犬のきもち

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別れ

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「今日も疲れたな―でもいつもより早く帰れそうだなんたって明日はハイキングだ。ジョンも母さんも楽しみにしてたからな。お土産も買ったし、みんなの嬉しそうな顔が目に浮かぶぞ~」

いたずらっ子のような笑みを上げながら電車に揺られ帰路に就くのであった。

しかし父を待っていたのは重く深くのしかかる絶望であった。

「家が燃えている??なにがあったんだ、」

父は目の前の光景が信じられなかった、今まで当たり前にあった家が燃えている。こんなことがあるのか、頭が真っ白になり、力が抜けていく、体が落下するような感覚に襲われる。その刹那に浮かんできたのは家にいるはずの母さんと息子のジョンそして愛犬のポチである。

ポチは外で飼っているから大丈夫だ、だけど、母さんとジョンは?どうなっているんだ?

あたりを見渡すと野次馬が何人か集まっている。しかし消防隊の姿はなく遠くからサイレンの音が聞こえるのみである。

視界に映ったのはそれだけで母さんとジョンは見当たらない。

「まさか!まだ中にいるのか!?」

こうしてはいられない今すぐ助けに行かなくては。

外にある水道から水を出し頭から豪快にかぶる。燃え盛る炎の中に身を投げるのであった。


「母さん!!ジョン!!どこだ!どこにいる!!??」

(急いでいるのにどこにもいない!居間もお風呂も寝室もいない!どこなんだ!
2階には息子の部屋と新しく子供ができた時のための空き部屋しかない。母さんはジョンを助けに二階行ったのか?
しかし二階に上るための階段はほとんどが燃え、焼け落ちている。
ならむしろ助けに行かなくては!こんなことを考えている場合じゃない!)

階段に向かおうとしたときキッチンのほうからうめき声が聞こえた。

そうか!まだキッチンを見ていなかったなんで忘れていたんだ!
早く助けにいかなきゃ待ってろよ!!

なぜ気がつかなかったのかはわからない。異常事態だからパニックを起こしていたのか
それとも、そこにいないことを願っていたのかもしれない。なぜなら……

原型がないほどに燃えていたからだ。

体中にやけどを負い擦り傷だら家になりながらも急いで走り、向かった。床がぬけ皮膚を裂き血が出ようとも、もしかしたら生きてそこにいるかもしれないそう思ったら、自然と力が沸き上がる。

しかし視界に入ってきたのは……

キッチンで横たわり腕からさきがなく体中やけどだらけの

母さんだった。
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