一生のお願い

ゐづも

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僕の話

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…少し疲れてしまったようで。お菓子を食べるスピードも話すスピードも落ちてしまっていた。食べ物が喉を通らない。思い出したくもない過去の話。こんな事を聞いて彼は辛くないだろうか。
彼の方を、気付かれないように見る。彼は静かに聴いていたが、聴いてくれていたが暫くの沈黙に違和感を覚えたようで俺の方を見た。何かを察したのか、手に持っていたクッキーをひとくちで食べ終えると
「ずっと君に話させるのは良くないね。気を使えなくてごめんよ。今度は、僕が話す番だ。」
と言った。少しの戸惑いを悟られないように沢山のチョコを口の中に無理矢理詰め込んで平気なフリをした。

「僕が話せるのはひとつ、君との出会いの話だよね。僕にとって忘れられない思い出だ。君もそうだろ?」
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