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おっぱい刑事(デカ)猟奇事件に挑む
その10
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翌日の朝、刑事たちのリーダーである山さん事、山形刑事は、学校の校内でおかしな行動を始めた。
まず彼は、部下たちと共に、非常に朝早く学校に姿を現すと、誰もいない職員室に潜入した。
そして、部下である本田刑事に、おもちゃの刀を持たせると、彼を、職員室の出入り口である横開きの扉の陰に隠れさせた。
それから、その扉を通って出勤してくる教師たちを、部屋の中に入る瞬間を見計らって、陰に隠れている本田刑事に、おもちゃの刀で打たせたのだ。
寝ぼけ眼で出勤してきた教員たちは、職員室に入ろうとした途端、部屋の中で扉の陰に隠れていた本田刑事に、いきなり真横からおもちゃの刀を振り下ろされ、避ける暇も無く頭部を打たれる。
まさしく、子供のイタズラであり、いい大人がやる事ではない。
だが、山形刑事は、何を考えているのか、本田刑事に延々とその行為を続けさせ、全教師が出勤して来るまで、やめさせる事はなかった。
もちろん、職員室に仕事をする為に出勤して来る教師たちは、朝っぱらからこんなイタズラを仕掛けられて面白いはずもなく、首謀者である山形刑事に抗議したり、彼を怒鳴りつける者も何人かいた。
だが、山形刑事は、そんな非難を受けてもどこ吹く風といった様子で、一切取り合う事もなく、校長の許可は得ているの一点張りであった。
この様に、刑事たちの意味不明な行動は続き、本田刑事に、おもちゃの刀で頭を打たれる被害者は、徐々に増えていったのだが、必ずしも全員がなす術もなく打擲されたわけではなかった。
教職員の中に、三人だけ、本田刑事の攻撃を回避した人物がいたのだ。
彼らは全員がこの学校の先生であったが、その年齢や性別にはやや偏りがあり、更には、本田刑事のおもちゃの刀による攻撃を逃れた方法も様々であった。
その三人の教師ー。
一人は昨日、刑事たちと行動を共にしていた、女性教師である赤銅先生であった。
彼女は、剣道の全国大会に出場した事もある猛者であり、職員室に入った途端に、扉の陰に潜んでいた本田刑事が振り下ろした、おもちゃの刀による一撃を、なんなくかわすと、涼しい顔で首をかしげたのであった。
「なんの真似ですか、本田さん。遊んでいる暇があるんなら、早く犯人を捕まえてください」
彼女の電光石火の体捌きは、それを見た山形刑事や乙白刑事が、思わず「お見事!」と叫ぶほどであった。
そして、彼女と同じく、本田刑事の攻撃を上手く回避したのは、やはり昨日、刑事たちと一緒にいた、もう一人の教師。
すなわち、金田先生であった。
意外にも彼は、職員室の出入り口の手前で立ち止まると、そこからピクリとも動こうとはせず、結局、部屋の中で待ち伏せをしていた本田刑事の方が根負けをして、構えていたおもちゃの刀を、力無く下ろしたのであった。
意外な成り行きに驚いた山形刑事が、金田先生に聞くと、なんでも彼は生徒たちにイタズラを仕掛けられる事が多く、被害を避ける為に、次第に勘が働くようになったとの話であった。
「ほら、教室に入る時に、扉に挟まっている黒板消しが、頭上に落ちてくるとかー。よくあるイタズラですよ。そんなのはしょっちゅうだし、酷い時は、下着が大量に頭の上に降ってくる事もありました。ご褒美ー。いや、いや、まったく困ったものです」
金田先生の情けない告白に、刑事一同は揃ってため息をついた。
そして、最後にもう一人。
本田刑事の攻撃を、完膚なきまでに防いだ人物がいた。
彼の名は、市川雷衛門といい、前述の二人と同じくこの学校の教師であり、刑事たちにとっては、本日初めて顔を合わせた人物であった。
齢70歳にして、未だに意気軒昂な彼は、定年延長を繰り返しながら、この女子高に居座っており、まさに学校の主(ヌシ)とでも呼ぶべき名物教師であった。
そんな彼は、武道の達人でもあり、職員室に入る際に、扉の陰の死角に潜んでいた本田刑事が振り下ろした、おもちゃの剣を持った腕をむんずと掴むと、なんとそのまま投げ飛ばしてしまった。
「未熟者がっ!!十年早いわ!!」
本田刑事は見事に投げ飛ばされ、廊下の床にしたたか背中を打ち付けて、うめき声を上げる。
傍らで見ていた山形刑事や乙白刑事も、老教師の年齢に見合わぬあまりの強さに、驚きの表情を隠す事が出来なかった。
後で赤銅先生に聞いた所によると、市川先生は日本有数の武術の達人であり、特に剣道の腕前は鬼神と言われる程の実力なのだという。
「市川先生と正面から戦って勝てる剣士なんて、日本中捜してもいませんわ」
さて、こんな感じで職員室を散々引っ掻き回した刑事たちであったが、教師全員が室内に勢揃いすると、そろそろ引き上げる潮時だと判断したのか、リーダーである山形刑事を先頭に、深々と礼をしてから、その場を去っていく。
室内にいる教職員たちの冷たい視線を浴びながら、職員室から出ていく三人の刑事たち。
彼らが出ていったその後には、もちろん刑事たちに対する罵詈雑言が、室内に飛び交うのであった。
一方、職員室から退去した三人の刑事たちは、連れだって学校の廊下を歩いていた。
部外者が物珍しいのだろうか。
廊下上で彼らと時折りすれ違う、この学校の生徒たちが、好奇の目線で三人を見やる。
廊下を歩く三人の刑事の内、本田刑事は変な役割を振られた上に、一人の教師に思い切り投げ飛ばされて、何だか疲労困憊の様子であった。
そんな同僚の姿を横目で見つつ、仲間たちと共に学校の廊下を歩く乙白刑事は、何を思ったか、自分の一歩前を行く山形刑事に向かって聞いた。
「山さん、やっぱり今日、本田さんにやらせたあれって、キター侍が誰なのかを確かめようとしたんですよね。不意打ちを食らわせてー。やっぱり、山さんは、犯人が教職員の人達の中にいると思ってるんですね」
乙白刑事のその言葉に、彼女の前を歩く山形刑事がうなずく。
「ああ、とりあえずは、そういう事だ。あのキター侍と名乗る犯人がすさまじい剣の使い手なのは間違いないからな。一度、教職員たちの剣に対する反応を見てみたかったんだよ。もちろん、こんな事で犯人を特定出来るなんて思っちゃいない。あくまで参考にする程度だ」
乙白刑事は、前を歩く山形刑事に更に聞いた。
「でも、山さん。今日は本田さんの攻撃をかわした人が何人かいたじゃないですか。それで、わたし、ふと思ったんです。もしかしてキター侍の正体って一人じゃなくて複数人いるんじゃないかって。キター侍は虚無僧みたいな編笠をかむって顔を隠してます。その中身がいつの間にか別人に入れ替わっていたとしても、はた目からはきっと分からない様な気がするんです。それにキター侍の正体が複数の人間だとすると、その神出鬼没な現れ方にも一定の説明がつきます」
だが、山形刑事は、彼女のその言葉を否定する。
「いや、それはないだろう。キター侍は凄まじい剣技の持ち主だ。なにせ被害者の全員が、背中の皮一枚を、正確に斬られているんだからな。あんな神業を行える人間が、そう何人もいるとは思えん。間違いなく今回の一連の事件で、刀を振るって人を斬っているのは、ただ一人の剣の達人だ。それも超人的な」
山形刑事に、そう言われた乙白刑事は、渋々その顔をうなずかせる。
「なるほど、言われてみればそうですね。複数の人間がそろって同じ技量だなんてありえないし、どうしても個人差が出る筈ですもんね。的外れな事を言って、すいませんでした」
その時、二人と一緒に学校の廊下を歩いている本田刑事が、いきなり口を挟んできた。
「それなら、あの市川とかいうジジイが一番怪しいですよ。まったく思いっきり投げ飛ばしやがってー。あんな暴力的な奴が、女生徒たちに勉強を教える、社会科の教師だなんて信じられませんよ。キター侍の正体は、きっとあいつです。それに、剣の達人には違いありませんしね」
その個人的な恨みつらみがこもった発言を聞いた、彼と一緒に学校の廊下を歩く他の二人の刑事たちは、それぞれの顔にあきれたような表情を浮かべたが、双方とも何か思う所があるのか、いきなり押し黙り無言になってしまった。
やがて、学校の廊下を歩く三人の刑事の中で、唯一の女性刑事である乙白刑事が、顔をうつ向かせながらポツリとつぶやいた。
「本当に単独犯・・・?」
[続く]
まず彼は、部下たちと共に、非常に朝早く学校に姿を現すと、誰もいない職員室に潜入した。
そして、部下である本田刑事に、おもちゃの刀を持たせると、彼を、職員室の出入り口である横開きの扉の陰に隠れさせた。
それから、その扉を通って出勤してくる教師たちを、部屋の中に入る瞬間を見計らって、陰に隠れている本田刑事に、おもちゃの刀で打たせたのだ。
寝ぼけ眼で出勤してきた教員たちは、職員室に入ろうとした途端、部屋の中で扉の陰に隠れていた本田刑事に、いきなり真横からおもちゃの刀を振り下ろされ、避ける暇も無く頭部を打たれる。
まさしく、子供のイタズラであり、いい大人がやる事ではない。
だが、山形刑事は、何を考えているのか、本田刑事に延々とその行為を続けさせ、全教師が出勤して来るまで、やめさせる事はなかった。
もちろん、職員室に仕事をする為に出勤して来る教師たちは、朝っぱらからこんなイタズラを仕掛けられて面白いはずもなく、首謀者である山形刑事に抗議したり、彼を怒鳴りつける者も何人かいた。
だが、山形刑事は、そんな非難を受けてもどこ吹く風といった様子で、一切取り合う事もなく、校長の許可は得ているの一点張りであった。
この様に、刑事たちの意味不明な行動は続き、本田刑事に、おもちゃの刀で頭を打たれる被害者は、徐々に増えていったのだが、必ずしも全員がなす術もなく打擲されたわけではなかった。
教職員の中に、三人だけ、本田刑事の攻撃を回避した人物がいたのだ。
彼らは全員がこの学校の先生であったが、その年齢や性別にはやや偏りがあり、更には、本田刑事のおもちゃの刀による攻撃を逃れた方法も様々であった。
その三人の教師ー。
一人は昨日、刑事たちと行動を共にしていた、女性教師である赤銅先生であった。
彼女は、剣道の全国大会に出場した事もある猛者であり、職員室に入った途端に、扉の陰に潜んでいた本田刑事が振り下ろした、おもちゃの刀による一撃を、なんなくかわすと、涼しい顔で首をかしげたのであった。
「なんの真似ですか、本田さん。遊んでいる暇があるんなら、早く犯人を捕まえてください」
彼女の電光石火の体捌きは、それを見た山形刑事や乙白刑事が、思わず「お見事!」と叫ぶほどであった。
そして、彼女と同じく、本田刑事の攻撃を上手く回避したのは、やはり昨日、刑事たちと一緒にいた、もう一人の教師。
すなわち、金田先生であった。
意外にも彼は、職員室の出入り口の手前で立ち止まると、そこからピクリとも動こうとはせず、結局、部屋の中で待ち伏せをしていた本田刑事の方が根負けをして、構えていたおもちゃの刀を、力無く下ろしたのであった。
意外な成り行きに驚いた山形刑事が、金田先生に聞くと、なんでも彼は生徒たちにイタズラを仕掛けられる事が多く、被害を避ける為に、次第に勘が働くようになったとの話であった。
「ほら、教室に入る時に、扉に挟まっている黒板消しが、頭上に落ちてくるとかー。よくあるイタズラですよ。そんなのはしょっちゅうだし、酷い時は、下着が大量に頭の上に降ってくる事もありました。ご褒美ー。いや、いや、まったく困ったものです」
金田先生の情けない告白に、刑事一同は揃ってため息をついた。
そして、最後にもう一人。
本田刑事の攻撃を、完膚なきまでに防いだ人物がいた。
彼の名は、市川雷衛門といい、前述の二人と同じくこの学校の教師であり、刑事たちにとっては、本日初めて顔を合わせた人物であった。
齢70歳にして、未だに意気軒昂な彼は、定年延長を繰り返しながら、この女子高に居座っており、まさに学校の主(ヌシ)とでも呼ぶべき名物教師であった。
そんな彼は、武道の達人でもあり、職員室に入る際に、扉の陰の死角に潜んでいた本田刑事が振り下ろした、おもちゃの剣を持った腕をむんずと掴むと、なんとそのまま投げ飛ばしてしまった。
「未熟者がっ!!十年早いわ!!」
本田刑事は見事に投げ飛ばされ、廊下の床にしたたか背中を打ち付けて、うめき声を上げる。
傍らで見ていた山形刑事や乙白刑事も、老教師の年齢に見合わぬあまりの強さに、驚きの表情を隠す事が出来なかった。
後で赤銅先生に聞いた所によると、市川先生は日本有数の武術の達人であり、特に剣道の腕前は鬼神と言われる程の実力なのだという。
「市川先生と正面から戦って勝てる剣士なんて、日本中捜してもいませんわ」
さて、こんな感じで職員室を散々引っ掻き回した刑事たちであったが、教師全員が室内に勢揃いすると、そろそろ引き上げる潮時だと判断したのか、リーダーである山形刑事を先頭に、深々と礼をしてから、その場を去っていく。
室内にいる教職員たちの冷たい視線を浴びながら、職員室から出ていく三人の刑事たち。
彼らが出ていったその後には、もちろん刑事たちに対する罵詈雑言が、室内に飛び交うのであった。
一方、職員室から退去した三人の刑事たちは、連れだって学校の廊下を歩いていた。
部外者が物珍しいのだろうか。
廊下上で彼らと時折りすれ違う、この学校の生徒たちが、好奇の目線で三人を見やる。
廊下を歩く三人の刑事の内、本田刑事は変な役割を振られた上に、一人の教師に思い切り投げ飛ばされて、何だか疲労困憊の様子であった。
そんな同僚の姿を横目で見つつ、仲間たちと共に学校の廊下を歩く乙白刑事は、何を思ったか、自分の一歩前を行く山形刑事に向かって聞いた。
「山さん、やっぱり今日、本田さんにやらせたあれって、キター侍が誰なのかを確かめようとしたんですよね。不意打ちを食らわせてー。やっぱり、山さんは、犯人が教職員の人達の中にいると思ってるんですね」
乙白刑事のその言葉に、彼女の前を歩く山形刑事がうなずく。
「ああ、とりあえずは、そういう事だ。あのキター侍と名乗る犯人がすさまじい剣の使い手なのは間違いないからな。一度、教職員たちの剣に対する反応を見てみたかったんだよ。もちろん、こんな事で犯人を特定出来るなんて思っちゃいない。あくまで参考にする程度だ」
乙白刑事は、前を歩く山形刑事に更に聞いた。
「でも、山さん。今日は本田さんの攻撃をかわした人が何人かいたじゃないですか。それで、わたし、ふと思ったんです。もしかしてキター侍の正体って一人じゃなくて複数人いるんじゃないかって。キター侍は虚無僧みたいな編笠をかむって顔を隠してます。その中身がいつの間にか別人に入れ替わっていたとしても、はた目からはきっと分からない様な気がするんです。それにキター侍の正体が複数の人間だとすると、その神出鬼没な現れ方にも一定の説明がつきます」
だが、山形刑事は、彼女のその言葉を否定する。
「いや、それはないだろう。キター侍は凄まじい剣技の持ち主だ。なにせ被害者の全員が、背中の皮一枚を、正確に斬られているんだからな。あんな神業を行える人間が、そう何人もいるとは思えん。間違いなく今回の一連の事件で、刀を振るって人を斬っているのは、ただ一人の剣の達人だ。それも超人的な」
山形刑事に、そう言われた乙白刑事は、渋々その顔をうなずかせる。
「なるほど、言われてみればそうですね。複数の人間がそろって同じ技量だなんてありえないし、どうしても個人差が出る筈ですもんね。的外れな事を言って、すいませんでした」
その時、二人と一緒に学校の廊下を歩いている本田刑事が、いきなり口を挟んできた。
「それなら、あの市川とかいうジジイが一番怪しいですよ。まったく思いっきり投げ飛ばしやがってー。あんな暴力的な奴が、女生徒たちに勉強を教える、社会科の教師だなんて信じられませんよ。キター侍の正体は、きっとあいつです。それに、剣の達人には違いありませんしね」
その個人的な恨みつらみがこもった発言を聞いた、彼と一緒に学校の廊下を歩く他の二人の刑事たちは、それぞれの顔にあきれたような表情を浮かべたが、双方とも何か思う所があるのか、いきなり押し黙り無言になってしまった。
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