帰りになっていたとは存じませんでしたわ! う、ううっ。どうかこのわたくしを罰してくださいませ!」
「い、いえ。その、私の像を作ってくれていたのですね」
「やはりご覧になってしまわれたのですね! どうかお忘れになってください! とんだお目汚しをさせてしまいましたわ!」
「いいい、いえいえいえ! なかなかよくできていると……」
「そんなはずはありません!!」
パリ―ン。手に持っていた一体を片手間の様に砕くイヴ。
「これらのどこがレカエル様でしょうか! わたくしの非才を恥じるばかりです! こうして見るレカエル様とはこんなにも、こんなにも違いま……うわあああああん!!!」
「大丈夫ですから! 落ち着いてイヴ。悪気がないのは分かりますが、そうやって自分の像を踏みつけられるのを見るのは心に刺さります!!!」
レカエルの制止も聞かず、イヴは狂乱のままふるまい続けた。
「……うわぁ」
「……その、創作に身が入りすぎてしまったみたいなんです」
呆然とするばかりのツツミにタンチョウが説明する。粘土いじりが思いのほか気に入ったイヴはレカエル像を作ると意気込んだらしい。
レカエルへの愛も相まってか、すぐに上達したイヴ。しかし本人は納得しなかった。
「見ての通り、なかなかの完成度だとは思うのだが。自身で満足できるものではないようでな。……僕たちに改善点を聞きたいらしく見せに来るのだが。正直どこが気に入らないのか……」
「それで、あんなふうにレカエル様の像が割られるのを目の前で見る日々だったんです……」
「……最近は。夢でまで。たくさんの。レカエルが。……パリ―ンッ。て」
「…………新手の拷問じゃん」
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