おっぱい刑事(デカ)

きーぼー

文字の大きさ
21 / 57
おっぱい刑事(デカ)猟奇事件に挑む

その12

しおりを挟む
 さて、刑事たちが学校に逗留するようになってしばらくたったある日の事、本田刑事と乙白刑事の二人は、いつも通り、拠点としている校内の空き部屋の一室で、一つの机を挟んで向かい合いながら椅子に座り、のんびりと休息を取っていた。
今は昼時ー。
彼らのいる部屋には、刑事たちのリーダーである山形刑事の姿はなく、どうやらかの名物刑事は所用の為に席を外しているようで、残された二人の刑事たちは、いつもよりくつろいだ表情をそれぞれの顔に浮かべていた。
他には誰もいないガランとした教室の中で、同僚の刑事と、一つの机を挟み込むようにしてそれぞれ椅子に座る刑事たちの内、本田刑事は、向かい側にいる乙白刑事に対してくだけた口調で話しかけた。

「山さんも大変だな。本部長から直々の呼び出しだなんて。あっ、乙白さん。このパンも食べなよ」

二人がその両側に座る机の上には、学校の購買部で買ったパンが入った紙袋が置かれていた。
今はお昼時ー。
薄給で外食する暇も無い彼らは、それで昼の食事を済ませようとしていたのであった。

「ありがとうございます、本田さん。あっ、この揚げパンも美味しいですよ」

紙袋から取り出され、机の上に置かれたパンを次々と平らげる二人の刑事。
若いだけあって、彼らは食欲旺盛であった。

「美味しいね、乙白さん」

「まったくです、ウフフッ。やっぱり、超栄軒のバンは最高ですね」

一つの机を、二人で囲みながら座り、仲良くパンを分け合って食べる二人の刑事。
机の上のパンをあっという間に平らげた彼らは、今度はパックジュースをそれぞれチューチューと吸いながら、今現在、彼らが捜査に当たっている事件について語り合う。

「乙白さん。君はやっぱりキター侍の正体は、学校関係者の中の誰かだと思ってるのかい?山さんみたいに」

コーヒー牛乳の四角い紙パックを片手に、パイプ椅子に座りながら、机の向こう側にいる乙白刑事に話し掛ける本田刑事。

「そうですねー」

一方、机を挟んだ向かい側で、彼と同じようにパイプ椅子に腰掛けた乙白刑事は、やはり、手にした野菜ジュースの紙バックを時折りチューチューと吸いながら、その質問に答える。

「確かに、先日、我々が遭遇した校内で起こったあの事件に鍵っていえば、外部の人間には不可能な犯行だったと思います。でもだからといって、学校内にいた人間なら誰でも犯行が可能だったのかといえば、そうでもないんです。なにせ、ほとんどの先生や生徒に、アリバイがあるんですから」

彼女と共に、一つの机を囲んで座る本田刑事が、ポツリとつぶやく。

「なるほど、アリバイか・・・。確かに事件が起こったのは授業中なわけだから、ほとんどの先生や生徒たちは教室の中で、一緒にいたはずだからな。誰か一人が、事件を起こす為に姿を消したら、凄く目立つだろうし、一種の相互監視状態だったって事か」

「そういう事です」

本田刑事とは、一つの机を挟んで向き合っている乙白刑事は、パイプ椅子の上に腰掛けながら、野菜ジュースの紙パックをギュッと握りしめ、更に言葉を続ける。

「わたしたちと行動を共にしていた、金田先生や美波先生はもちろん、他の先生や生徒たちも、ほぼ全員が、事件が起こった時点で、それぞれの教室内にいた事が確認されています。あのキター侍に襲われた女の子の悲鳴が、学校の廊下に響き渡ったその際にも、生徒たちは教室の中でじっとしていて、一部の先生たちだけが外に飛び出すと、被害者やわたしたちがいる現場まで駆けつけて来たんです。あのイケメンで、女の子たちに人気がある白金先生なんか、被害者の悲鳴を聞いたとたんに、生徒たちに外に出るなと怒鳴るみたいに伝えると、物凄い勢いで教室から出て行ったそうですよ」

本田刑事は首を捻ると、事件現場に駆けつけてきたイケメン教師の事を思い出す。

「ああ、あいつか。確かにいい男だよな。そういえば、金田の奴があいつと比較されて辛そうだったな」

本田刑事は、この学校の生徒たちが両教師の授業を受ける際に見た、その極端な態度の変化の事を思い出して、少し表情を曇らせる。
だが、乙白刑事はそんな本田刑事に対して、意外な事を口にする。

「でも、あの二人って親友らしいですよ。金田先生と白銀先生ー。赤銅先生が言ってましたけど」

それを聞いた本田刑事が、驚いたように肩をすくめる。

「へぇー。意外だな。あの変態教師とイケメン教師がねぇ。スペックが全然ちがうのに」

本田刑事の戸惑う様子が面白かったのか、クスクスと笑う乙白刑事。

「そうですね。でも同じ大学の出身で、学部でも同期だったせいか、二人は本当に仲が良いらしいです。学生時代は、デコボココンビと呼ばれてたんですって。なんでも二人をモデルにして、学内でBL同人誌が作られたとか何とか。フフッ、ちょっと、見てみたいですね。まぁ、どちらかといえば、今は、金田先生の方が引き立て役になってる感じですけど」

「へぇーっ、びーえるねぇ」

素直に驚く本田刑事の様子を見て、乙白刑事は何だか可笑しく感じたのか、その顔に笑みを浮かべる。
だが、さすがに脱線し過ぎたと思ったのか、すぐに会話の流れを元の話題に戻した。

「まぁ、そんなこんなで、あの日は生徒たちはもちろん、大半の教師たちにも、確かなアリバイがある訳なんですけど、実はアリバイの無い先生たちも何人かいるんです」

驚いた本田刑事は、声を低くして乙白刑事に尋ねる。

「本当かい?乙白さん」

乙白刑事は、机の向こうでコクリとうなずくと、更に詳しく話し始めた。

「一人はこの学校の校長先生です。そしてもう一人は、喜多川先生ー。ほらっ、本田さん、覚えていませんか?わたし達が、この学校に初めて来たあの日、事件が起こる前に、白銀先生と一緒に現れたあの先生ですよ」

「ああーっ」

本田刑事は、この学校に来た初日の事を思い出して、声を上げた。
そう、あの日は自分を含めた刑事たちが、金田先生の授業を見学した後で、彼や美波先生と共に学校の廊下にたむろしており、その際に例のイケメンの白銀先生と一緒に姿を現した太った中年教師がいて、確か喜多川という名で呼ばれていたのだ。

「思い出したよ。確か、金田に文句を言っていた、大柄な人だよね。でもあの先生がどうかしたの?」

「それがですね・・・」

ちょっと言いにくそうにしながらも、乙白刑事は言葉を続ける。

「あの日、被害者が襲われた時に校内にいた、白銀先生を始めとするこの学校の教師たちは、その全員が受け持ちのクラスで授業をしていた事が確認されています。もちろん、女生徒の悲鳴を聞いて、教室から飛び出した機敏な教師も何人かいましたが、それは事件が起こった後の話です。でも喜多川先生だけは、事件が起こるかなり前に、その姿を消してしまっているんです」

本田刑事が首を捻る。

「そりゃ、確かに怪しいね。でも、どうしていなくなったんだろう」

乙白刑事が言葉を続ける。

「喜多川先生は体育教師なんですけど、その授業中に突然いなくなったそうなんです。生徒たちが後で彼に聞いたら、トイレでタバコを吸ってたそうです。でもー」

その時だった。
教室の出入り口の方で、ガタリという音がした。
空き教室の中で机を挟んで座る二人の刑事が、驚いて音のした出入り口の方を見ると、なんとそこには半開きになったドアの向こう側に立つ、一人の少女の姿があった。
少女は、教室の出入り口の外側に面した廊下の上に立ちながら、半開きのドアに寄りかかっており、その隙間からこちらを覗き見ている青ざめた顔には、緊張の表情が浮かんでいた。
驚いた刑事たちが、机の両側に置かれたパイプ椅子からそれぞれ立ち上がり、半開きになった教室のドアの方へと駆け寄ると、その向こう側に立つ制服姿の少女はビクンと身体を震わせた。
そして、刑事たちが半開きの扉を挟んで自分の前に立った事を確認した、その少女は、自分がいる廊下の方から室内に向かって、声を振り絞って叫んだ。

「あたし、見たんです!!昨日の夕方にっ!喜多川先生が、刀が入っているみたいな長い包みを持って、学校の周りをウロウロしているところをーっ」

[続く]




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...